ニューハーフな生活

フロイライン

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良き理解者

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「幸洋君

私自身、君のような存在に理解がある方だと思う。
だから、沙耶香ちゃんが君と一緒になりたいと思っているのなら、喜んで応援させてもらうよ。」


「ありがとうございます…」


「一つだけ聞いていいかい?」


「はい、何でも。」


「体の状態はどうなってる?」


「今は女性ホルモンの投与をやめています。

それと、去勢…睾丸は前に摘出してしまったんで、今はタマ無し状態です。」


「そうか。

じゃあ、子供は作れないんだね」


「はい。
多分、タマがあっても、けっこう長い間女性ホルモンの投与を受けてたんで、永久不妊になってたと思いますが…」


「そうか。
でも、大変だね。せっかく男に戻って女性と結婚しようとしてるのに、そういう衝動が湧いてこないのは。」


「よくご存知で…
一応、沙耶香さんも理解してくれてますので、その辺はまあ…」

「あとは、また君が女性に戻りたくなった時、どうするかだね。

そのときは包み隠さずに、正直に沙耶香ちゃんに言う事だよ、自分の気持ちを。」



「はい。
そうはならないと思いますが、そのお言葉を肝に銘じておきます。」


「なかなかこういう話は親しい人にも言えないと思うが…
私も大した役には立てないが、話を聞くぐらいは出来るし、君の気持ちを汲み取る事も出来ると思うよ。

悩むことがあったら、何でも言ってきなさい。」


「ありがとうございます。
すごく嬉しいです…

マジで相談させていただきますので…」


そのとき、玄関のドアが開き、沙耶香が袋を下げて帰ってきた。


「ただいまー
買ってきたよー」


「わざわざすまないね。」


「二人で何を話してたの?
どうせ、人見知り拗らせてずっと黙ってたんじゃないの?」


「そうでもないさ。

幸洋君に、私とお母さんの惚気話を聞いてもらってたんだ。」


「へえ、そうなの?

ユキ」


「うん。

素敵なお母さんだったって」


「お母さんも、人生の最後に素敵な旦那さんと巡り逢えて幸せだったと思うわ。

お父さん、ホントにありがとう。」


「いや…
私の方こそ。

私にはもったいないくらいの女性だったよ。」


ワタシと性癖の話をしてたのに、沙耶香が帰ってきた途端、しんみりとした話にシフトチェンジするなんて…
この志水さんて人、なかなかのツワモノだ。

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