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Christmas date
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「スゴイいいマンションに住んでるんだね」
良太はそう言いながら車を発進させ、大通りに出ていった。
「実は、高校の時の友達二人とシェアして三人で住んでるの。」
後部座席で、チャイルドシートに座る俊斗の相手をしながら、遥は前の良太に向かって言った。
「あ、そうなんだ」
「うん。
ワタシの地元って、すごく田舎なの。
ほとんどの人が、地元を離れて東京とかに出てくるんだけど、ワタシもその例に漏れず、こっちに出てきたの。」
「そうなるよね
なかなか田舎にいても仕事探すのとか大変だし…
俺も田舎出身のうちの一人だから、遥の言ってる事がよーくわかるよ。」
「良ちゃん
ワタシ、高校の時はまだこんな容姿じゃなくて、普通の男子高校生だったの。
仲の良かった男子二人がたまたま同じ大学を受験して、みんな合格して…
せっかくだから、三人でお部屋を借りようってなったの。いわゆるシェアハウス的な…
その方が良いお部屋を借りられるんじゃないかって。
そしたら、ホントに良いお部屋を借りる事が出来て、大学を卒業して、それぞれが就職した今もまだ住み続けてるの。」
「そうだったのか
なるほどな。」
「ごめんなさい
言ってなくて」
「そんなの気にしないでよ。
別に普通の事じゃん
あっ
さっき一緒のエレベーターで降りてきた人いたじゃん
あの人がルームメイト?」
「えっ、わかった?
そうなの…
どうしてもワタシの彼氏が見たいってしつこくて…」
「なんか視線とかが不自然だったんだよなあ」
良太は苦笑いを浮かべた。
「ごめんね」
「いや、あの人
俺を見て幻滅したんじゃないかなあ
こんな子連れのパッとしないオッサンと遥がなんで?って」
「そんな事ないよ
良ちゃん素敵だもん。」
遥は自分でそう言っておいて、隣に俊斗がいた事と、発言自体がちょっと入れ込み過ぎているという感情が一気に襲ってきたので、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
良太も急激に恥ずかしくなり、話題を変えた。
「今日行くとこだけど、あまりメジャーなところはめっちゃ混んでるし、ちょっと不人気で穴場の遊園地があってね
そこに行こうと思ってんだよ」
「不人気の?
俊斗君大丈夫なの?」
遥が心配そうに言うと、良太は
「俊斗、あの動物の乗り物大好きだもんなあ」
と、後ろに座る我が子に声をかけた。
「うん。
パンダに乗るっ!」
俊斗も満面の笑みを浮かべてそう答えた。
良太はそう言いながら車を発進させ、大通りに出ていった。
「実は、高校の時の友達二人とシェアして三人で住んでるの。」
後部座席で、チャイルドシートに座る俊斗の相手をしながら、遥は前の良太に向かって言った。
「あ、そうなんだ」
「うん。
ワタシの地元って、すごく田舎なの。
ほとんどの人が、地元を離れて東京とかに出てくるんだけど、ワタシもその例に漏れず、こっちに出てきたの。」
「そうなるよね
なかなか田舎にいても仕事探すのとか大変だし…
俺も田舎出身のうちの一人だから、遥の言ってる事がよーくわかるよ。」
「良ちゃん
ワタシ、高校の時はまだこんな容姿じゃなくて、普通の男子高校生だったの。
仲の良かった男子二人がたまたま同じ大学を受験して、みんな合格して…
せっかくだから、三人でお部屋を借りようってなったの。いわゆるシェアハウス的な…
その方が良いお部屋を借りられるんじゃないかって。
そしたら、ホントに良いお部屋を借りる事が出来て、大学を卒業して、それぞれが就職した今もまだ住み続けてるの。」
「そうだったのか
なるほどな。」
「ごめんなさい
言ってなくて」
「そんなの気にしないでよ。
別に普通の事じゃん
あっ
さっき一緒のエレベーターで降りてきた人いたじゃん
あの人がルームメイト?」
「えっ、わかった?
そうなの…
どうしてもワタシの彼氏が見たいってしつこくて…」
「なんか視線とかが不自然だったんだよなあ」
良太は苦笑いを浮かべた。
「ごめんね」
「いや、あの人
俺を見て幻滅したんじゃないかなあ
こんな子連れのパッとしないオッサンと遥がなんで?って」
「そんな事ないよ
良ちゃん素敵だもん。」
遥は自分でそう言っておいて、隣に俊斗がいた事と、発言自体がちょっと入れ込み過ぎているという感情が一気に襲ってきたので、顔を真っ赤にして俯いてしまった。
良太も急激に恥ずかしくなり、話題を変えた。
「今日行くとこだけど、あまりメジャーなところはめっちゃ混んでるし、ちょっと不人気で穴場の遊園地があってね
そこに行こうと思ってんだよ」
「不人気の?
俊斗君大丈夫なの?」
遥が心配そうに言うと、良太は
「俊斗、あの動物の乗り物大好きだもんなあ」
と、後ろに座る我が子に声をかけた。
「うん。
パンダに乗るっ!」
俊斗も満面の笑みを浮かべてそう答えた。
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