N -Revolution

フロイライン

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飛躍

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「山本さん」


「社長

どうされました?

こんな早くから道場にいらっしゃるなんて。」



「ヒマなのよ。単に」


久美子は笑みを浮かべ、練習を見守る山本と会話を交わしていた。


「ヒマなわけないでしょう?
社長ほど毎日を忙しく動き回っている人はいないですよ。」


「フフッ

ワタシね、好きなのよ。
この子達とこのプロレスってやつがね。」


「メンバーの人選を見ていたらよくわかりますよ。
社長の愛情ってやつが。
よくここまで揃えましたね。

彼女達は可愛いだけではなくて、実力も相当なものです。

それも、ほとんどがプロレス未経験にもかかわらず、すぐに習得してしまったんですから。」


「性転換手術や去勢に女性ホルモンなど、格闘技をする上で不利になるような事ばかりしてるけど、それを克服してしまった彼女達の実力は目を見張るものがあるわ。」


「そうですね。可愛いだけじゃここまで人気も出なかったでしょう。」


「山本さんから見て美月ちゃんはどう?
一番の新人で、ミサトちゃんと同い年だけど、本人は男子のメジャー団体を目指してたのがダメで色々悩んでいたからね。」


「それはもう吹っ切れてると思いますよ。
美月の表情を見ればわかります。

今はかなり充実してるんじゃないですかね。

ほら、見て下さいよ。」


山本はリング上でミカとスパーリングする美月を指差して言った。



「美月、何休んでんの?
もっと攻めてこいよ」


ミカが檄を飛ばすと、美月は

「はいっ!」

と、大きな声で返事し、低い姿勢でタックルに行った。


「なかなかのもんでしょう?

美月は成長が早いですよ。」


山本が目を細めながら言うと、久美子は同調こそしたが、少し心配そうな表情を浮かべた。


「たしかに美月ちゃんの成長はすごいわ。
でも…」

久美子の言葉に山本も何を言いたいか察したようで

「あー、胸ですね。」

と、苦笑いを浮かべて答えた。


「そう。

美月ちゃんて女性ホルモン始めてからまだ一年ちょっとしか経ってないのよ。

それなのにあの胸の成長

ちょっと考えられないわ。」


「そうですね。
ミカやサオリも大きいですけど、美月ほどじゃない。

女性ホルモンて個人差があるんですね、効果が出るのに。」


「そうね。
でも、ホルモン注射だけであんなに大きくなるなんて、聞いた事ないわ。

ワタシも美月ちゃんと同じ部類で、みんなから胸が大きいって、若い頃は言われ続けたけど、カップで言えば、美月より一回り小さいわ。

それくらい大きいって事よ、美月は。

プロレスに悪い影響を及ぼさなければいいんだけど。」

久美子は、心配そうに美月を見つめた。
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