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peacetime
死線を抜けて
雄星とシオンは駆けつけた警察に保護され、署に連れて来られた。
「色々ご迷惑をおかけしました。」
警察でジャージを渡されて着込んだシオンは、署長の北川に力ない言葉で謝罪し、頭を下げた。
「いや、こちらこそ救出が遅れてしまい、お詫びのしようもありません。
柴崎さんが危険を顧みずに突入してくれていなかったら、取り返しのつかない事になっていました。
柴崎さんにはあらためてお礼とお詫びを申し上げたい。」
「あ、いや、僕は何も…」
雄星は、頭を掻いて肩を竦めた。
「今後、このような事が起きないように、我々があなたの事を守りますので、ご安心ください。」
北川がそう言うと、シオンではなく雄星か反応した。
「本当に守ってもらえるんでしょうか。
彼女が帰国してから随分経ちます。
その情報は、当然国や警察などに伝わっており、保護されていなければならなかったはずです。
今の今まで監視も何も付いていなかったのは、一体どうしてなんですか。」
「はい。
誠に申し訳ございません。
実は、政権交代で与党がリベラル政党に変わってから、例の軍隊の海外派遣が打ち切られ、全ての予算もカットされました。
その影響で、シオンさんを保護することができなかったのです。」
「そんな…」
「ですが、今後については安心してください。
私が責任を持って上と話し、シオンさんを保護するようにしますので。」
北川は深々と二人に頭を下げた。
「色々ご迷惑をおかけしました。」
警察でジャージを渡されて着込んだシオンは、署長の北川に力ない言葉で謝罪し、頭を下げた。
「いや、こちらこそ救出が遅れてしまい、お詫びのしようもありません。
柴崎さんが危険を顧みずに突入してくれていなかったら、取り返しのつかない事になっていました。
柴崎さんにはあらためてお礼とお詫びを申し上げたい。」
「あ、いや、僕は何も…」
雄星は、頭を掻いて肩を竦めた。
「今後、このような事が起きないように、我々があなたの事を守りますので、ご安心ください。」
北川がそう言うと、シオンではなく雄星か反応した。
「本当に守ってもらえるんでしょうか。
彼女が帰国してから随分経ちます。
その情報は、当然国や警察などに伝わっており、保護されていなければならなかったはずです。
今の今まで監視も何も付いていなかったのは、一体どうしてなんですか。」
「はい。
誠に申し訳ございません。
実は、政権交代で与党がリベラル政党に変わってから、例の軍隊の海外派遣が打ち切られ、全ての予算もカットされました。
その影響で、シオンさんを保護することができなかったのです。」
「そんな…」
「ですが、今後については安心してください。
私が責任を持って上と話し、シオンさんを保護するようにしますので。」
北川は深々と二人に頭を下げた。
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