ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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最終決戦篇

共助

薫と小百合は、裸で抱き合っていた。

三十代となり、少し肉付きが良くなり、色気が付いた薫に対し、五十を前に、かつて恐ろしいほどの美貌を誇った小百合も寄る年波には勝てず、お腹が出て、体の線が崩れていた。


そんな二人のニューハーフが、ベッドで激しく求め合っている。

何故このような形になってしまったのか、自分達にもよくわからなかった。

気が付いたらそうなってしまっていたのだ。

お互いに最愛の人を亡くし、底の見えない寂しさと虚無感に包まれていた。

その期間はそれぞれ違えど、寂しさの質や深さは
同じで、互いにその部分を共有しているという実感はあった。

薫は、最愛の夫である多喜を失い、一生一人で生きていこうと決めていた。

小百合は、まさに薫の未来の姿であり、強く凛とした女性だと信じて疑わなかった彼女が、ここまで脆く、弱々しいとは、薫も夢にも思っていなかった。

だが、その弱さを隠す事なく自分に見せた。

この事で、薫の中の何かが変わった。


実は、薫には多喜にも言っていなかった秘密があった。

彼女は、かつて、多村によって拉致、監禁され、セックスドラッグを大量に投与された上で、凌辱を受け続け、廃人にされかけた過去がある。

命の危険さえあった薫は、救出後、リハビリを重ね、自身の強い精神力により、危機を脱する事に成功した。

しかし、それから度々、フラッシュバックが襲うようになり、異常性欲という症状が出るようになった。
過去に限界を超えた快感の中、毎日男達に犯され続けた体は、そのときの感覚を忘れず、時折発現しては、薫を苦しめた。


薫は、必死に耐え、また、多喜に抱かれる事により、苦しみから救われてきたが、その多喜が死んでしまい、薫は心の拠りどころを失ってしまった。

もう、今後の人生は一人で耐えていくしかないと心に決めていたが、小百合の心の内を聞いた事により、一気に箍が外れ、気が付いたらこのような姿で抱きしめ合っていたのだ。

小百合も十五年近く一人で生きてきた。
女盛りのときも貞操を守り、未亡人としての役割を十分に果たしてきた。

しかし、ホルモンバランスの乱れによる鬱と、かつてその美貌に惚れ込んだ新田薫が、期せずして一人になってしまった姿を見て、何かが解放されたような気がした。

彼女もまた、気が付けば一糸纏わぬ姿で、薫を求めていた。
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