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第1章 復讐
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「うあぁぁっっ!!!」
目の前で息絶えている父親を見つめ、リアは叫ぶ。
しかし、その叫びを無視して帝国兵は少しでも抵抗した村の男たちを殺して行く…何の感情も見せずに。
ガリルが殺されたことが引き金になったのか、女性を運んでいた帝国兵達も村の男だけを虐殺し始める。
元々エルフ奴隷の需要は女性だけであり、男性を買い求める人はいない。そして、エルフは殺すと例外なく心臓が高純度の魔石になるのだ。よって、殺しても損失はない。尤も、帝国兵達はそんな損得の思考などはしていなかったが…
「どうなって…るの?」
(何故? 何故こいつらは男を殺すんだ! 奴隷にするんじゃなかったのか!?)
そして、遂に帝国兵の剣は、ルディとメッシ…兄に向いた。
(やめて! ルディとメッシはだめ! お兄ちゃんには手を出しちゃだめっ!!)
だが、リアは恐怖で声を出すことが出来ない。
そして、ルディとメッシの首が斬り落とされた。
そして、ルディとメッシの命を目の前で絶たれたリアの感情の器は少しずつ崩壊していく。
(やだぁっ! 何でお父さんが! なんでお兄ちゃんが! なんで殺されないといけないの!? なんでなんでなんでなんでっ!!)
氏川晴人としての、目の前で親しい人が殺されたことによる、恐怖の感情。そして、リアの中に残っていたリアの人格としての憎しみと悲しみと怒りの感情。
二つの人格の感情が合わさり、同調する。
許容量を超えた怒りが、魔力を放出するが、帝国軍の魔道具によって吸収される…が、直後、奇跡が起きた。
《条件クリア。一定以上の感情の高揚を確認。個体名:リア・ルイシェルの潜在能力覚醒を開始します…完了。身体的スペックの上昇を確認。覚醒を終了》
《条件クリア。指定魂:氏川晴人の強い感情、及び共生状態の魂との強大な感情の同調を確認。スキルの付与を開始します。能力スキャンの結果により大罪:憤怒の付与を開始…完了。スキルの有効化を開始…完了。スキルの付与を終了します》
《条件クリア。魔法概念優越権の昇格を開始…ハイ・エルフLevel3より、神格Level4に昇格しました》
《特殊能力、大罪(憤怒)の獲得により、特殊属性:破壊を獲得しました》
特殊能力とは、世界で一つしかない能力のことである。
リアの脳には、破壊属性の使用方法や、詠唱内容が流れ込んでくるが、リアは気にも留めない。いや、確かに理解はしているが、意識がそれに向かないのだ。そのため、リアは無意識のうちに災害級の能力を手に入れていた。
魔法概念優越権とは、魔法を実行する時に書き換える空間の規模を分けたものである。
ハイ・エルフは、神族の末裔であるため、元々普通の人間より魔法概念優越権のレベルが高い。そしてリアは、更にもう一段階上がったため、神族級の魔法が扱えるようになっていた。
また、ハイ・エルフ用に帝国が作成した魔力吸引装置は、神の遺産とも呼ばれる魔道具を組み込んでいたため、Level3までは対応出来ていたが、リアのレベルが4になったため、リアの膨大な魔力が解放されることとなった。
ーーーリア視点ーーー
解らない。
どうしてお兄ちゃんは殺された? 意味もなく? それとも? いや、もうどうだっていい!
お兄ちゃんやお父さんを殺した奴らは…殺す!
僕はいつの間にか覚えていた力が奴らを殺すのに一番いいと直感的に理解する。そして、半ば無意識に頭に流れ込んできた詠唱を最適化し、唱える。
「ーーー破壊 神権使用 粒子操作 範囲指定 ーーー」
「…実行」
直後、リアの周りの村の建物、村の人たちの死体や、女性達が積まれていた馬車、今にも殺されようとしていた男たち、村を囲んでいた帝国兵の全てが消えた。
そこにいるのはリアだけ。
そして、リアも意識を失い、倒れた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
後に、神隠しとも呼ばれる、帝国兵50人余りが消え去る事件。これは通常ならばすぐに調査すべき事だが、エルフの村への進軍は秘密裏に行われたため、帝国はこの件について目を逸らすしかなく、消えた兵士達の遺族達への説明に奔走するのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ーーん…背中痛い…」
何だろう、凄く背中が痛い。なんか、硬いところで寝てしまったような…
「っは! み、皆はっ!?」
辺りを見回すと、目に映るのは更地と壁のように立ちはだかる森だけ。
確か、帝国兵がやってきて…
リアの脳裏に、昨日の惨状が映る。
「うぐっ…な、何で…じゃあここは…?」
こんな更地は村の近くになかったはず…森は見覚えが…っ!!
「この森は…村の周りの…?」
そしてリアは、昨日自分がやったことを思い出してしまう。
「っ!?…な、何、あの魔法…破壊? そんなの記憶に…」
何…? この魔法の記憶は…破壊属性なんて練習したこともないのに、どうして使い方まで詳しくわかる? それに、昨日僕がしたことは…
「殺し、ちゃったんだ…帝国兵も、生き残っていた村の皆も」
正直、吐きそうだが、無理やり嘔吐感を押し込めて冷静になろうとする。
ふぅ…なんとか落ち着いてきた。というか、あの時の感情が押さえつけられなくなるような感じ…なんだったんだ? 変な声がたくさん聞こえたような気もするし…
それと…魔力量が上がっている? 昨日の10倍以上ある気がするな。まぁ、多いにこしたことはないから良いんだけれど…
この後はどうしようか…死体も無いから供養のしようが無いしなぁ
「まぁ…適当に街を探そっか!」
このまま飢え死にとかやだしな 食べ物自体は草食だから良いんだけれど。動物の肉って臭くて食べれないんだよね…お母さん達はまだ少し食べれたようだけれど、僕は鼻もきくみたいで…
ともかくまずは食料を探さないと…野菜がそこら辺に生えている何てあり得ないから…まぁ果物とか木の実のかあれば良いなぁ。もう直ぐ秋みたいだし。でも魔物が活発になるからちょっと心配かも…
僕は森に向かって歩き出した。
目の前で息絶えている父親を見つめ、リアは叫ぶ。
しかし、その叫びを無視して帝国兵は少しでも抵抗した村の男たちを殺して行く…何の感情も見せずに。
ガリルが殺されたことが引き金になったのか、女性を運んでいた帝国兵達も村の男だけを虐殺し始める。
元々エルフ奴隷の需要は女性だけであり、男性を買い求める人はいない。そして、エルフは殺すと例外なく心臓が高純度の魔石になるのだ。よって、殺しても損失はない。尤も、帝国兵達はそんな損得の思考などはしていなかったが…
「どうなって…るの?」
(何故? 何故こいつらは男を殺すんだ! 奴隷にするんじゃなかったのか!?)
そして、遂に帝国兵の剣は、ルディとメッシ…兄に向いた。
(やめて! ルディとメッシはだめ! お兄ちゃんには手を出しちゃだめっ!!)
だが、リアは恐怖で声を出すことが出来ない。
そして、ルディとメッシの首が斬り落とされた。
そして、ルディとメッシの命を目の前で絶たれたリアの感情の器は少しずつ崩壊していく。
(やだぁっ! 何でお父さんが! なんでお兄ちゃんが! なんで殺されないといけないの!? なんでなんでなんでなんでっ!!)
氏川晴人としての、目の前で親しい人が殺されたことによる、恐怖の感情。そして、リアの中に残っていたリアの人格としての憎しみと悲しみと怒りの感情。
二つの人格の感情が合わさり、同調する。
許容量を超えた怒りが、魔力を放出するが、帝国軍の魔道具によって吸収される…が、直後、奇跡が起きた。
《条件クリア。一定以上の感情の高揚を確認。個体名:リア・ルイシェルの潜在能力覚醒を開始します…完了。身体的スペックの上昇を確認。覚醒を終了》
《条件クリア。指定魂:氏川晴人の強い感情、及び共生状態の魂との強大な感情の同調を確認。スキルの付与を開始します。能力スキャンの結果により大罪:憤怒の付与を開始…完了。スキルの有効化を開始…完了。スキルの付与を終了します》
《条件クリア。魔法概念優越権の昇格を開始…ハイ・エルフLevel3より、神格Level4に昇格しました》
《特殊能力、大罪(憤怒)の獲得により、特殊属性:破壊を獲得しました》
特殊能力とは、世界で一つしかない能力のことである。
リアの脳には、破壊属性の使用方法や、詠唱内容が流れ込んでくるが、リアは気にも留めない。いや、確かに理解はしているが、意識がそれに向かないのだ。そのため、リアは無意識のうちに災害級の能力を手に入れていた。
魔法概念優越権とは、魔法を実行する時に書き換える空間の規模を分けたものである。
ハイ・エルフは、神族の末裔であるため、元々普通の人間より魔法概念優越権のレベルが高い。そしてリアは、更にもう一段階上がったため、神族級の魔法が扱えるようになっていた。
また、ハイ・エルフ用に帝国が作成した魔力吸引装置は、神の遺産とも呼ばれる魔道具を組み込んでいたため、Level3までは対応出来ていたが、リアのレベルが4になったため、リアの膨大な魔力が解放されることとなった。
ーーーリア視点ーーー
解らない。
どうしてお兄ちゃんは殺された? 意味もなく? それとも? いや、もうどうだっていい!
お兄ちゃんやお父さんを殺した奴らは…殺す!
僕はいつの間にか覚えていた力が奴らを殺すのに一番いいと直感的に理解する。そして、半ば無意識に頭に流れ込んできた詠唱を最適化し、唱える。
「ーーー破壊 神権使用 粒子操作 範囲指定 ーーー」
「…実行」
直後、リアの周りの村の建物、村の人たちの死体や、女性達が積まれていた馬車、今にも殺されようとしていた男たち、村を囲んでいた帝国兵の全てが消えた。
そこにいるのはリアだけ。
そして、リアも意識を失い、倒れた。
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後に、神隠しとも呼ばれる、帝国兵50人余りが消え去る事件。これは通常ならばすぐに調査すべき事だが、エルフの村への進軍は秘密裏に行われたため、帝国はこの件について目を逸らすしかなく、消えた兵士達の遺族達への説明に奔走するのであった。
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「ーーん…背中痛い…」
何だろう、凄く背中が痛い。なんか、硬いところで寝てしまったような…
「っは! み、皆はっ!?」
辺りを見回すと、目に映るのは更地と壁のように立ちはだかる森だけ。
確か、帝国兵がやってきて…
リアの脳裏に、昨日の惨状が映る。
「うぐっ…な、何で…じゃあここは…?」
こんな更地は村の近くになかったはず…森は見覚えが…っ!!
「この森は…村の周りの…?」
そしてリアは、昨日自分がやったことを思い出してしまう。
「っ!?…な、何、あの魔法…破壊? そんなの記憶に…」
何…? この魔法の記憶は…破壊属性なんて練習したこともないのに、どうして使い方まで詳しくわかる? それに、昨日僕がしたことは…
「殺し、ちゃったんだ…帝国兵も、生き残っていた村の皆も」
正直、吐きそうだが、無理やり嘔吐感を押し込めて冷静になろうとする。
ふぅ…なんとか落ち着いてきた。というか、あの時の感情が押さえつけられなくなるような感じ…なんだったんだ? 変な声がたくさん聞こえたような気もするし…
それと…魔力量が上がっている? 昨日の10倍以上ある気がするな。まぁ、多いにこしたことはないから良いんだけれど…
この後はどうしようか…死体も無いから供養のしようが無いしなぁ
「まぁ…適当に街を探そっか!」
このまま飢え死にとかやだしな 食べ物自体は草食だから良いんだけれど。動物の肉って臭くて食べれないんだよね…お母さん達はまだ少し食べれたようだけれど、僕は鼻もきくみたいで…
ともかくまずは食料を探さないと…野菜がそこら辺に生えている何てあり得ないから…まぁ果物とか木の実のかあれば良いなぁ。もう直ぐ秋みたいだし。でも魔物が活発になるからちょっと心配かも…
僕は森に向かって歩き出した。
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