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最終決戦篇
ヤクザの掟
「鷹村さん、よくここがわかりましたね。」
亮輔は、駐車場で待っていた鷹村を自分の車に招き入れ、そう言った。
「ええ。
私も弁護士であり、ヤクザであり、調査会社みたいな仕事もしていますので、色々情報は集めています。
あなたが例の医師により、完全回復して歩けるようになった事も。」
「そうですか…」
「思ったよりも元気そうですよかった。」
「いや、全然ですよ。
長い入院生活で筋力がすっかり落ちてしまいました。
回復までには相当な時間を要しますよ。」
「それでこのジムに通っているんですね。」
「ええ、まあ…
ところで、鷹村さん
今日は一体何の用でこちらへ?」
「松山さん
あなたに話をお聞きしたいのと、あと、一つお願いがありましてね。」
「自分に話を?
なんですか?」
「松山さん、歩けるようになって、ジムで体力を回復させているのは、リハビリのためだけですか?」
「ええ。
そうですよ」
「では、大西組を引退なされたのは何故なんですか?
これまで通り体が動くんであれば、大西さんの遺志を継いで、組を運営していくべきではありませんか。」
「まあ、そういう考え方もありますが、自分はもうヤクザを続ける気はないんですよ。
大西組は他の者に任せます。」
「では、例の彼女とのんびり何処かで暮らすって事ですか?」
亮輔は、助手席の鷹村に視線をやりながら口元を綻ばせた。
「何でもご存知なんですねえ、鷹村先生は。」
「いえ、そんな事はありません。
ただ、綾香さんとヨリを戻すつもりなら、まだここに留まっている事には些かの疑問を感じます。
ひょっとしたら、松山さんは何かをやろうとしているのではないかって…」
「別に何をするってわけじゃありません。
たまたまですよ、ここにまだ住んでいるのは。
このジムが気に入ってて…
体力が戻ったら引越しするつもりですから。」
「松山さん、お互いに腹を割って話しませんか。」
「?」
「松山さんがこれから行おうとしている事と同じように動こうとしている人がいましてね…」
「未来ちゃん?」
「察しがいいですね。
ええ、その通りです。
岡田未来さんは、亡くなった七代目の未亡人です。
今はもう垂水組から退いていますので、一般人扱いとなっていますが、私が予想するに、どうやら松山さんと同じ事をしようと考えているようです。」
「まさか…」
「私は亡くなった七代目が好きでしてね
その妻である岡田未来さんには、今後の人生を幸せに生きて欲しいと考えているんです。
だから…
松山さん、彼女を止めていただきたいんです。」
鷹村の口調は、普段とは違い、かなり熱が籠っていた。
亮輔は、駐車場で待っていた鷹村を自分の車に招き入れ、そう言った。
「ええ。
私も弁護士であり、ヤクザであり、調査会社みたいな仕事もしていますので、色々情報は集めています。
あなたが例の医師により、完全回復して歩けるようになった事も。」
「そうですか…」
「思ったよりも元気そうですよかった。」
「いや、全然ですよ。
長い入院生活で筋力がすっかり落ちてしまいました。
回復までには相当な時間を要しますよ。」
「それでこのジムに通っているんですね。」
「ええ、まあ…
ところで、鷹村さん
今日は一体何の用でこちらへ?」
「松山さん
あなたに話をお聞きしたいのと、あと、一つお願いがありましてね。」
「自分に話を?
なんですか?」
「松山さん、歩けるようになって、ジムで体力を回復させているのは、リハビリのためだけですか?」
「ええ。
そうですよ」
「では、大西組を引退なされたのは何故なんですか?
これまで通り体が動くんであれば、大西さんの遺志を継いで、組を運営していくべきではありませんか。」
「まあ、そういう考え方もありますが、自分はもうヤクザを続ける気はないんですよ。
大西組は他の者に任せます。」
「では、例の彼女とのんびり何処かで暮らすって事ですか?」
亮輔は、助手席の鷹村に視線をやりながら口元を綻ばせた。
「何でもご存知なんですねえ、鷹村先生は。」
「いえ、そんな事はありません。
ただ、綾香さんとヨリを戻すつもりなら、まだここに留まっている事には些かの疑問を感じます。
ひょっとしたら、松山さんは何かをやろうとしているのではないかって…」
「別に何をするってわけじゃありません。
たまたまですよ、ここにまだ住んでいるのは。
このジムが気に入ってて…
体力が戻ったら引越しするつもりですから。」
「松山さん、お互いに腹を割って話しませんか。」
「?」
「松山さんがこれから行おうとしている事と同じように動こうとしている人がいましてね…」
「未来ちゃん?」
「察しがいいですね。
ええ、その通りです。
岡田未来さんは、亡くなった七代目の未亡人です。
今はもう垂水組から退いていますので、一般人扱いとなっていますが、私が予想するに、どうやら松山さんと同じ事をしようと考えているようです。」
「まさか…」
「私は亡くなった七代目が好きでしてね
その妻である岡田未来さんには、今後の人生を幸せに生きて欲しいと考えているんです。
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鷹村の口調は、普段とは違い、かなり熱が籠っていた。
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