ニューハーフ極道ZERO

フロイライン

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最終決戦篇

Trump card

「せっかく来てもろて申し訳ないんやけど、ありもせえへん作り話をされても、こっちも困りますわ。

お引き取り願えませんか。」

大友は、葉巻を燻らしながら、両脇の多村、キムを交互に見た後、未来に鋭い視線を送って言った。


未来は、表情を変えず、大友を見つめたまま



「若森祐一」

と、ボソッと言った。



誰もがキョトンとしてしまう中、未来は構わずに続けた。


「ワタシ達を取り囲んでいる人たちの中に、若森さんがいないようですけど、辞められたのですか?」



「…

何を言うとんねん、アンタは。」


大友の表情に、動揺の色が見えた。



「あなたの側近である若森さんは、いつもあなたの近くにいた。
そして、密室で話され、取り決められた話は全て聞いていた。

勿論、結婚式場への襲撃計画の内容も全て。」



「ちょっと、頭大丈夫なの?

妄想で話をするのもいい加減にしてちょうだい。」


多村が呆れた様子で話に入ってきた。

さらにキムも。


「岡田さん

我々が警察に監視されて何も出来ないと思ってるでしょうが、実際はそこまで足枷があるわけじゃない。

アンタらが偶然姿を消したとしても、別に捜査の手はこちらに向かわないんですよ。

この意味がわかりますか?」



「興味深いお話ですね。
お聞かせ願えますか?」


「警察が恐れているのは世論です。

ヤクザ同士の抗争があると、世間から警察に厳しい目が向けられる。

つまり、警察はヤクザ同士の抗争には徹底的に介入するが、我々の稼業については今まで通り黙認してくれています。

つまり、私があなた達三人に危害を加え、さらに、その証拠も表に出ないようにすれば、警察の捜査の手がこちらに向く事はありません。」


キムは、淡々と語った。



「そうですね。

ワタシも少しの間ですが、垂水組に在籍していましたし、その辺の事はよくわかっているつもりです。


ですが、キムさん


ワタシは、あくまでもあなた方の良心に訴えかけたいと思ってここに来たんです。

何故なら、ワタシは、あなた達を破滅に追い込む決定的な証拠を持っているので。」


「ほう、それは興味深いですね。

是非とも見せていただきたい。」



亮輔と薫は、未来の真意を測りかねていた。

決定的な証拠などあるわけがない。

これもまたハッタリに違いない…


しかし、若森祐一という大友組の組員の名前を口にした。


これが何を意味するのか…


二人は、黙って見ているしかなかった。
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