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第4巻
第18話 ユーリの恋
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四月。
ユーリが来た。
珍しく、少し落ち着かない様子だった。
「何かありましたか」
「……相談していいか」
「どうぞ」
「好きな人ができた」
ルーカスは少し笑いそうになったが、真剣な顔のユーリを見て、表情を整えた。
「それは、嬉しいことですね」
「嬉しいが、困っている」
「どう困っていますか」
「どう伝えればいいか分からない。剣なら分かる。言葉は分からない」
蜂蜜酒を出しながら、ルーカスは聞いた。
「どんな方ですか」
「アメリアだ」
ルーカスは少し止まった。
——幼馴染。転移魔法の研究者。
「……アメリアと、どういう経緯で」
「ずっと幼馴染だ。でも最近、ここに来るようになって——毎夜研究の話をしているのを聞くうちに、なんか」
「好きになった」
「気づいたら、そうだった」
ルーカスはグラスを磨きながら、聞いた。
「アメリアは、今の研究に全力を注いでいますよね」
「そうだ。だからこそ、邪魔したくない。でも、言わないと苦しい」
「言う時期と言い方は、大事ですね」
「どうすれば」
「急かす必要はないですが——言えるタイミングを考えるより、普段から少し気持ちを伝えることを続けた方が、相手も受け取りやすいかもしれない」
「気持ちを少しずつ?」
「全部一度に言うと、相手も整理できなくなる。でも少しずつ——たとえば、研究の突破口が開けた時に、一緒に喜ぶとか。疲れている時に、さりげなく声をかけるとか」
「それは……普通のことじゃないか」
「普通のことが、一番届きます」
ユーリは蜂蜜酒を一口飲んだ。
「ルーカスには、好きな人がいたか」
「……向こうの世界に、大切な人たちがいます。恋愛という形ではないですが」
「大切な人」
「毎夜来てくれた人たちです。形は違っても、大切さは同じだと思っています」
ユーリは少し考えた。
「そういう大切さも、あるんだな」
「あります」
「……アメリアも、そういう意味では大切だった。それが少し変わってきた」
「変化は自然なことです」
「自然か」
「そうです。怖がらなくていい」
ユーリは頷いた。
「少しずつ、か」
「少しずつ」
「やってみる」
ユーリが来た。
珍しく、少し落ち着かない様子だった。
「何かありましたか」
「……相談していいか」
「どうぞ」
「好きな人ができた」
ルーカスは少し笑いそうになったが、真剣な顔のユーリを見て、表情を整えた。
「それは、嬉しいことですね」
「嬉しいが、困っている」
「どう困っていますか」
「どう伝えればいいか分からない。剣なら分かる。言葉は分からない」
蜂蜜酒を出しながら、ルーカスは聞いた。
「どんな方ですか」
「アメリアだ」
ルーカスは少し止まった。
——幼馴染。転移魔法の研究者。
「……アメリアと、どういう経緯で」
「ずっと幼馴染だ。でも最近、ここに来るようになって——毎夜研究の話をしているのを聞くうちに、なんか」
「好きになった」
「気づいたら、そうだった」
ルーカスはグラスを磨きながら、聞いた。
「アメリアは、今の研究に全力を注いでいますよね」
「そうだ。だからこそ、邪魔したくない。でも、言わないと苦しい」
「言う時期と言い方は、大事ですね」
「どうすれば」
「急かす必要はないですが——言えるタイミングを考えるより、普段から少し気持ちを伝えることを続けた方が、相手も受け取りやすいかもしれない」
「気持ちを少しずつ?」
「全部一度に言うと、相手も整理できなくなる。でも少しずつ——たとえば、研究の突破口が開けた時に、一緒に喜ぶとか。疲れている時に、さりげなく声をかけるとか」
「それは……普通のことじゃないか」
「普通のことが、一番届きます」
ユーリは蜂蜜酒を一口飲んだ。
「ルーカスには、好きな人がいたか」
「……向こうの世界に、大切な人たちがいます。恋愛という形ではないですが」
「大切な人」
「毎夜来てくれた人たちです。形は違っても、大切さは同じだと思っています」
ユーリは少し考えた。
「そういう大切さも、あるんだな」
「あります」
「……アメリアも、そういう意味では大切だった。それが少し変わってきた」
「変化は自然なことです」
「自然か」
「そうです。怖がらなくていい」
ユーリは頷いた。
「少しずつ、か」
「少しずつ」
「やってみる」
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