【完結】第2の人生始めちゃいます〜楽しくいける、、ハズ?

さくら

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34 見知らぬ誰かと逃避行

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なんと、なんと、私は今見知らぬお人と馬車でドライブ中。手足は縛られてますが。
ココ・ル・クレモン です。
みなさまいかがおすごしでしょうか。

逃避行、ドライブ、そんなロマンティックではありません。ズビビ。
肩から下ろされましたが、手足を縛られているので、涙、鼻水、なんならヨダレまで垂れ流しです。ある意味お嫁に行けません。

「あ゛ー、ほら鼻水、ちーんだ。」
ぶー

「なんでこんな小さいのを誘拐すんだよ。罪悪感ハンパねぇよ。」

ありゃ?なんか優しげ。いや!こやつは私を誘拐した実行犯。許すまじ。でも、顔がイイ。

あっ本音が漏れた。

「どうじで、わだじをつれさるのでじゅか?」
ズビビ

「にこじゃまにあいたいでしゅ」
やべ、10歳なのに全部ひらがな仕様の問いかけ。

「ごめんなぁーウチのお嬢様がよー
はぁ、なんかなぁー逆らえなくてヨォ」

あらら、なんだかご事情があるっぽい。

「手に魔法無効化のブレスレットさせてもらうなぁ」
はぁーー

ブレスレットされましたが、、、あれ?きっと無効化されてない。使える気満々。壊れてるのか?いや、これを作った人より私の方が魔力量が多いから効かないのかも。

お忘れかもしれませんが、魔力量♾️ですから。

縛られながらドヤ顔。ちょっとサマにならないけど。
そして、妖精さんも頭付近に待機。ありがとう。
8人しかいないので、妖精さん1セットはニコ様あたりに連絡しに行ってくれたのかも。

うんうん頷いてるので正解かな。
ありがたい。
そして頷く妖精さんもかわいい。
帰ったら金平糖でもあげましょう。

「お兄さん、そのお嬢様はなぜこんなことを?
私、公爵家ご嫡男の婚約者です。発覚したら生きていられないかもですよ?」

「えっ?公爵家の、、、?」
あら、知らなかったのでしょうか。真っ青です。

「聞いていませんでしたか?」
「あっああ、ただ学園の女で邪魔をする奴がいるって、お嬢様と婚約間近の彼に付き纏ってるって。あの教室に1人でいるからって。」

えーマルさん再来ですか?
ニコ様に(もうすぐ)婚約者って人、何人いるのぉ。

まさか、こんなちびっこだったなんて。と項垂れてます。教室に入って小さい!と思ったけどもう後には引けなかったって。落ち込んでます。

ふむふむ。例の隣のクラスさんはこれ絡みでしたか。ってことはニコ様はご無事かな。

犯人さんが項垂れている間に魔法で道に痕跡を残します。細ーい魔力の紐を馬車から他靡かせてる感じです。ニコ様ならすぐに気づいて来てくれそう。

「お兄さん、お兄さん、逆らえないってどうして?」
「うちはさー父親も母親も俺もその伯爵家で働いてるからさー逆らってクビになったら小さい弟もいるし、生きていけないよ。」
「でも、このあと、弟さんの目を見て笑えますか?家族で美味しいって食事できますか?」
「う゛ー」

あっ泣かせちゃった。

「ごめんなぁ嬢ちゃん、怖かったろ?ごめんなぁ」

あっなんか被害者なのにこの罪悪感たるや。
大人の男の涙、、恐るべし。

「ニコ様には私から減刑を申し送りしておきます。」
と手を握りました。

いかなかった妖精さんも戻ってきたのでニコ様もそろそろかな。

妖精さんおかえりなさい。ご苦労様でした。

どーーん
ふわっ

「ココ、お待たせ。泣いてない?ってかそいつ、なんで手を握ってる?あ゛?」
ニコ様ぁぁぁーー
会えて嬉しい!けどちょい怒。ヤバっびっくりして手を離すタイミング逃した。

あの音は、火魔法で馬車を粉砕→と同時に私を風魔法で浮かせ周りに結界 でした。

ニコ様スゴイ!
項垂れお兄さんは私と手を繋いでいたお陰で結界に入ってました。あぶなっ!減刑を申し出る前に極刑(死刑)になるところでした。

ちなみに馬車のみ粉砕だったので、行者さんとお馬さんは無事です。急に後ろがサッパリしてびっくりしたことでしょう。

誘拐途中での救出。目的地に着いていません。今回も早期解決の予感。


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