46 / 72
眺望と展望
しおりを挟む
「おっ、もうこんな時間か。
そろそろ行くか?」
北岡は、趣味の悪い腕時計に目を落としつつ俺に言った。
「マスター、おあいそして。」
「はい、ありがとうございます。」
店主はそう言うと、カウンター前にあるショーケースの上に置いていた伝票を手に取り、計算機で数字を叩き始めた。
計算が終わると、小さな黄色い紙に代金を書き、北岡に渡した。
北岡は頷き、これまた趣味の悪い長財布から一万円札二枚を取り出し、店主に手渡した。
一万幾らかは知らないけど、北岡は釣りを受け取らず、店を出た。
店主の様子からして、料金は一万二千円くらいだったんじゃないかな。
外に出ると、北岡は背筋を伸ばしながら
「リナ、どこで寝泊まりするんだ?」
と、聞いてきた。
「はい。
お店のルームを一つ借りて、寝泊まりさせてもらう事になりました。」
「そりゃ大変だな。
あんな狭い部屋に。
それも何人ものオッサンが使ってきたベッドだぜ。
ゾッとしねえか?」
「いえ、別に。
屋根のあるところで寝られるだけ幸せです。」
「そうか。
だったらいいんだけどよ。
それじゃあ、俺は行くわ。」
「北岡さん
色々とありがとうございました。
こんなにご馳走にまでなってしまって」
「あんまりあらたまって言うなって。
こんな庶民的な店でよお。」
「いえ、誘っていただいて嬉しかったです。」
俺は、なぜか素直な気持ちがポロッと出てしまい、自分で言った後に赤面してしまった。
実際には赤面したのかどうかはわかんなかったけど、顔が異常に熱くなったので、赤くなってたんだと思う。
そろそろ行くか?」
北岡は、趣味の悪い腕時計に目を落としつつ俺に言った。
「マスター、おあいそして。」
「はい、ありがとうございます。」
店主はそう言うと、カウンター前にあるショーケースの上に置いていた伝票を手に取り、計算機で数字を叩き始めた。
計算が終わると、小さな黄色い紙に代金を書き、北岡に渡した。
北岡は頷き、これまた趣味の悪い長財布から一万円札二枚を取り出し、店主に手渡した。
一万幾らかは知らないけど、北岡は釣りを受け取らず、店を出た。
店主の様子からして、料金は一万二千円くらいだったんじゃないかな。
外に出ると、北岡は背筋を伸ばしながら
「リナ、どこで寝泊まりするんだ?」
と、聞いてきた。
「はい。
お店のルームを一つ借りて、寝泊まりさせてもらう事になりました。」
「そりゃ大変だな。
あんな狭い部屋に。
それも何人ものオッサンが使ってきたベッドだぜ。
ゾッとしねえか?」
「いえ、別に。
屋根のあるところで寝られるだけ幸せです。」
「そうか。
だったらいいんだけどよ。
それじゃあ、俺は行くわ。」
「北岡さん
色々とありがとうございました。
こんなにご馳走にまでなってしまって」
「あんまりあらたまって言うなって。
こんな庶民的な店でよお。」
「いえ、誘っていただいて嬉しかったです。」
俺は、なぜか素直な気持ちがポロッと出てしまい、自分で言った後に赤面してしまった。
実際には赤面したのかどうかはわかんなかったけど、顔が異常に熱くなったので、赤くなってたんだと思う。
12
あなたにおすすめの小説
世界の終わりにキミと
フロイライン
エッセイ・ノンフィクション
毎日を惰性で生きる桐野渚は、高級クラブの黒服を生業としていた。
そんなある日、驚くほどの美女ヒカルが入店してくる。
しかし、ヒカルは影のある女性で、彼女の見た目と内面のギャップに、いつしか桐野は惹かれていくが…
あなたの人生 高価買取します
フロイライン
ミステリー
社会の底辺の俺には、何の希望もない。日々を惰性で生きるだけのクズ人間だ。
そんな俺は、ある日、ふとした事から、人生をやり直すチャンスをもらうが…
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
秘書と社長の秘密
廣瀬純七
大衆娯楽
社内の調査のため、社長・高橋健一はこっそり秘書・木村由紀と不思議なアプリで入れ替わることに。
突然“社長役”を任された由紀と、自由に動ける立場を手に入れた高橋。
ふたりの秘密の入れ替わり作戦は、どの様な結末になるのか?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる