泥々の川

フロイライン

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団欒

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「あー、美味しかったあ。

ご馳走様。
百恵はホンマに料理が上手やなあ。」


マキは百恵の手料理をきれいに平らげ、満足そうに言った。

「ホンマですか。
姉さんにそんなん言うてもろて、ウチ嬉しいす。
ずっとお父さんのご飯作ってはいたんですけど、男二人やし、そんな凝った物は作らへんかったんで。」


「ここでも、男二人やないの。
なんも変わってへんがな」


マキが大笑いして言うと、百恵は首を振った。

「何を言うてはりますのん。
姉さんは女です。
ウチの憧れのお姉様やもん。」


「美人の百恵ちゃんにそう言うてもらえると嬉しいわ。

ワタシは女になりたい思て、ここまで頑張ってきたけど、やっぱり根っこの部分は男やねんなあって、最近つくづく思うわ。」


「ホンマですか。
全然そうは見えへんのですけど。」


「まあ、付いてるもん付いてるしな。

どうにもならんもんはしゃあないわ。」


「ウチもこのお仕事させてもろてるんやから、一所懸命ええ女になるよう頑張ろう思てるんです。
なかなかですけど。」


「でも、アレやな百恵。
アンタはフツーに男の子で育って、フツーに女の子が好きやったわけやろ?

せやのにタマ取られて、女性ホルモンをぎょーさん打たれて…
精神的に辛いやろ」


「いいえ、姉さん。

その逆です。
タマが無くなったから、女の人に興味湧いてけえへんし、女性ホルモンしてるから、男の人ともそういう事が出来るて思えるようになったんやと思います。
ウチ、頭の中がだいぶ女寄りの考えになってきたように思えますもん。」

「そうか。
アンタがそう思てくれるんやったら、ワタシからは何も言うことあらへん。
これからも頑張ろな。」


「はい。頑張ります
姉さんに付いていきます!」


「うんうん。任しとき。」

マキは百恵の頭を撫でながら笑って言った。


「あの、姉さん
ちょっと聞いていいですか?」


「何よ、どうしたん?」


「小屋の人ら、ずっとヒマそうにしてませんか?

琵琶湖の興行はウチも付いて行かせてもらいましたけど、それ以来手伝いにも行ってませんし、どうなんやろて思て。」


「せやな。
たしかに、引き合いが減ってんのはたしかやろな。

やっぱり五年くらい前に出来た障害者に対する法律が施行されたんも大きいんとちゃうかな。
それと大阪やったら万博な。
あれが決め手になってしもたかもわからへんわ。」


「そうですか。」


「その点、ワタシらの仕事は無くなることはあらへん。

言うたら、人類最古の職業やとも言われてんねんで。」

マキはそう言って笑った。
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