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空は、晴れ時々曇り。
重たい雲が気流に流されてきたと思うと次の瞬間には押し出されて遠くに流れた。
コンビニに寄って、冷たいミルクティーとホット缶コーヒーを買い、それを手に公園へ向かう。
がらりとした公園の端、いつものように、空いているベンチに腰かける。
寒い季節は近くなる気がして、目を閉じて空を仰ぐ。
気持ちだけが、どこか遠くに飛んでいく、溶けていく感じ。
空に向けた顔の、てっぺん。額でも鼻の頭でも、どこでもいいのだけれど、何かが集まってスッとかふわっ、とか音もなく何かが抜けていくような感覚。
「前もそんなことしてなかったっけ?」
瞬きを何度かして軽く首を傾けて貴方を見る。
彼は決してこちらを見て言ったのではなかった、彼もまた私と同じように空に顔を向けていた。
「……うん」
なんでかなあ、と彼はそのままで言葉を続ける。
「ユキミ、飛んでいきそうだよね、こうしてる時」
その言葉が、何を意味しているのかは分らなかった。
ずっと、友達でいいと思っていた。
それだけで良かった。
そのほかは、いらない。
貴方は―――。
重たい雲が気流に流されてきたと思うと次の瞬間には押し出されて遠くに流れた。
コンビニに寄って、冷たいミルクティーとホット缶コーヒーを買い、それを手に公園へ向かう。
がらりとした公園の端、いつものように、空いているベンチに腰かける。
寒い季節は近くなる気がして、目を閉じて空を仰ぐ。
気持ちだけが、どこか遠くに飛んでいく、溶けていく感じ。
空に向けた顔の、てっぺん。額でも鼻の頭でも、どこでもいいのだけれど、何かが集まってスッとかふわっ、とか音もなく何かが抜けていくような感覚。
「前もそんなことしてなかったっけ?」
瞬きを何度かして軽く首を傾けて貴方を見る。
彼は決してこちらを見て言ったのではなかった、彼もまた私と同じように空に顔を向けていた。
「……うん」
なんでかなあ、と彼はそのままで言葉を続ける。
「ユキミ、飛んでいきそうだよね、こうしてる時」
その言葉が、何を意味しているのかは分らなかった。
ずっと、友達でいいと思っていた。
それだけで良かった。
そのほかは、いらない。
貴方は―――。
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