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38 ニコラの独り言
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僕は他人の頭の中を覗くことができる。触れていると意識しなくても流れてくる。だから人とは極力触れ合わないようにしている。
特に両親には物心ついてからは触れていない。思わぬ本音を知ってしまうのは怖いから。
両親は善良な人だと思う。だけど人は無意識に、意図せず、妬み、嫉み、幻滅、苛立ちがふと思い浮かぶのは普通だと、当たり前だと思ってはいるんだ。
最初にココに触れた時は信じがたかった。だって脳内は筋肉のことしかなかったから。そうなるといつも何を考えてるのかが気になって、そして楽しくて常に手を繋いでいたくなった。
この子はびっくりするぐらい悪意がない。誰かを悪く言うことがないんだ。普通、頭の中ではボロクソ言ってるくせに笑顔で挨拶してくる。なんてザラにいるのに。
心地良かった。
たまに、前世?のことを思ってる時もあって、だからこのアンバランスさがでるのかなと妙に納得もした。
ココの頭の中で考えてることに返事をしても、なんら気味悪がられることもなく、のんきに脳内盗聴器と呼んでいた。なんだ?盗聴器って。
頭の中を覗かれるなんて誰だって嫌だろうに、なんとなくココならすんなり受け入れるだろうなと思うと、ココといる時はラクに息ができる気がした。事実、もうすでに受け入れてるよね?これ。
頭の中だけで考えたことと僕とで会話してるもんね?普通に。声に出さなくても伝わるなんて便利!とか思ってるよね。間違いなく。
不意に際どい妄想も展開されて、意図せず僕の方が照れてしまうこともあるけど、それもまた楽しい。
卒業してからの夜から初夜、それ以降もすっかりココに翻弄されてる気がするけど、それもまた良いよね。だってかなり年上だもの。見た目がココだからかわいい年上だけど。
あんな技、それを受けたかも知れない前世の男に殺意が湧いたけど、ココの頭の中で知識だけは豊富と言っていたから落ち着けた。
なんかすごかった。
ココが妊娠したある日、庭でのんびりお茶をしているはずのココから大量の魔力のゆらぎがあった。ココは相当多い魔力量だから大丈夫とは思うけど、普通の人なら死に至るほどの魔力量の放出だった。放出はされたけど暴走ではない?なんだ?
慌ててココの元へ行くと、うっすら涙目の、でもどこかスッキリしたような、恐ろしく綺麗なココがいた。前世の家族、娘?に何かしたっぽい。そんなこと可能なのか?
でも、ココも周りにいる妖精たちも、一様に満足気な表情だから、できたんだな。すごいな。刻を超える魔法って。こんなの王家にバレたら囲われる案件…
僕はココを外に出したくなくて、でも、ココの自由を制限したくなくて、結界魔法だけは国1番の使い手だと自負できるまでに極めた。
常にココの周りには結界が張られ、そしてココと僕を繋いだ。僕が意図したところ以外には行けないように。
それをココにも話した。
勿論、手を繋いで少しの怯えもないか探りながら。
「何それー便利!誘拐もされないし、迷子知らず!ニコ様スゴイ!」
と、けらけら笑って、僕をキラキラした目で見つめてた。
僕は僕自身の愛の重さが怖い。何十年経っても重さが増していく。この執着がどこまで許されるのかに怯えてる。
でも、ココはそれをなんでもないように軽くしてくれるんだ。
少し、ほんの少し涙が滲んだ。
前世の娘さん、ごめんね。ココはもうそちらには戻せない。ココなしでは僕は生きていけないから。ココが消えたら狂うだろうから。でも、全力で幸せにするよ。心配しないで。
ココを繋ぎ止めるように、隠すように、囲うように腕の中へ抱き込んだ。
ココ、ありがとう。来世もそばにいるよ。
特に両親には物心ついてからは触れていない。思わぬ本音を知ってしまうのは怖いから。
両親は善良な人だと思う。だけど人は無意識に、意図せず、妬み、嫉み、幻滅、苛立ちがふと思い浮かぶのは普通だと、当たり前だと思ってはいるんだ。
最初にココに触れた時は信じがたかった。だって脳内は筋肉のことしかなかったから。そうなるといつも何を考えてるのかが気になって、そして楽しくて常に手を繋いでいたくなった。
この子はびっくりするぐらい悪意がない。誰かを悪く言うことがないんだ。普通、頭の中ではボロクソ言ってるくせに笑顔で挨拶してくる。なんてザラにいるのに。
心地良かった。
たまに、前世?のことを思ってる時もあって、だからこのアンバランスさがでるのかなと妙に納得もした。
ココの頭の中で考えてることに返事をしても、なんら気味悪がられることもなく、のんきに脳内盗聴器と呼んでいた。なんだ?盗聴器って。
頭の中を覗かれるなんて誰だって嫌だろうに、なんとなくココならすんなり受け入れるだろうなと思うと、ココといる時はラクに息ができる気がした。事実、もうすでに受け入れてるよね?これ。
頭の中だけで考えたことと僕とで会話してるもんね?普通に。声に出さなくても伝わるなんて便利!とか思ってるよね。間違いなく。
不意に際どい妄想も展開されて、意図せず僕の方が照れてしまうこともあるけど、それもまた楽しい。
卒業してからの夜から初夜、それ以降もすっかりココに翻弄されてる気がするけど、それもまた良いよね。だってかなり年上だもの。見た目がココだからかわいい年上だけど。
あんな技、それを受けたかも知れない前世の男に殺意が湧いたけど、ココの頭の中で知識だけは豊富と言っていたから落ち着けた。
なんかすごかった。
ココが妊娠したある日、庭でのんびりお茶をしているはずのココから大量の魔力のゆらぎがあった。ココは相当多い魔力量だから大丈夫とは思うけど、普通の人なら死に至るほどの魔力量の放出だった。放出はされたけど暴走ではない?なんだ?
慌ててココの元へ行くと、うっすら涙目の、でもどこかスッキリしたような、恐ろしく綺麗なココがいた。前世の家族、娘?に何かしたっぽい。そんなこと可能なのか?
でも、ココも周りにいる妖精たちも、一様に満足気な表情だから、できたんだな。すごいな。刻を超える魔法って。こんなの王家にバレたら囲われる案件…
僕はココを外に出したくなくて、でも、ココの自由を制限したくなくて、結界魔法だけは国1番の使い手だと自負できるまでに極めた。
常にココの周りには結界が張られ、そしてココと僕を繋いだ。僕が意図したところ以外には行けないように。
それをココにも話した。
勿論、手を繋いで少しの怯えもないか探りながら。
「何それー便利!誘拐もされないし、迷子知らず!ニコ様スゴイ!」
と、けらけら笑って、僕をキラキラした目で見つめてた。
僕は僕自身の愛の重さが怖い。何十年経っても重さが増していく。この執着がどこまで許されるのかに怯えてる。
でも、ココはそれをなんでもないように軽くしてくれるんだ。
少し、ほんの少し涙が滲んだ。
前世の娘さん、ごめんね。ココはもうそちらには戻せない。ココなしでは僕は生きていけないから。ココが消えたら狂うだろうから。でも、全力で幸せにするよ。心配しないで。
ココを繋ぎ止めるように、隠すように、囲うように腕の中へ抱き込んだ。
ココ、ありがとう。来世もそばにいるよ。
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