或る実験の記録

フロイライン

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トカゲの尻尾

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伊藤が部屋を出た後、しばらく四人でこの先の事について話し合った。


「ある程度の真相はわかりましたけど、これが明るみに出る事はないのかもしれませんね。」
 
沢渡さんは覇気のない声で言った。


「まあ、たしかにこれまでの報道などを見てると、何らかの圧力が加わっているのは間違いないでしょう。

これからどう動けばいいか」


「お世話になった刑事さんもまだ指名手配中で行方がわかりません。
事件を解決して冤罪を晴らさないと…」

「そうでした。
重要な証拠も沢山入手しましたし、この事件の事を報じてくれるメディアをあたってみます。」

「よろしくお願いします。」

「ナオちゃん、友政党を使って断罪してもらえるように頑張ってもらうから、ね?」

愛さんが宮川さんに言うと、力強く頷いた。


私たちはそこで解散し、それぞれの家に戻り、翌朝から自分の役割を果たそうと気合を入れた。

家に着いたのが朝の6時

そこからシャワーを浴びて、お肌の手入れや諸々をして、眠りについたのが7時半

私は疲れもあってか、昼過ぎまで爆睡してしまった。


喉の乾きでようやく目が覚めた私はベッドから起き上がり、立ちあがろうとした瞬間、携帯が鳴った。


「沢渡さん…」

電話の相手は沢渡さんだった。

「もしもし、沢渡さんですか。
昨日はありがとうございました。今日は知り合いの記者さんがいる新聞社に…」

そう話しかけたところで、沢渡さんが言葉を被せてきた。

「ナオさん!
テレビ、テレビ

テレビをつけてください!」

「えっ?」

「伊藤の事が放送されています。」


私は慌ててリモコンをテレビに向けた。

画面が映し出されるまでの僅かな時間もイライラする。

しばらくして。ようやく画面が明るくなり、見慣れた朝の情報番組が映し出された。


「繰り返しお伝えします。
多くの被害者を出したK国による拉致、強制的に性転換手術をされた事件で、先ほど、事件に深く関与した疑いで元外務大臣の伊藤裕之代議士に逮捕状が出ました。

伊藤代議士の行方はわかっておらず、警察が事務所等を捜索しています。」



「どういう事ですか?
伊藤に逮捕状って…」


「アイツの話と正反対のことが起きているようです。
我々に圧力をかけるどころか、伊藤は梯子を外された…」


「沢渡さん、それって…」


「よく、わかりませんが、伊藤なんかよりも、もっと大物がこの事件に関与していたのかもしれません。
伊藤が全部喋ってしまったことを知り、全て伊藤に罪を被せて、切った…
と、いうことが考えられますね。」

「伊藤よりも大物が…」

「わかりませんが、十分に考えられることです。
そうなると、ナオさんや私、宮川さんに愛さんがかなり危険な状況に陥る事が考えられます。

ここは慎重に動きましょう。
いや、しばらくおとなしくしていた方がいいかもしれません。」


「わかりました。状況がハッキリするまで動きません。

沢渡さんも気をつけて下さい。」


私は電話を切り、テレビを引き続き見つめていたが、嫌な予感しかしなかった。
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