ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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最終決戦篇

死屍累々

「ワタシ達が狙った中で、松山亮輔は唯一命を落とさず、大西の跡を継いで大西組の組長に就いた。

だけど、半身不随で一生車椅子での生活。

復讐に燃えていたとされる、新田薫は、沢木組に復帰するも、再び離脱し、先々代の組長の未亡人、沢木小百合と共に暮らしている。

そして、ワタシたちが最も恐れていた岡田未来だけど、マスコミなどを利用して情報、印象操作をして、自らを悲劇のヒロインにして、ウチがこれ以上手出しが出来ないように持っていった。

さらに、傘下組織に離脱する者が出ないよう、現地に自ら足を運んで、結束固めに勤しんだ。

なのに、ある日突然、嫌気がさしたのか、全部を投げ出して引退し、跡目を若頭の佐々木に譲った。」



「ワシも、今回の件で怖いのはそこのとこやったけど、全部があかんようになってしもたな。」


多村の話に、大友は深く頷いて返答した。


「所詮は小娘の気まぐれよ。

ワタシらは、弱体化した沢木のシマをじっくりといただくだけ。

フフッ」


「ホンマにそやな。
まさに、これは棚ぼたっちゅーこっちゃ」


「岡田未来が政治的な動きをすれば。こっちも危なかったし、新田薫も捨て身でこっちを狙ってきたら危なかった…
でも、その二人が離脱。

唯一、この世界に残っている亮輔は、半身不随。

ワタシ達の完全勝利よ。」




大友と多村がこの世の春を謳歌していた、まさにそのとき、亮輔は一向に動く気配のない下半身を恨めしそうに見つめ、絶望感に打ちひしがれていた。


「もういくらリハビリやったって、足はピクリとも動かねえだろう。

無駄な事をいつまでもやったって意味がないし、もう完全に諦めたよ。」


「…」


亮輔は、見舞いに来た自分の組の組員である片山に向かって、弱音を吐いた。


「ここを早急に出たいから、先生に退院させてもらうように聞いてみるよ。
また手続きや準備があると思うから、迷惑を賭けるが頼むよ。」


「わかりました。明日朝にまた来ます。
それでは、自分はこれで失礼致します。」


亮輔は、片山が帰り、一人になると…
いつものように落ち込む時間となり…

ベッドの上で天井を見ながらボーッとしていた。


しかし


「あ、すいません。」

さっき出たはずの片山が帰ってきた。


「どうした?

忘れ物か」


「いえ、オヤジにお客様です。」


「お客…」


亮輔がそう言って片山の後ろを見ると、知っている顔がそこにあった。


「えっ…」


「久しぶりね、亮ちゃん」


「綾香…

どうして…ここに?」


病室を訪れたのは、亮輔が波乱の人生を送るきっかけとなった綾香、その人であった。

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