ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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闇堕ち編

牽制

多村、大友、そしてキムの三人は、大友所有の和歌山の別荘に集まっていた。


「垂水の八代目

なかなかやるじゃない。
マスコミを使って、ワタシらを牽制してくるなんて。」

多村は、笑いながら言ったが、目は怒りに満ち溢れていた。


「洋子、笑い事ちゃうぞ。

鉄砲玉使うて、主要な人間を殺れたんはええが、
垂水も沢木も全く動じてへんやないか。

それどころか結束固めて、反転攻勢に出るやもしれん。」



「いや、大友さん。
それはムリでしょう。
今の時代、報復なんかしようものなら、逆に警察によって先に潰されてしまいますよ。」

キムは、心配する大友に言った。


「それでもキムはん。

向こうは動くか動かんかはわからんけど、ワシらもずっと隠れてるわけにはいけへんし。
一体どないしたらええんや。」


「今は世の中が、垂水の八代目に同情して、こちらに逆風か吹いてますが、そんなのは少しすれば忘れ去られますよ。
世間なんてそんなもんです。

我々はしばらく大人しくしておき、頃合いを見て大阪に戻り、垂水と沢木が弱体している隙を突けばいい。
ミナミのシマだって一気に拡大出来ます。」


「あなた、キムは商売人だから、話を全て真に受けてはダメよ。」


「多村さん、酷い事言いますね。
今のところ、あなた方が描いたシナリオ通りに進んでるじゃないですか。」


「そうでもないわ。

垂水、沢木、大西という組の頭を殺れたことについては、出来すぎなくらいだと思うわよ。

でも、あまりにもパーフェクトすぎて、少し風向きが変わったといえる。」



「ほう。たとえば?」


「八代目の女もそう。
多喜の女もそう。

何なら亮輔だって生きてるし。

アイツらを何とかしないと、こちらにとって近いうちに大きな禍いとなって降りかかってくるにちがいないわ。」 
 

「考えすぎでしょう。

八代目といっても、アレは組をまとめるためのシンボル…いや、お飾りにすぎない。

多喜の女も、前は相当な武闘派だったらしいが、今はすっかり女の体になっちまって、そこまでの脅威じゃない。

亮輔に至っては、下半身が動かないって聞いてます。」


「まあ、ワタシらの取り越し苦労であればいいんだけどね。

それに、敵が出てきた時、こちらが反撃したら共倒れになるかもしれない。

警察もそれを狙ってる。

ワタシはイヤよ。刑務所に舞い戻るのは。」


「ワシもやで、キムはん。」


「わかってます。
しばらく様子を見て、次の動きを考えましょう。」


キムは鋭い目を二人に向けながら、タバコを口に持っていった。

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