女神の幼女体で異世界生活

さんらいず

文字の大きさ
5 / 44
第1章 復讐

04

しおりを挟む
それから数日は、森での魔法の実験に暇な時間を費やした。それと、この世界について、集められるだけ集めることにもした。まあ、不自然な感じにならないように気を使って、だけれど。
魔法については、基本属性である、火、水、風、土、光、闇は使えることがわかった…ハイスペックすぎるよ、この体…
そして、この世界の情報については…基本的なこと…というか、日常生活の中で少しばかり気にすること程度しか調べることができなかった。リアの出身地であるこの村はなぜか閉鎖的なのだ。まあ、小説で出てくるエルフの里とかは、だいたい閉鎖的だからこれ
が普通の可能性もあるのだけれど…
それと、この里にはエルフ以外の種族がいない、ということも確定した。村長である父のガリルに聞いたのだから間違いは無いだろう。
それに、自分でも村を見て回って確認したし…
この世界についてわかったことは…時間については比較的簡単だった。けれど、やっぱり幼いからか、一般常識がほとんど身についていない。こんなただの幼女が今のように変わって、なんで怪しまれたりしないのだろうか…
日にちについては、ほとんど地球と変わらない…と思う。1年が12の月に分けられていて、一月は30日。閏年とかは無い。
因みに、学校は希望する場合10歳になってからしか通えないらしい。今現在学校に行っているこの村の子供はいないのだけれど…
僕は行きたい。寿命が長いであろうエルフのくせに、村から出ずに一生を過ごすとか、人間の精神を持った僕には不可能なことだ。
そして最後に、魔法についてだ。基本属性が火、水、風、土、光、闇なのはさっき言ったとおりだ。そして魔法の行使については…
まあ、詠唱短縮はうまくいった。詠唱は短くできても無詠唱ができないのはおそらく、詠唱が何かに対して指示をする役割をしているのだろう。そして、意味さえわかる内容であればどんなに短い詠唱でもいい。(自分の考え)
正解なのかは知らない。それに、兄達の魔法を使う場面を見ていても、詠唱を短縮している様子はなかった(まあ、兄達を見て魔法を使っていたのだから当たり前)
僕が基本属性については、全属性適性があったことについては…女神の身体が元になっているからなのだろう…まあ、そのことは周りの人(やエルフ)に秘密にしておけばいい。
全属性に適性があるやつが貴重だということは、ほんの少しだけ理解できる。ほんの少しなだけはなぜかって? そりゃあ、リアがバカだからさ! はははっ!
…やめよう。これは自嘲にあたる…

そして、今日も森に向かって魔法の練習をしに行くつもりだったのだけれど…

「リア、今日はこの村にお客さんが来るそうだから、昼の1刻までには帰ってきてね。もし遅れたら…」
「う、うん! ちゃんと時間は守るから!」

こ、怖い(涙)…因みに、口調は戻せなかった。でも、もう慣れてしまった…慣れた…(泣)

結局僕は森に向かう。そういえば、村に来るのってどんなのだろう…どんな人ではなくて、どんなのだ。この世界で人間と同等の知性を持っているのは他にもたくさんいるらしいから。一回森の奥に行ってトカゲに羽のついた存在…ドラゴンに会ったんだが…知性があってよかったと今でも思う。普通の日本人だったら、ドラゴンを見て興奮するんだろうが…僕にはリアの記憶もあるから、そうはいかない。だからものすごく怯えたのだけれど…思考が単純になってしまったのか、「怯えなくてもいい」と言われるとすぐ
に立ち直った。泣けてくる…
そのときに、この世界の常識や気になることについて聞いた。
そして、そのドラゴンは「叡智の龍」と言われているらしい…如何にも凄そうな、そして頭のよさそうな名前だな…と思ったら、「人間どもは我をSSSランクの討伐対象としておるらしい。危害を加えたことはないのだが…」と言っていた。SSSランクっていうのは、冒険者ギルドで制定された討伐難易度の最高のものらしい。すごいなぁ…
あ、因みに「叡智の龍」さんに名前はないらしい。
それにしても、冒険者ギルドがあるのか…僕も冒険者になってみたいなぁ…これはリアも考えることらしい…
龍さんに、名前をつけたい! って言ったら、「それは服従の意味だぞ? 戦うのか?」と脅された…威圧感ハンパなくて、少しちびった…泣
でも虚勢張って「じゃあ、強くなったらまた来る!」って言ったら、笑ってくれた。
案外優しいんだなぁ…
このことは家族にも内緒にしてある。

と、それはおいといて…
魔法の実験って言っても、最近は攻撃魔法のネタも尽きてきた。あとは、人族の街にある学校で学ぶしかないのかな? それに、自分で詠唱を作って発動させようとしても失敗しまくるやつとかもあるから…まあ、魔法の発動に必要な知識とかは僕は知らないからね…科学的な知識しかもっていないのだよ。リアが馬鹿だから…
今僕は6歳。学校には行けない…そして、魔法について教えてくれる人もいない…ああもう、手詰まりじゃん! そうだ! 今日来る人とかに教えてもらえたりするかな? できたらいいけれど…
今日も練習していたらすぐに時間が過ぎて行った。それに今日は何時もより2刻も早く帰らないといけないから…って、そろそろ
時間だ!? 遅れないようにしないと! そろそろ昼の1刻だし!必死で走ったおかげか、ギリギリ間に合った…僕が練習する場所から家までは意外に遠いのだ…

「リア、おかえりなさい」
「ただいま…」
「お母さん、今日は誰が来るの?」
「え? それはお父さんしか知らないわよ。多分、近くにある帝国の商人との交易の話じゃないかしら…それにしても、なんだか嫌な予感がするわ…昔人族との交流を絶ったのも帝国人との争いが原因らしいし…」
「お母さん…?」

嫌な予感って…なんだか不穏…

「いえ、なんでもないわ。それじゃあ、お茶にでもしましょうか。まだ来るには時間があるみたいだし」
「あ、はーい!」

お茶の時間は僕にとって至福の時間だ。魔法の実験の次にね。お母さん手作りのクッキーがたまらなく美味しい。まあ、紅茶の方の美味しさはリアになってもあまりよくわからないけれど…
そうしてお茶(僕はクッキー)を楽しんでいる間も、お母さんは不安そうな顔をしていた。僕が心配して声を掛けると、作り笑いを浮かべてくれたけれど…なんだか僕まで不安になってきた。
リアが昔お父さん(ガリル)に聞いた話では、ここ100年程の間は、人族はこの村に来ることはなかったらしい。それはますます不安になる…何もなければいいなぁ…
まあ、この様子だと僕も一緒に会うらしいし、心を読む魔法を使って思考を読めばいいだろう。危険だったら…どうしよう!?
心を読む魔法は、闇属性の魔法だ。難易度についてはよくわからない。
まあ、全て同じように扱えるし。
闇属性の魔法は、他の属性と比べて精神や状態異常(これは、毒を持つ植物の毒をくらってしまった時に、試しに―――光 回復―――と詠唱しても効果がなかったので、ゲームの知識から―――光 状態異常回復――― と詠唱したら、毒の苦しさが消えたので、状態異常があることに気がついた)を与える効果に強く適応するみたいだ。因みに、火属性は攻撃と熱、水属性は液体と水蒸気、風属性は大気や空気や空間、土は鉱物などの固体、光は治癒や状態異常の回復などに適応性がある。まあ、光属性と闇属性については自分自身での実験結果によるものだが…
話がそれたな…まあ兎に角、そういうことがわかったので、他人の心の内を読むこともできるだろうということで、詠唱を作った。
詠唱は ―――闇 精神 表層思考 読取 聴覚化――― だ。地味に長い。というか、ある程度以上の効果をもたらす魔法は、詠唱が長くなる傾向がある。もしかしたら、詠唱が長い程、難易度が高くなるかもしれない。
そんな考え事をしていると、遠くの方からガタゴトと音が聞こえてきた。
エルフって耳いいみたい…
…さて、この嫌な予感が当たらなければいいけど…かなりの不安を覚えながら、席を立ったお母さんについて行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる

ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。 レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。 これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

まったく知らない世界に転生したようです

吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし? まったく知らない世界に転生したようです。 何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?! 頼れるのは己のみ、みたいです……? ※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。 私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。 111話までは毎日更新。 それ以降は毎週金曜日20時に更新します。 カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。

処理中です...