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師走
「ユキちゃん、やるわねえ
振袖に100万使ったって?」
「ちょっと無理したんですけど、昨日ようやく届いたんです。
すごく可愛い柄で気に入ってます。」
ワタシはユウさんと、昨日届いた振袖の話をしながら店に出勤した。
「おはようございます」
店に行くと、珍しく社長がいて、美咲ママと何やら難しい顔して話し込んでいた。
「ユウちゃん、ユキちゃん
おはよう」
社長はこちらに気付き、すぐに笑顔になった。
「珍しいですね、社長が開店前にいらっしゃるなんて」
ユウさんはバックを置くと、社長を一瞥して言った。
「ああ、そうだね。
こんな時間に店に来るなんて滅多にないからな。
ちょうど良かった
君たちにも少し話しておくよ。」
社長がそう言うと、美咲ママも小さく頷いた。
「実はね、このビルのオーナーが代わったんだよ。
まあ、そんな話は別に珍しい事でも何でもないんだが…」
「はい」
「次のオーナー会社っていうのが、いわゆる反社でね。
この時勢だから表立ってヤクザが経営してるなんて事はないんだが、元を辿っていけば、結局はヤクザに行き着く。
その新オーナー会社が、この店の賃料を大幅に上げるって言ってきたのが問題の始まりでね。
ウチは前のオーナーとの間でちゃんとした契約書も交わしてるし、その効力もあることから、新オーナーからの要求を突っぱねたんだ。」
さすが、社長…怖いものなしだね
「まあ心配する事はないとは思うが、この先何らかの嫌がらせや圧力をかけてくるかもしれない。
客を装ってメチャクチャ暴れたりして、それを見た他の客が嫌気がさして来なくなったって話もあるくらいだ。」
「怖いですね」
「今、ママとも話してたんだが、この客、ちょっとおかしいなと思ったらすぐ警察に電話するように頼むよ。」
「わかりました。」
ワタシもユウさんも、そう答えるしかなく、一抹の不安を抱きながら社長に返事をした。
社長が帰った後も、ママとワタシとユウさんで引き続き話し合いをした。
「ホントこちらの取り越し苦労に終わるかもしれないけど、万が一そんな人たちが来たら大変な事になるからね。
…」
楽観主義のワタシとしては自分には関係ない事で、あまり気にもしてなかったんだけど‥
振袖に100万使ったって?」
「ちょっと無理したんですけど、昨日ようやく届いたんです。
すごく可愛い柄で気に入ってます。」
ワタシはユウさんと、昨日届いた振袖の話をしながら店に出勤した。
「おはようございます」
店に行くと、珍しく社長がいて、美咲ママと何やら難しい顔して話し込んでいた。
「ユウちゃん、ユキちゃん
おはよう」
社長はこちらに気付き、すぐに笑顔になった。
「珍しいですね、社長が開店前にいらっしゃるなんて」
ユウさんはバックを置くと、社長を一瞥して言った。
「ああ、そうだね。
こんな時間に店に来るなんて滅多にないからな。
ちょうど良かった
君たちにも少し話しておくよ。」
社長がそう言うと、美咲ママも小さく頷いた。
「実はね、このビルのオーナーが代わったんだよ。
まあ、そんな話は別に珍しい事でも何でもないんだが…」
「はい」
「次のオーナー会社っていうのが、いわゆる反社でね。
この時勢だから表立ってヤクザが経営してるなんて事はないんだが、元を辿っていけば、結局はヤクザに行き着く。
その新オーナー会社が、この店の賃料を大幅に上げるって言ってきたのが問題の始まりでね。
ウチは前のオーナーとの間でちゃんとした契約書も交わしてるし、その効力もあることから、新オーナーからの要求を突っぱねたんだ。」
さすが、社長…怖いものなしだね
「まあ心配する事はないとは思うが、この先何らかの嫌がらせや圧力をかけてくるかもしれない。
客を装ってメチャクチャ暴れたりして、それを見た他の客が嫌気がさして来なくなったって話もあるくらいだ。」
「怖いですね」
「今、ママとも話してたんだが、この客、ちょっとおかしいなと思ったらすぐ警察に電話するように頼むよ。」
「わかりました。」
ワタシもユウさんも、そう答えるしかなく、一抹の不安を抱きながら社長に返事をした。
社長が帰った後も、ママとワタシとユウさんで引き続き話し合いをした。
「ホントこちらの取り越し苦労に終わるかもしれないけど、万が一そんな人たちが来たら大変な事になるからね。
…」
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