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最終決戦篇
翻意
「お前、本当に新田か?」
沢木組が一堂に介したその席で、小百合の横に座る薫を見て、山崎は驚きの表情を見せた。
「すいません…ぶくぶく太っちゃって…」
「いや、それはまあ…
ウチに戻ってきてた時は、折れそうなくらい細かったのに、こんな風になるものなのか。」
「ワタシ、ニューハーフなんでホルモンバランスの関係で太りやすくはあったんです、前から。
気を緩めると一気に…」
「そうなんか。
まあ、でも…元気そうでなによりや。」
「山崎、あんまりカラダの事は言わんといてや。
薫より太ってしもたワタシの前で。」
「あ、いや
姐さんは相変わらずお綺麗です。」
小百合のツッコミにタジタジになった山崎は、頭を掻いた。
当初は、先々代の沢木組長の十三回忌法要を目的として集まる予定にしていたこの会だったが、小百合の提案により、急遽、例の襲撃事件で亡くなった庄山と赤石功太を偲ぶ会として開催する事にし、このホテルの宴会場には、庄山の家族や、赤石功太の婚約者だったユウも出席していた。
「姐さん、こういう会にしてええんでっか。」
「山崎、あの人の十三回忌法要は、盛大にやらんでええんよ。
まあ、組の結束を固めるためには必要な事やとは思うけどな。
それは身内だけで静かにやらせてもらうわ。
それよりも、庄山や功太の事を忘れんように、みんなで偲んでやりとうてな。」
「姐さん、ありがとうございます。
せっかく先々代から先代へとここまで大きくしてもろたこの沢木組ですが、今回の件でかつてないほどの窮地に立たされております。
どうか、助言してもろえたら助かります。」
山崎は頭を下げ、ビールを小百合のグラスに注いだ。
「山崎
ウチもこんな事で組がおかしくなっていくのを見とうないわ。
もう一回力合わせて頑張ろや。」
小百合は山崎を激励し、この会の中でも皆に向かって同じ話をした。
宴会が続く中、薫は一人でポツンと座るユウの向かい側に来て声をかけた。
「ユウちゃん、来てくれたのね。」
「薫さん…
また太りましたね…」
「うん。
もう止まらなくて…
お恥ずかしいわ。」
ムチムチの体を窮屈そうにしながら薫は顔を真っ赤にして俯いた。
「薫さん、ワタシ
つい先日、未来ちゃんに会ったんです」
「えっ」
ユウは、薫に顔を近づけ、声を顰めて言った。
沢木組が一堂に介したその席で、小百合の横に座る薫を見て、山崎は驚きの表情を見せた。
「すいません…ぶくぶく太っちゃって…」
「いや、それはまあ…
ウチに戻ってきてた時は、折れそうなくらい細かったのに、こんな風になるものなのか。」
「ワタシ、ニューハーフなんでホルモンバランスの関係で太りやすくはあったんです、前から。
気を緩めると一気に…」
「そうなんか。
まあ、でも…元気そうでなによりや。」
「山崎、あんまりカラダの事は言わんといてや。
薫より太ってしもたワタシの前で。」
「あ、いや
姐さんは相変わらずお綺麗です。」
小百合のツッコミにタジタジになった山崎は、頭を掻いた。
当初は、先々代の沢木組長の十三回忌法要を目的として集まる予定にしていたこの会だったが、小百合の提案により、急遽、例の襲撃事件で亡くなった庄山と赤石功太を偲ぶ会として開催する事にし、このホテルの宴会場には、庄山の家族や、赤石功太の婚約者だったユウも出席していた。
「姐さん、こういう会にしてええんでっか。」
「山崎、あの人の十三回忌法要は、盛大にやらんでええんよ。
まあ、組の結束を固めるためには必要な事やとは思うけどな。
それは身内だけで静かにやらせてもらうわ。
それよりも、庄山や功太の事を忘れんように、みんなで偲んでやりとうてな。」
「姐さん、ありがとうございます。
せっかく先々代から先代へとここまで大きくしてもろたこの沢木組ですが、今回の件でかつてないほどの窮地に立たされております。
どうか、助言してもろえたら助かります。」
山崎は頭を下げ、ビールを小百合のグラスに注いだ。
「山崎
ウチもこんな事で組がおかしくなっていくのを見とうないわ。
もう一回力合わせて頑張ろや。」
小百合は山崎を激励し、この会の中でも皆に向かって同じ話をした。
宴会が続く中、薫は一人でポツンと座るユウの向かい側に来て声をかけた。
「ユウちゃん、来てくれたのね。」
「薫さん…
また太りましたね…」
「うん。
もう止まらなくて…
お恥ずかしいわ。」
ムチムチの体を窮屈そうにしながら薫は顔を真っ赤にして俯いた。
「薫さん、ワタシ
つい先日、未来ちゃんに会ったんです」
「えっ」
ユウは、薫に顔を近づけ、声を顰めて言った。
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