ゆきめ

くさの

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 季節は冬。
 外気は冷たく、吐く息が白く空に上る。

 外にでるのも億劫。
 コタツでミカンが一番落ち着く。
 けれど。
 引きこもりもたまには外を歩きたいものです。

 乗り気じゃない貴方を連れ出すのは、相当な根気が要るものです。
 大嫌いというニット帽を無理やりかぶせ、紺に白ドットのマフラーをぐるぐるまいてやり、上着を肩に乗せてやる。

 何もお金を使いにいこうといっているわけではない。
 ただ一緒に散歩したいだけだ。
 それ以外の何もいらない。

 彼はしぶしぶ立ち上がる。
 手には早くも取っ払ったニット帽。
 大きくため息をついて、一言。

「部屋の鍵渡さなきゃ良かった」

 そういいながらも、返せとは言わない。
 冗談で言うことはあっても、本当にその場限りだけだ。

 鍵を借りているとはいえ、私と貴方の関係は、友達だ。
 貴方はどう考えているか知らないが、私は。
 変に恋人だの何だのと関係がこじれて結局離れなければならなくなるのなら、友達のままでいいと思う。
 ずっとこのままでいいと思う。

 貴方が、死ぬまでとはいえない。
 だからせめて。
 貴方が、私に好意を抱いてくれている間だけでも。
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