泥々の川

性嗜好

お気に入りのラブホテルで百恵は客に抱かれていた。

ラブホテルが好きな理由は、お風呂がある事だったが、それと共にもう一つあった。


それは、天井が鏡張りになっている部屋がある事だった。

百恵は、客に抱かれる自分の姿を見るのが大好きだったのだ。


男でありながら、そこら辺の女性よりも大きな乳房を持ち、それを客に揉まれ、舐められ、吸われる姿が、その目で確かめられる。

タマも無く、女性ホルモンの影響を大きく受けている百恵は、元来、性的に興奮するという事はない。
だが、倒錯の世界というか、犯される自分をビジュアルとしてその目で確認できると、背中がゾクゾクし、お腹の奥が熱くなるような感覚に陥るのだった。

特に好きなのは、正常位で挿入される姿。

客が腰を動かす度に、百恵の巨乳が震えながら上へ下へと揺れ動く。

その絵を見ると、女になった悦びを心から感じる事が出来るのだ。

元々ゲイでもなく、ノーマルな少年だった百恵だが、極端なドMな性質を持っていた事から、去勢も女性ホルモンも、売春も全て受け入れられたのである。

本人的には自分の性嗜好に、全く気付いていなかったが。