女神の幼女体で異世界生活

さんらいず

文字の大きさ
9 / 44
第1章 復讐

08

しおりを挟む
僕が一人になって3日が経った。食べ物は木の実とかを食べて飢えをしのいでいるから大丈夫だけれど。いっこうに川とかの水源が見つからないため、身体を洗えない。元日本人の精神を持つ僕にとってはかなり精神的にきつい。

・・・ということで、3日間ずっと水だけを探していた。そのせいで、今僕がどこにいるのかリアの記憶でも解らなくなった・・・

「・・・誰かに会えないかなぁ・・・」

寂しくて声に出すけれど・・・3日間のうちに生物にあったのは一回も無い。魔物もいなかったのでそこは助かるけれど・・・

「しょうがない・・・まっすぐ行けばどこかたどり着くかなぁ・・・」

森は直線に進むのが難しいらしいが、リアはハイ・エルフ(?)らしくて、森で迷うことはない・・・迷ってるけど!

「人間のでもいいから街道とかに出れば良いんだけれどなぁ・・・」

進む方向は本能的に森の出口の方向だけは分かるので、一応森を出ることはできる・・・けれど、森から出るとかなり僕は弱体化しちゃうんだよなぁ・・・
森で勝手がきくっていうのは僕等の種族特性だから・・・外に出ると魔法以外は頼りにならないんだよね・・・誰かかくまってくれないかな・・・

「・・・服、着替えたい・・・」

・・・他の人格の記憶が入ってるのって大変・・・



ーーーそれから2日かかってやっと森を出ることができた・・・けど!

「なんでどでかい草原なのおぉぉ!」

一応石畳の街道はあるみたい・・・だけど、こんなに広い草原に延々と道が続いていると・・・気力削げるなぁ・・・

「どちらに進むか・・・右でいいや」


この選択が、リアの命を助けることになる。森から見て左がスティル帝国・・・つまり、リアの住んでいた村を襲撃した国なのだから。

スティル帝国は人族至高主義の国である。そして帝国が主張する領土範囲内に異種族の集落や街が存在するとわかった場合は直ぐにそこを襲撃をするという徹底ぶりを見せている。

リアの住んでいた村は、帝国のどの主要都市からも離れていた。尚且つ、住人の数が少なかったため、帝国は徴税官の派遣を怠っていた。そのおかげか、帝国にハイ・エルフの村だということを知られることはなかった。

だが、帝国の財務大臣が変わり、新しい財務大臣が税の徴収を徹底した為、リア一家の村のことが明るみになった。そして、調査の為に特殊な商人を送り込んだ結果、ハイ・エルフの集落だったと判明したのだ。



ーーー街道を進み始めて一週間

「・・・おっきな壁だ。」

そう、巨大な壁に囲まれている街・・・都市が見えてきたのだ。

リアがたどり着いたのはエルゼル王国の国境近くにある城塞都市である『セントラル』だ。
政治面では仲が悪いスティル帝国とエルゼル王国は貿易面ではかなり影響しあっている。そして、その貿易を行う商人達の拠点が、セントラルなのだ。

「・・・中、入れるのかな・・・?」

壁にある入り口(?)にはかなり長い行列が出来ていた。

「並ぼっか・・・絡まれませんように・・・」

ということで、僕は行列の最後尾に並ぶことにした。
周りの商人(多分)達はチラッと僕を見たあと、哀しそうな視線を僕に送ってから目をそらした。・・・何で? そんなにかわいそうな格好してないよね? 痩せているわけでも無いし・・・本当になんでだろ。まあ、いいや。

幸い絡まれることなく、門番の人のところまでたどり着けた。って、入門税とかあるのかな!? お金、持ってない・・・ないことを祈r「入門税銀貨1枚お願いします」・・・ダメでした。

「ぐぅ・・・あの、お金ないんですけど、外で稼ぐ方法とか無いですか・・・?」

稼ぐしか・・・無いだろうね。でも、僕みたいなちっちゃいのだとなぁ。

「うーん・・・」

門番さんは親切そうな人で、ちゃんと一応考えてくれている・・・けれど、そんな都合の良い仕事は・・・「君、計算って出来るかい?」

「ふぇっ!?・・・はい、出来ますけど」
「じゃあ、ちょっとついてきて。頼みたいことがあるんだ」
「は、はい・・・わかりました!」

何だか声をかけられた時に少しぞくっとしたけど・・・気の所為だよね?

門番さんは一緒にいた人と少し話してから、僕を門のすぐそばにある建物に連れて行った。

「じゃあ、ここにメモがあるでしょ。ここに書いてある数全てを足し算して、この書類のここに書いておいてくれるかい? 終わったら僕のところにまたおいで。そしたら仮の身分証を発行してあげるよ」
「わ、分かりました!」

僕が了承すると、一瞬悲しそうな顔になって、何か呟いた後、直ぐに元の表情に戻って、門の方に向かって行った。

「さて、計算かぁ。久しぶりだなぁ・・・えーと?・・・これは多分入門者数の報告書かな?」

計算は小学2年生レベルの難易度だったから直ぐに終わるけど、如何せん数が多いので、結構大変だった。全て終わらせるのに30分程かかってしまった。
早速、門番さんのところへ向かう。

「おじさん! 終わりましたー!」
「・・・うん、ありがとう」

何故か微妙な顔をしたけど、直ぐ表情を戻してお礼を言ってくれた。

「じゃあ、仮の身分証を発行するから、こっちへおいで」
「はい!」

今度はさっきとは違う建物に向かった。その中の小さな部屋に入ると、ガラス玉? 水晶玉? みたいなものと小さめの箱? と椅子が二つだけ置いてあった。

「じゃあ、この水晶玉に手をおいて、魔力を流してくれるかい?」
「はーい」

魔力はほんの少ししか流さないことにした。なんとなく壊れそうだから・・・

「はい、じゃあ少し待ってね。今作るから」

少しすると、小さめの箱の中から金属のカードっぽいものが出てきた。

「はい、これが仮身分証だよ。1ヶ月の間は普通に使えるけれど、1ヶ月経つと更新しないといけないからまたここにおいで。今度はお金はいらないけど・・・結局は宿代とかは稼がないといけないから、頑張ってね」
「分かりました!」

僕がカードを眺めていると、「こんなに小さいのに」とつぶやいたのが聞こえたけど、まあ、何か獣とかを狩れば売れるだろうし。何処にいるかは知らないけれど・・・

「ふむ・・・君はエルフなのか?」
「え? あ、はい、そうですけど」
「じゃあ、これを羽織って行くといい。顔も隠せるから、人攫いにあう確率も少しは減るだろうし」
「は、はい。分かりました」

人攫いいるのかよ! 気を付けないと・・・
それと、見た目だけじゃハイ・エルフとエルフの見分けはしにくいみたいだな。

「じゃあ、がんばってね」

そう言っておじさんは僕の肩に手を置いた、その瞬間。

全身が震えた。

「きゃあぁっ!!」

思わず悲鳴をあげて飛び退いてしまった。
体がまだ震える。というか、うまく力が入らない。

「ど、どうしたんだい?」
「っ!・・・い、いえ、ありがとうございましたっ!」

そうして僕は逃げるように街に入って行った。

「これって・・・人間恐怖症・・・?」

でも、喋るのはなんともなかったはず・・・

「よく・・・わからない」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

スライムからパンを作ろう!〜そのパンは全てポーションだけど、絶品!!〜

櫛田こころ
ファンタジー
僕は、諏方賢斗(すわ けんと)十九歳。 パンの製造員を目指す専門学生……だったんだけど。 車に轢かれそうになった猫ちゃんを助けようとしたら、あっさり事故死。でも、その猫ちゃんが神様の御使と言うことで……復活は出来ないけど、僕を異世界に転生させることは可能だと提案されたので、もちろん承諾。 ただ、ひとつ神様にお願いされたのは……その世界の、回復アイテムを開発してほしいとのこと。パンやお菓子以外だと家庭レベルの調理技術しかない僕で、なんとか出来るのだろうか心配になったが……転生した世界で出会ったスライムのお陰で、それは実現出来ることに!! 相棒のスライムは、パン製造の出来るレアスライム! けど、出来たパンはすべて回復などを実現出来るポーションだった!! パン職人が夢だった青年の異世界のんびりスローライフが始まる!!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

SSSレア・スライムに転生した魚屋さん ~戦うつもりはないけど、どんどん強くなる~

草笛あたる(乱暴)
ファンタジー
転生したらスライムの突然変異だった。 レアらしくて、成長が異常に早いよ。 せっかくだから、自分の特技を活かして、日本の魚屋技術を異世界に広めたいな。 出刃包丁がない世界だったので、スライムの体内で作ったら、名刀に仕上がっちゃった。

まったく知らない世界に転生したようです

吉川 箱
ファンタジー
おっとりヲタク男子二十五歳成人。チート能力なし? まったく知らない世界に転生したようです。 何のヒントもないこの世界で、破滅フラグや地雷を踏まずに生き残れるか?! 頼れるのは己のみ、みたいです……? ※BLですがBがLな話は出て来ません。全年齢です。 私自身は全年齢の主人公ハーレムものBLだと思って書いてるけど、全く健全なファンタジー小説だとも言い張れるように書いております。つまり健全なお嬢さんの癖を歪めて火のないところへ煙を感じてほしい。 111話までは毎日更新。 それ以降は毎週金曜日20時に更新します。 カクヨムの方が文字数が多く、更新も先です。

転生貴族の領地経営〜現代知識で領地を豊かにして成り上がる

ファンタジー
ネーデル王国の北のリーディア辺境伯家には天才的な少年レイトがいた。しかしその少年の正体は現代日本から転生してきた転生者だった。 レイトが洗礼を受けた際、圧倒的な量の魔力やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のレイトを辺境伯領の北の異種族の住むハーデミア領を治める領主とした。しかしハーデミア領は貧困に喘いだ貧乏領地だった。 これはそんなレイトが異世界の領地を経営し、領地を豊かにして成り上がる物語である。

処理中です...