ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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懐柔編

絶頂期

「えっ、結婚?」

空手の稽古を終え、駅までの道を歩きながら、薫は未来から近々結婚すると聞かされた。


「未来ちゃん、それって

例の垂水組の?」


「そうなんです。

ワタシもよくわかんないんですけど、早めに式挙げるのがいいって、周りが言ったみたいで。

予定を大幅に前倒しして、二ヶ月後に挙式と披露宴をさせていただくことになりました。」


「あの、ご両親には?」


「はい。
この前、彼と二人で会って、一応許してくれましたので、式にも出てくれるみたいです。」


「ホント?

それはよかったわ」



「はい。ありがとうございます…

あの、薫さん」


「えっ?」


「薫さんとご主人さんも、ワタシ達の式に出ていただけませんか。」


「えっ、ワタシ?」


「はい。
ワタシ、薫さんを尊敬していますし、生意気ですけど、ずっと仲良くしていけたらなあって思ってるんです。
話を聞いて、ご主人さんも素敵な方だと思いますし、是非来ていただけたらって…」


「…

未来ちゃん。
ワタシも未来ちゃんとは仲良くしたいって思ってるのよ。

ワタシ達でよければ、是非出席させていただくわ。

主人も多分、二つ返事で出席するって言うと思うし。」


「ありがとうございます!

嬉しいです」


「ううん。未来ちゃんのウエディングドレス姿も見てみたいしね。」


「ホントはすごく恥ずかしいんですけど。」


「未来ちゃんほどの美人なら、どうやっても素敵にしかならないわよ。
自信を持ちなさい。」


「薫さんくらい美人なら自信が持てるんですけど」


未来はそう言って笑った。


「ワタシはもうオバサンだから、最近は鏡見るのが怖くなってるのよ。」


「そんな事ないですよ。
めっちゃキレイじゃないですか

ワタシが生まれてきてから今まで見てきた全ての人の中で一番美人なのが薫さんです。
これは断言出来ます。」


「もう、やめて
恥ずかしいから」

薫は未来の腕をポンポンと叩いた。


「それと、ワタシってニューハーフじゃないですか。
両親はなんとか説得して式に出てもらえる事になりましたけど、大学や地元の友達に来てもらう事も出来ないので…」


「わかるよ。
それは切実な問題だもんね。」


「彼がワタシ側の出席者を頭数揃えるためにエキストラ使うか?って」


「それもねえ、どうなんだろ
なんか虚しいよね。」


「はい。」


「わかった。
ワタシ達は本当のお友達として喜んで出席させてもらうからね。」


薫は笑顔で未来に言った。
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