ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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闇堕ち編

希望

「皆さん、佐々木組長代行がおっしゃられた通り、垂水組は今、危機的状況にあります。」

鷹村は全員に向かって話し始めた。

「ならば、今は、少なくとも、組の内外に向かって我々が一枚岩であると知らしめなければならないのです。
依然として垂水組は巨大で日本一のヤクザ組織であると。

頭を失っても、何一つ変わらないのだということを。」


「それは、私達も思っています。
しかし、どうすれば?」

佐々木は困惑した表情で、鷹村に言った。


「先ほど、佐々木さんは警察を始め、世の中の目が厳しいとおっしゃいました。」


「ええ。
昔と違って、世間の目が厳しく、ヤクザが普通に活動出来にくくなっています。」


「確かにそうでしょう。
だったら、世間の目が厳しくならないよう措置を取る必要があるんじゃないでしょうか。」


「世間の目が厳しくならないように?

我々ヤクザが市民権を得られるわけないじゃないですか。
そんなの無理に決まっています。」


「果たしてそうでしょうか?

私は、そうでない証拠を示すために、垂水組八代目組長の決定を行いたいと考えています。」


「勿論、八代目の選出は必要だと思います。
しかし、それが世間の目が厳しく向けられないようにするのと、どのような関係があるんですか?」


佐々木が言うと、鷹村は頷いた。

「私は、垂水組八代目について
故岡田優磨氏の妻であり、未亡人の岡田未来氏に務めてもらいたいと考えています。」

未来を八代目にすると聞いて、一気にざわつき始めたが、鷹村の意思は固いように見えた。

だが、その意見に対し、佐々木は異議を唱えた。


「鷹村先生
八代目に若くて美しい未来さんに、その重責を担ってもらうのは良い考えかもしれません。

ですが、一般の人間である未来さんが務まるとは思えませんし、また、本人もやろうとは思っていないんじゃないでしょうか。

目の前で夫が殺されたんだ。
ヤクザというものを毛嫌いしてるのではないですか。」


「いや、その辺の事は全て御本人に説明し、その上で八代目の就任を引き受けると言っていただきました。」


「それは、本当ですか。」


「ええ。
実は、隣室に来ていただいております。

呼んでもよろしいですか?」


鷹村の問いかけに、全員が了解した。

鷹村はすぐに携帯を取り出し、美来に連絡を取った。

「悪いがすぐに来てもらえるかな。」

そう言って電話を切った。


しばらくすると、ドアをノックする音がし、岡田未来が入ってきた。

ヤクザばかりの集まったその部屋に。
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