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冒険者の報告
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「ねぇ、アル!見てみて!」
「魔法を使えるようになったか。童にしては上手ではないか。」
後日。
アイーシャはアルに習得した魔法の成果を見せていた。
指先に宿るは小さな炎。
子供にしてはとても器用に魔力を指先に集中させ、魔法を行使している。
アルはアイーシャの練習の成果を素直に褒めた。
「えぇ。それだけ?もうちょっと褒めてよ。先生も凄いんだって言ってたんだよ!」
「凄いのではないか?アイーシャの齢を考え見れば上出来じゃの。」
だがアイーシャからすればアルの反応が薄かったのだろう。
もっと褒めてとアンコールする。
そんな彼女に対してアルはアルなりに素直に褒める。
相変わらずの反応ではあるが。
アイーシャは親にも自分の魔法を見せた。
ガッシュとスザンヌは娘が一週間も立たずに魔法を覚えたことに絶賛した。
グスタスにも、「自分は魔力を集中させるのが得意ではないからアイーシャは凄い」と褒められた。
(冒険者をしていたグスタスにも褒められたのに。アルはあんまり褒めてくれない。)
アイーシャは自分のしている事の凄さを少し理解したようで、
三人の反応と同じような反応がアルからも出ると期待していたのだろう。
自分の憧れでもあるアルの反応を見て、少し残念そうだ。
「いいなぁ~。魔法がもう使えるって。俺はなんとなく循環のコツは掴めたけど」
「私は集中のコツは掴めてきたよ。」
「俺も魔力を集中させる事はできるけど、循環はまだ難しいかな。」
オリバー、アラン、エリシアは横でアイーシャが行使する魔法をみて羨む。
オリバーは循環、アランとエリシアは魔法の集中をそれぞれ練習し、コツを掴みつつある。
それでも、まだ魔法は使えない。
三人からすれば、アルに褒めてもらえないアイーシャの不満は贅沢に思えた。
「そう気にする事もない。魔法など直ぐにできるようになるわい。練習あるのみじゃ。」
「「「は~い。」」」
アル自身は魔法の練習などした事もない。
経験した事のない悩みには共感できもしないので、
とりあえず子供たちのやる気が出そうな言葉を発しておいた。
「ところでじゃ。其方は焼き鳥を食った事があるか?何日か前に初めて焼き鳥なるものを食ったが、アレは美味いのぉ。米なるものと食うと、より一層美味じゃな。何で出来ておったか、スープなるものも美味であた。」
アルはガッシュの所で食べたシチューを引き金に、
人間が作る食事に興味を持つようになっていた。
(是非とも全て食してみたいのぉ。)
そして今は数日前に食した焼き鳥やら、米やら、スープやらに
心を奪われていた。
「え、アルって焼き鳥も食べた事なかったの?」
「食べる必要がないのでな。」
アイーシャが意外そうな顔で聞いた。
焼き鳥は基本的にどこにでもあるようなもの。
珍しい食品ではない。
「食べる必要がないって、全く何も食べないわけでもないよね。」
「勿論魂魄や力は喰らうが、下等種族のように何かを食して生きる必要はないからの。唯一、血は嗜好に合うのでな、多少嗜むこともあるが。」
食べる必要がない?、と疑問に思ったオリバーが聞いた。
しかしアルの口から出てくるのは聞いたことのない『魂魄』と言う言葉や、
『力を喰らう』と言うわからない表現だけだっった。
そこにエリシアがさらに質問する。
「ち?ちって、血のこと?」
「そうじゃ。」
子供たちは揃って顔を合わせる。
血を飲むとは、かなりの偏食にしか聞こえない。
子供たちはアルの体純白の髪や衣服に血が付着し、彼が笑っている姿を想像してしまう。
「アルって、なんかヴァンパイアみたいだね。」
「ヴァンパイア?...其方の目にはヴァンパイアのように映るか。あながち間違っておらぬかも知れんな。カッカッカ。」
アランがその想像した姿に冗談で「ヴァンパイアみたいだ」と発言する。
それに対しアルが笑いながら返した意外な反応に、全員が若干身を引く。
子供たちがよく知る童話には、ヴァンパイアが他種族に混ざって生活していることもある。
村で突然行方不明者が現れれば、ヴァンパイアを疑えと言う意味・教訓が含まれた童話。
だが、やはりアイーシャだけは違った。
「でも、アルはヴァンパイアじゃないんでしょ?」
「アイーシャよ、あんな下等種族と吾を同じにしてくれるな。」
二度も命を助けられているからか、アルに対しての信頼が強いアイーシャ。
彼女は他の三人のように怯えることなくアルに聞いた。
するとアルは本気で子供たちが怖がっていることに気づき、
少し機嫌を悪くしながら否定した。
「ほら。アルはヴァンパイアみたいに怖くないから。」
「う、うん。」
アラン、オリバー、エリシアの三人が、
アイーシャに言われ恐る恐る肯定する。
(平和ボケめ。吾が本当にヴァンパイアであれば、今の言葉を信用するか。)
しかしアルはアイーシャの行った行動をみて、
少し危ない印象を受けた。
(敵が誰からも疑いの目でみられれば、事実であろうと否定するのが当然であろうに。)
本当に危ない敵は懐に入り込めることの出来る敵だ。
だからこそヴァンパイアを中心とした童話などがある。
アルはアイーシャの信用に満足感を覚えながらも、少し心配になる。
そしてこの自分が作ってしまった雰囲気に気が付く。
アイーシャ意外の三人は明らかにぎこちない。
「では其方に聞くが、ヴァンパイアにこれが出来るか?」
そう言ってアルは指を弾いた。
するとアイーシャの体が白い粒子に包まれ、
聖樹の枝の上に《転移》していた。
聖樹はかなり大きく、子供たちでは登ることすらできない。
「きゃ!アル、な、何だったの、今の!?」
「え!?今の何?」
「凄い!」
「何これ?アイーシャ!どうやって上に上がったの?」
アイーシャが突然木の上に転移されビックリしたのか悲鳴をあげた。
それを見てオリバー、アラン、エリシアの三人が驚き、
「俺にもして!」
「私も!」
「俺にも!」
先ほどまでの疑いの目はどこに行ったのやら。
珍しい魔法を見れば三人の意識は其方に言ってしまった。
そしてそのまま遊び続け、アルは転移を数百回も使用することとなる。
◇
グラス村/中央通り/ギルドにて。
一人の男が建物の中に入る。
見た目は冒険者。
グラス村から近い森から帰還し、依頼の達成を報告しに来たようだ。
一人の受付嬢の前に向かった。
「はい、依頼の達成ですね。10体のゴブリンの群れと、オークが2体と、赤顔猿が4体ですね。あと...これは。」
ギルドの受付嬢エミリーは子供たちと話している時の口調とは一変、大人の雰囲気を纏った女性だ
そんな彼女は、冒険者が出してきたものに悲しい顔を浮かべる。
五枚の冒険者証。
冒険者として登録すれば、誰もが与えられる証明書だ。
「Eランク4人とDランク1人ですね。回収していただきありがとうございます。」
「あぁ。問題ない。最近はやけに多いな。ゴブリンも、死体も。」
「そうですね。【ダルズ森林】でDランクのものが最初に届けられた時は驚かされましたが、今ではそこまで珍しくなくなってしまいました。ゴブリンの報告例が増えていることも考えれば、ゴブリンが勢力を伸ばしている事はわかるのですけど。」
出された5枚とも、時間がたったのがわかる血痕が付着している。
おそらく、森の中で殺されたのだろうとエミリーは判断した。
それを知っているのは、届けてくれた冒険者のみ。
冒険者は、森の中で死体を見つければ可能な限り冒険者証を持って帰ってくる義務がある。
勿論死体は血塗れている事が多いので、タダでは冒険者もしない。
インセンティブとして、見つけた死体の装備品を所有する権利は発見者に譲渡される。
そう言ったルールがあり、冒険者は死体を確認するついてに冒険者証を持って帰ってくるのだ。
勿論、冒険者証をギルドに届けることに対しても報酬が払われる。
「調査は進めれらているのか?」
「はい。既に依頼は張り出していますし、貴方様のようなDランクのベテランの方々が何人も調査に名乗りを上げていますので。すぐにこのような自体は収束されるかと思われます。」
「そうか。」
(最近、ダルズ森林ではゴブリンがやたらと活発に動き回っている。)
これはこの村にいる冒険者の共通の認識だった。
ゴブリンは個体が弱いかわりに集団で活動し、恐ろしいまでの速さで繁殖する。
目安は妊娠期間が一週間。一度の出産で3、4匹を生み、2週間後には生殖可能になる。
定期的に狩りを行っていればそこまで問題にはならないが、
3ヶ月も放置していれば、村の二、三個簡単に飲み込まれるほどの量に膨れ上がる。
そして一番のゴブリン特性で問題的なのが【異種交配種】であることだ。
ゴブリンは魔物、人間関係なしに交配することができる。
森で魔物の群れを捕まえ、森から出てくれば人間や獣人を捕まえる。
そのため、なんとしてでも森の中で食い止めるのがセオリーだ。
森から溢れ人間の村を一つ二つ襲った時には加速度的に脅威度は増し、
あれよあれよと言う間に国家レベルの脅威に成り上がるからだ。
「ならいい。魔物が活性化してる状況もある訳だ。特にゴブリンはキッチリ駆除しとかねぇととんでもねぇことになりかねないからな。」
「はい、ギルドの方も同じ意思でございます。ではこちら、今日の報酬となります。」
「おう。ありがと。じゃあな。」
男は魔物と冒険者証を届け出た分の報酬を受け取り、ギルドを出た。
それを見届けたエミリーはゴブリンの討伐数を記録する。
記録を見れば確かにゴブリンの目撃例が増えたのは最近で、
それと釣り合いゴブリンの討伐数は普段以上の水準を維持していると記録されている。
(ゴブリンなんてEランク冒険者でも倒せる魔物。本当に何が起こってるのかしら。)
しかし、Dランク冒険者の被害が増えている記録を見て不審に思う。
冒険者は常に死と隣り合わせだ。
相手が格下でも死ぬ時は死ぬ。
だか何人ものDランクが行方不明になっている事を考えると、とても不気味だ。
「早期解決されますように。」
「魔法を使えるようになったか。童にしては上手ではないか。」
後日。
アイーシャはアルに習得した魔法の成果を見せていた。
指先に宿るは小さな炎。
子供にしてはとても器用に魔力を指先に集中させ、魔法を行使している。
アルはアイーシャの練習の成果を素直に褒めた。
「えぇ。それだけ?もうちょっと褒めてよ。先生も凄いんだって言ってたんだよ!」
「凄いのではないか?アイーシャの齢を考え見れば上出来じゃの。」
だがアイーシャからすればアルの反応が薄かったのだろう。
もっと褒めてとアンコールする。
そんな彼女に対してアルはアルなりに素直に褒める。
相変わらずの反応ではあるが。
アイーシャは親にも自分の魔法を見せた。
ガッシュとスザンヌは娘が一週間も立たずに魔法を覚えたことに絶賛した。
グスタスにも、「自分は魔力を集中させるのが得意ではないからアイーシャは凄い」と褒められた。
(冒険者をしていたグスタスにも褒められたのに。アルはあんまり褒めてくれない。)
アイーシャは自分のしている事の凄さを少し理解したようで、
三人の反応と同じような反応がアルからも出ると期待していたのだろう。
自分の憧れでもあるアルの反応を見て、少し残念そうだ。
「いいなぁ~。魔法がもう使えるって。俺はなんとなく循環のコツは掴めたけど」
「私は集中のコツは掴めてきたよ。」
「俺も魔力を集中させる事はできるけど、循環はまだ難しいかな。」
オリバー、アラン、エリシアは横でアイーシャが行使する魔法をみて羨む。
オリバーは循環、アランとエリシアは魔法の集中をそれぞれ練習し、コツを掴みつつある。
それでも、まだ魔法は使えない。
三人からすれば、アルに褒めてもらえないアイーシャの不満は贅沢に思えた。
「そう気にする事もない。魔法など直ぐにできるようになるわい。練習あるのみじゃ。」
「「「は~い。」」」
アル自身は魔法の練習などした事もない。
経験した事のない悩みには共感できもしないので、
とりあえず子供たちのやる気が出そうな言葉を発しておいた。
「ところでじゃ。其方は焼き鳥を食った事があるか?何日か前に初めて焼き鳥なるものを食ったが、アレは美味いのぉ。米なるものと食うと、より一層美味じゃな。何で出来ておったか、スープなるものも美味であた。」
アルはガッシュの所で食べたシチューを引き金に、
人間が作る食事に興味を持つようになっていた。
(是非とも全て食してみたいのぉ。)
そして今は数日前に食した焼き鳥やら、米やら、スープやらに
心を奪われていた。
「え、アルって焼き鳥も食べた事なかったの?」
「食べる必要がないのでな。」
アイーシャが意外そうな顔で聞いた。
焼き鳥は基本的にどこにでもあるようなもの。
珍しい食品ではない。
「食べる必要がないって、全く何も食べないわけでもないよね。」
「勿論魂魄や力は喰らうが、下等種族のように何かを食して生きる必要はないからの。唯一、血は嗜好に合うのでな、多少嗜むこともあるが。」
食べる必要がない?、と疑問に思ったオリバーが聞いた。
しかしアルの口から出てくるのは聞いたことのない『魂魄』と言う言葉や、
『力を喰らう』と言うわからない表現だけだっった。
そこにエリシアがさらに質問する。
「ち?ちって、血のこと?」
「そうじゃ。」
子供たちは揃って顔を合わせる。
血を飲むとは、かなりの偏食にしか聞こえない。
子供たちはアルの体純白の髪や衣服に血が付着し、彼が笑っている姿を想像してしまう。
「アルって、なんかヴァンパイアみたいだね。」
「ヴァンパイア?...其方の目にはヴァンパイアのように映るか。あながち間違っておらぬかも知れんな。カッカッカ。」
アランがその想像した姿に冗談で「ヴァンパイアみたいだ」と発言する。
それに対しアルが笑いながら返した意外な反応に、全員が若干身を引く。
子供たちがよく知る童話には、ヴァンパイアが他種族に混ざって生活していることもある。
村で突然行方不明者が現れれば、ヴァンパイアを疑えと言う意味・教訓が含まれた童話。
だが、やはりアイーシャだけは違った。
「でも、アルはヴァンパイアじゃないんでしょ?」
「アイーシャよ、あんな下等種族と吾を同じにしてくれるな。」
二度も命を助けられているからか、アルに対しての信頼が強いアイーシャ。
彼女は他の三人のように怯えることなくアルに聞いた。
するとアルは本気で子供たちが怖がっていることに気づき、
少し機嫌を悪くしながら否定した。
「ほら。アルはヴァンパイアみたいに怖くないから。」
「う、うん。」
アラン、オリバー、エリシアの三人が、
アイーシャに言われ恐る恐る肯定する。
(平和ボケめ。吾が本当にヴァンパイアであれば、今の言葉を信用するか。)
しかしアルはアイーシャの行った行動をみて、
少し危ない印象を受けた。
(敵が誰からも疑いの目でみられれば、事実であろうと否定するのが当然であろうに。)
本当に危ない敵は懐に入り込めることの出来る敵だ。
だからこそヴァンパイアを中心とした童話などがある。
アルはアイーシャの信用に満足感を覚えながらも、少し心配になる。
そしてこの自分が作ってしまった雰囲気に気が付く。
アイーシャ意外の三人は明らかにぎこちない。
「では其方に聞くが、ヴァンパイアにこれが出来るか?」
そう言ってアルは指を弾いた。
するとアイーシャの体が白い粒子に包まれ、
聖樹の枝の上に《転移》していた。
聖樹はかなり大きく、子供たちでは登ることすらできない。
「きゃ!アル、な、何だったの、今の!?」
「え!?今の何?」
「凄い!」
「何これ?アイーシャ!どうやって上に上がったの?」
アイーシャが突然木の上に転移されビックリしたのか悲鳴をあげた。
それを見てオリバー、アラン、エリシアの三人が驚き、
「俺にもして!」
「私も!」
「俺にも!」
先ほどまでの疑いの目はどこに行ったのやら。
珍しい魔法を見れば三人の意識は其方に言ってしまった。
そしてそのまま遊び続け、アルは転移を数百回も使用することとなる。
◇
グラス村/中央通り/ギルドにて。
一人の男が建物の中に入る。
見た目は冒険者。
グラス村から近い森から帰還し、依頼の達成を報告しに来たようだ。
一人の受付嬢の前に向かった。
「はい、依頼の達成ですね。10体のゴブリンの群れと、オークが2体と、赤顔猿が4体ですね。あと...これは。」
ギルドの受付嬢エミリーは子供たちと話している時の口調とは一変、大人の雰囲気を纏った女性だ
そんな彼女は、冒険者が出してきたものに悲しい顔を浮かべる。
五枚の冒険者証。
冒険者として登録すれば、誰もが与えられる証明書だ。
「Eランク4人とDランク1人ですね。回収していただきありがとうございます。」
「あぁ。問題ない。最近はやけに多いな。ゴブリンも、死体も。」
「そうですね。【ダルズ森林】でDランクのものが最初に届けられた時は驚かされましたが、今ではそこまで珍しくなくなってしまいました。ゴブリンの報告例が増えていることも考えれば、ゴブリンが勢力を伸ばしている事はわかるのですけど。」
出された5枚とも、時間がたったのがわかる血痕が付着している。
おそらく、森の中で殺されたのだろうとエミリーは判断した。
それを知っているのは、届けてくれた冒険者のみ。
冒険者は、森の中で死体を見つければ可能な限り冒険者証を持って帰ってくる義務がある。
勿論死体は血塗れている事が多いので、タダでは冒険者もしない。
インセンティブとして、見つけた死体の装備品を所有する権利は発見者に譲渡される。
そう言ったルールがあり、冒険者は死体を確認するついてに冒険者証を持って帰ってくるのだ。
勿論、冒険者証をギルドに届けることに対しても報酬が払われる。
「調査は進めれらているのか?」
「はい。既に依頼は張り出していますし、貴方様のようなDランクのベテランの方々が何人も調査に名乗りを上げていますので。すぐにこのような自体は収束されるかと思われます。」
「そうか。」
(最近、ダルズ森林ではゴブリンがやたらと活発に動き回っている。)
これはこの村にいる冒険者の共通の認識だった。
ゴブリンは個体が弱いかわりに集団で活動し、恐ろしいまでの速さで繁殖する。
目安は妊娠期間が一週間。一度の出産で3、4匹を生み、2週間後には生殖可能になる。
定期的に狩りを行っていればそこまで問題にはならないが、
3ヶ月も放置していれば、村の二、三個簡単に飲み込まれるほどの量に膨れ上がる。
そして一番のゴブリン特性で問題的なのが【異種交配種】であることだ。
ゴブリンは魔物、人間関係なしに交配することができる。
森で魔物の群れを捕まえ、森から出てくれば人間や獣人を捕まえる。
そのため、なんとしてでも森の中で食い止めるのがセオリーだ。
森から溢れ人間の村を一つ二つ襲った時には加速度的に脅威度は増し、
あれよあれよと言う間に国家レベルの脅威に成り上がるからだ。
「ならいい。魔物が活性化してる状況もある訳だ。特にゴブリンはキッチリ駆除しとかねぇととんでもねぇことになりかねないからな。」
「はい、ギルドの方も同じ意思でございます。ではこちら、今日の報酬となります。」
「おう。ありがと。じゃあな。」
男は魔物と冒険者証を届け出た分の報酬を受け取り、ギルドを出た。
それを見届けたエミリーはゴブリンの討伐数を記録する。
記録を見れば確かにゴブリンの目撃例が増えたのは最近で、
それと釣り合いゴブリンの討伐数は普段以上の水準を維持していると記録されている。
(ゴブリンなんてEランク冒険者でも倒せる魔物。本当に何が起こってるのかしら。)
しかし、Dランク冒険者の被害が増えている記録を見て不審に思う。
冒険者は常に死と隣り合わせだ。
相手が格下でも死ぬ時は死ぬ。
だか何人ものDランクが行方不明になっている事を考えると、とても不気味だ。
「早期解決されますように。」
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