ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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最終決戦篇

核心と確信

「あなたちは、ワタシの結婚式場での犯行を思いつき、キム達と共謀し、凶行に及んだ。

そして、実行犯に全ての罪を被らせた。」


未来は、大友と多村に、交互に視線を送りながら、淡々と話した。


「垂水の七代目の未亡人さんは、想像力が豊かでんな。

最愛のご主人を亡くされて、辛いお気持ちなんはようわかりますが、ご自分に都合よく想像で話すんはやめといた方がよろしい。」


大友は、少し笑みを浮かべ、未来を窘めるように言った。

そんな話をしても大友や多村が良心の呵責に駆られて心を改めるわけがない


亮輔も薫も百も承知だった。

話し合いなど出来る相手ではない。
だからこそ、自分達二人が付いてきたのだ。

話し合いが上手くいかずに紛糾したら…

いや、そうなるのは確実だ。


その後、どうする?


未来から細かいプランは聞かされていない。

彼女は、あくまでも話をしたいと言っていた。

そして、理想は、彼らが自首する事だと…


そんな事、出来るはずがないのに…


亮輔は、話をする未来の方を見て、次に薫を見た。

薫の表情は、緊張感に包まれており、やはり、亮輔と同じ不安を抱えているようだ。


自分は、身を挺してでも未来と薫を守らなければいけない。
亮輔は、少し緊張しながら身構えた。


薫もまた亮輔と同じ思いであった。

再び、体を鍛え直し、以前と変わらぬ強さを取り戻してはいたが、やはり、男時代と比べると、どうしても筋力の低下は否めず、長年の女性ホルモンの摂取と、去勢した影響は大きかった。

しかし、それでも、薫は依然として、飛び抜けた強さを誇っており、亮輔がそう考えたように、自分もこの身を犠牲にしても、二人を守りたいと、心に強く誓っていた。


そんな二人の思いを、未来は背中に背負いながら、不毛な話し合いを続けていたが、相手にわかるはずもなく、時間だけが過ぎていった。


「わかりました。

アンタがそこまで言うんやったら、名前が出たもう一人を連れてきまひょか。」


大友は、そう言うと、未来達の背後に立っていた部下の男らに


「キムはんは、着いたか?」

と、確認した。


男の一人は、一礼すると部屋を出ていった。

そして、しばらくすると、黒の細身のスーツを着たキムが入ってきた。


「遅くなってすみません。

ちょっと道が混んでたもんで」

キムは、未来達がいるにもかかわらず、リラックスした様子で、大友の隣に座った。


「おう、亮輔

久しぶりじゃねえか。」


キムは、亮輔と視線を合わせると、そう言ってニヤリと笑った。


亮輔は、無表情で一切の反応をしなかったが、キムの登場に、嫌な予感しかしなかった。

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