ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

文字の大きさ
348 / 409
闇堕ち編

復興

薫は、今は大きな乳房があり、タマもない。
また体のラインも皮下脂肪が付いて丸みを帯び、シルエットからして女性そのものだった。
しかも、髪も長く、肩まであり、化粧もバッチリである。

故に男として生きる事はもはや不可能である。

しかし、女の姿のまま、薫は沢木組に帰ってきた。

ヤクザとして…。


庄山の死後、組長となった山崎は、自分の部屋に薫を呼び、その真意を尋ねた。


「なあ、薫」


「はい。」


「お前

ホンマに綺麗になったなあ。
そこらの女じゃ勝たれへんくらいにな。」


「いえ…」



「女になりとうて、組を抜けたお前が復帰したいやなんて…
目的は旦那の仇を討つためか?」



「…

それは、自分でもわからないです。
ワタシが何をしたいのか…
でも、ワタシのすべき事はラーメン屋ではなく、極道の世界に戻る事だという結論に達し、またこちらでお世話になれないかとご相談した次第です。」


「ウチもなあ、ヤクザっちゅー組織自体が法律、警察、世論によって弱体化され、なかなか厳しゅうなっとるんが現実や。

それに、沢木、庄山という組の長が二人続けて殺されるっちゅー不運にも遭うてしもた。

赤石みたいな有望な若手も殺されてしもたしな。」


「沢木組長は、ワタシをここに拾ってくれた恩人ですし、庄山さんにも色々目をかけていただきました。

功太…いえ、赤石は、ワタシの弟分で可愛がっていましたし…彼が死んだ事は…」


薫はそこまで言うと、言葉に詰まり、目を潤ませた。


「そりゃあ、ワシもお前と同じ気持ちや。
あのとき、お前の旦那、ウチのオヤジと赤石、大西組の頭、そして、垂水組の七代目と、お前の旦那はカタギやったが、それ以外は、三つの組のトップやったわけやし、組織としては、痛いとしか言いようがあらへん。」


「はい…」


「なあ、薫

俺もお前と一緒の気持ちや。
今すぐにでも大友んとこと構えて、きっちり落とし前をつけさせたいと思てる。

けどな、それをしたら奴らの思う壺や。

それが証拠に、警察は犯人と大友との関係を実証出来てへんし、正式には神頭会の跳ねっ返りによる仕業やということになっとる。

つまり、今の状況では動かれへんっちゅーこっちゃ。

勿論、垂水からもストップがかけられたままやしな。

それでも、お前は組に戻ってくる言うんか?」


「はい、破門になった身で、大変勝手を申しますが、ワタシを組の末席に置いていただけませんでしょうか。」

薫は深々と頭を下げて言った。


「破門にしたんは、先々代の姐さんのお前に対する配慮やったんは、ワシらもわかっとる。

わかった。

薫、ウチにはお前のその強さが必要や。
たとえ女になっても、そうそう衰えるもんやないやろ。

まあ、よろしく頼むで!」


山崎は立ち上がり、薫の肩に手を置いて言った。
感想 1

あなたにおすすめの小説

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

世界の終わりにキミと

フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。 そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。 しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…

OLサラリーマン

廣瀬純七
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

性転のへきれき

廣瀬純七
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

兄になった姉

廣瀬純七
大衆娯楽
催眠術で自分の事を男だと思っている姉の話

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

交換した性別

廣瀬純七
ファンタジー
幼い頃に魔法で性別を交換した男女の話