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第二十六話 禁断の代償
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アクセルから三日間という短くも長い自由時間を貰った。
今度の探索では足を引っ張らないように、強くならないと。
ただ、私の職業の特性上、急成長は見込めない。
魔力の総量も、精度も一朝一夕で上がるようなものではない。
なら、どうするのか。新しい魔法を覚えればいいのだ。
これも、簡単なことではないが、三日間詰め込めば、扱えるようになるだろう。
魔法には、三つの種類があって、固有魔法。オリジナル魔法。血統魔法だ。
固有魔法は、基礎の魔法で、ランク付けがされていて、下から、
下級、中級、上級、超級、極級の五段階に分かれている。
上に行けば行くほど、難しくなり、超級以上を扱えるのは、この大陸では、両手で数えるほどしかいない。
オリジナル魔法は名前の通り、自分で創作する魔法のことで、自分に合った魔法を使うことが出来る。私はこれを軸にたたかって いるから、応用がききやすい。即興は厳しいけど。
最期は血統魔法。由緒ある魔法家門にしか扱えないとされている魔法で、
固有やオリジナルとは段違いで火力が違う。私は一回実物を見たことがある。
辺り一帯を焼き尽くす業火。それはまるで、地獄の底から現れた、炎の悪魔の様だった。今でもその魔法が脳裏に焼き付いていて離れない。この魔法を使っていたのは、オーバー家という、貴族だった気がする。
話が逸れてしまったわね。今の私はオリジナル魔法を主体で戦っているけど、
これからは厳しくなる。今回の戦いで学んだ。
だから、固有魔法を覚えようと思う。
幸い私がいるグレイ・スカイは世界有数の巨大図書館がある。
そこに行けば、私が欲しているものがあるだろう。
図書館に行く道中にこのなことを耳にした。
山龍がこの街に向かっているということだ。
もしそうなら、あの依頼にも人が集まるかもしれない。
ちょっとの期待を胸に私は、図書館にたどり着いた。
「禁断の書は置いてある?」
私は図書館に着くとすぐに、受付に欲しい本があるかを聞いた。
「ありますが、私の一存では何とも言えないです。少々お待ちください」
彼女はそういうと、後ろの方に下がって行った。
私が欲しいのは固有魔法の外道、世界から忌み嫌われている、
禁断の魔法が記載された書物だ。
「お待たせしました」
前を見ると、優しそうなおじいさんが立っていた。
「見せてくれるの?」
単刀直入に聞く。小細工は使わない。このじじいはやり手だ。
「あなた様には、その資格が無いと見受けられますので閲覧することが出来ません」
むかつく言葉が返ってきた。反撃するしかないわね。
「なら、これでどう?」
パチンッ!ト指を鳴らす。同時に、ガラスが割れたような音が響いた。
今私がしたのは解除の魔法。この爺を守っている結界を解除させたのだ。
「これはこれは。失礼いたしました。資格がある様ですね」
笑いながら爺は結界を構築している。
「こうやってふるいをかけているわけね」
「ご明察です。禁断の書はこの世界にあっては言えないもの。邪悪なものに渡れば世界の終焉が近づきますので」
パチパチと拍手をされて褒められた。
「じゃあ、早速閲覧させてもらいたいんだけど?」
許可が下りたのだから、速く見たい。この一秒でも惜しいのだ。
「何に使う予定ですか。場合によっては、閲覧の許可を取り下げてもらいます」
じじいの目が変わった。真実の目を使っているわね。嘘をついても意味が無い。
「幼馴染を助けるために、生命の魔法を会得したいのよ」
嘘はついていない。本心からの言葉だ。
「分かりました。こちらへどうぞ」
じじいは笑うと、奥の部屋へと案内してくれた。
「こちらに揃っています。何kあればそちらのベルを鳴らしてください」
彼は そういうと部屋から出ていった。
私がいる部屋は辺り一面が本棚で覆われていて、楕円を描いていた。
部屋の真ん中に、ポツンと机が一つ置かれているだけだった。
奥には、二階に上がるための螺旋階段が、設置されていた。
私が会得したい生命の魔法の書物はありだろうか。
その前に、治癒魔法との区別を知らないとこんがらがるわね。
治癒魔法は、対象の魔力やエネルギーを使って回復をしている。
全英が良く食べるのはこのためだ。
一方生命魔法は、命を作るという世界を冒涜するような魔法だ。
と言っても、無から有は作れないので、自分や、他者に命を削って作っている。
魔法上死んだ人間も蘇らせることが出来ることから禁断の書に分類されている。
三日間でどこまで理解できるか分からないが、文字通り、命を削って覚えよう。
並行して、上級までで止まっている固有魔法も、超級まで扱えるようにしよう。
私はこの日を境に、世界の真理の片鱗を感じることとなった。
いかに残酷で美しいのか。生命とは、死とは何なのかを。
飲まず食わずで二日が経った。理論は理解できているが、
いまだに成功させろことが出来ない。
これ以上は自分の命も削ることが出来ない。最悪に知らぬ誰かの命を吸うか。
吸収は出来るのに、作製が出来ない。非常にもどかしい。
比べて、並行して覚えていた固有魔法は氷だけだが、超級まで行くことが出来た。
「オリジナルのほうが、向いているのかな,,,」
疲れたので、床に倒れて、天井を見る。
私がなんでオリジナルに向いているのか。理由が一つある。
ブレイクからの影響だ。
「オリジナルってことは、自由ってことだろ?憧れるよな」
そのころから、好きだった私にとって、彼の言葉一つ一つに、
特別な意味が籠っていた。オリジナルに固執しているのも、そのせいだろう。
今になって後悔をしているが。私は、彼の様に自由さが足りない。
この物語を動かせるくらいの力が。
嫌いだ、嫌いだ、嫌いだ嫌いだ嫌いだ!!
何もできない自分が!!できた気になっている自分が!!
こんな思いをするくらいならいっそのこと、全てを使って、生命を作ってやる!!
体中に散らばっている、生命エネルギーを、一点に集中させる。
体が震えている。この力に耐えられていない。穴という穴から血が噴き出す。
「ぐああああぁぁぁぁぁっぁぁああ!!」
思わず悲鳴を上げる。いや、悲鳴というより、発狂に近い。
「大丈夫ですか!?」聞いたことのある爺の声が聞こエル。
「よ,,,る,,,n,,,」力が暴走シナイヨウニ、必死に抑エツケル。
辺りが、私を中心に神々しい光に包まれていく。
「が,,,アア,,,?アェ?」
成功シタノダロウカ。ワカラナイ。
この肉体は?なんで生きているのだろう?どろどろになったからだを見下ろす。
四肢はもげ、内臓はひっくり返って外に出て、血がコーティングしている。
理解が追い付かない。何れ?どこから、間違えた?
「なんでこうなっているのよ?」
声の方向に向かって頭をねじる。目の前には私がいる。
「あ,,,n,,,,た,,,,????」
「私は未来のあんた。正確には違うけど。あんたにその力は早いわ。おとなしくしときなさい。戻しておくから。力は多少使えるようにしておくわ。」
一方的に私から言われた。この感じは本当に私なんだろう。
「それじゃあね」
私がそういうと、全てが巻き戻っていた。
私が全てを使って生命を作ろうとするところまで。
あれはいったい?私とは?
謎が解けないまま、三日が過ぎた。
得られたものは少ないが、少しはましになっただろうか。
そんなことを思いながら、ギルドに向かう。
「何人が来てくれるのかしら」
期待と不安の中、街を歩く。今日は曇り空に切り傷が出来ていた。
今度の探索では足を引っ張らないように、強くならないと。
ただ、私の職業の特性上、急成長は見込めない。
魔力の総量も、精度も一朝一夕で上がるようなものではない。
なら、どうするのか。新しい魔法を覚えればいいのだ。
これも、簡単なことではないが、三日間詰め込めば、扱えるようになるだろう。
魔法には、三つの種類があって、固有魔法。オリジナル魔法。血統魔法だ。
固有魔法は、基礎の魔法で、ランク付けがされていて、下から、
下級、中級、上級、超級、極級の五段階に分かれている。
上に行けば行くほど、難しくなり、超級以上を扱えるのは、この大陸では、両手で数えるほどしかいない。
オリジナル魔法は名前の通り、自分で創作する魔法のことで、自分に合った魔法を使うことが出来る。私はこれを軸にたたかって いるから、応用がききやすい。即興は厳しいけど。
最期は血統魔法。由緒ある魔法家門にしか扱えないとされている魔法で、
固有やオリジナルとは段違いで火力が違う。私は一回実物を見たことがある。
辺り一帯を焼き尽くす業火。それはまるで、地獄の底から現れた、炎の悪魔の様だった。今でもその魔法が脳裏に焼き付いていて離れない。この魔法を使っていたのは、オーバー家という、貴族だった気がする。
話が逸れてしまったわね。今の私はオリジナル魔法を主体で戦っているけど、
これからは厳しくなる。今回の戦いで学んだ。
だから、固有魔法を覚えようと思う。
幸い私がいるグレイ・スカイは世界有数の巨大図書館がある。
そこに行けば、私が欲しているものがあるだろう。
図書館に行く道中にこのなことを耳にした。
山龍がこの街に向かっているということだ。
もしそうなら、あの依頼にも人が集まるかもしれない。
ちょっとの期待を胸に私は、図書館にたどり着いた。
「禁断の書は置いてある?」
私は図書館に着くとすぐに、受付に欲しい本があるかを聞いた。
「ありますが、私の一存では何とも言えないです。少々お待ちください」
彼女はそういうと、後ろの方に下がって行った。
私が欲しいのは固有魔法の外道、世界から忌み嫌われている、
禁断の魔法が記載された書物だ。
「お待たせしました」
前を見ると、優しそうなおじいさんが立っていた。
「見せてくれるの?」
単刀直入に聞く。小細工は使わない。このじじいはやり手だ。
「あなた様には、その資格が無いと見受けられますので閲覧することが出来ません」
むかつく言葉が返ってきた。反撃するしかないわね。
「なら、これでどう?」
パチンッ!ト指を鳴らす。同時に、ガラスが割れたような音が響いた。
今私がしたのは解除の魔法。この爺を守っている結界を解除させたのだ。
「これはこれは。失礼いたしました。資格がある様ですね」
笑いながら爺は結界を構築している。
「こうやってふるいをかけているわけね」
「ご明察です。禁断の書はこの世界にあっては言えないもの。邪悪なものに渡れば世界の終焉が近づきますので」
パチパチと拍手をされて褒められた。
「じゃあ、早速閲覧させてもらいたいんだけど?」
許可が下りたのだから、速く見たい。この一秒でも惜しいのだ。
「何に使う予定ですか。場合によっては、閲覧の許可を取り下げてもらいます」
じじいの目が変わった。真実の目を使っているわね。嘘をついても意味が無い。
「幼馴染を助けるために、生命の魔法を会得したいのよ」
嘘はついていない。本心からの言葉だ。
「分かりました。こちらへどうぞ」
じじいは笑うと、奥の部屋へと案内してくれた。
「こちらに揃っています。何kあればそちらのベルを鳴らしてください」
彼は そういうと部屋から出ていった。
私がいる部屋は辺り一面が本棚で覆われていて、楕円を描いていた。
部屋の真ん中に、ポツンと机が一つ置かれているだけだった。
奥には、二階に上がるための螺旋階段が、設置されていた。
私が会得したい生命の魔法の書物はありだろうか。
その前に、治癒魔法との区別を知らないとこんがらがるわね。
治癒魔法は、対象の魔力やエネルギーを使って回復をしている。
全英が良く食べるのはこのためだ。
一方生命魔法は、命を作るという世界を冒涜するような魔法だ。
と言っても、無から有は作れないので、自分や、他者に命を削って作っている。
魔法上死んだ人間も蘇らせることが出来ることから禁断の書に分類されている。
三日間でどこまで理解できるか分からないが、文字通り、命を削って覚えよう。
並行して、上級までで止まっている固有魔法も、超級まで扱えるようにしよう。
私はこの日を境に、世界の真理の片鱗を感じることとなった。
いかに残酷で美しいのか。生命とは、死とは何なのかを。
飲まず食わずで二日が経った。理論は理解できているが、
いまだに成功させろことが出来ない。
これ以上は自分の命も削ることが出来ない。最悪に知らぬ誰かの命を吸うか。
吸収は出来るのに、作製が出来ない。非常にもどかしい。
比べて、並行して覚えていた固有魔法は氷だけだが、超級まで行くことが出来た。
「オリジナルのほうが、向いているのかな,,,」
疲れたので、床に倒れて、天井を見る。
私がなんでオリジナルに向いているのか。理由が一つある。
ブレイクからの影響だ。
「オリジナルってことは、自由ってことだろ?憧れるよな」
そのころから、好きだった私にとって、彼の言葉一つ一つに、
特別な意味が籠っていた。オリジナルに固執しているのも、そのせいだろう。
今になって後悔をしているが。私は、彼の様に自由さが足りない。
この物語を動かせるくらいの力が。
嫌いだ、嫌いだ、嫌いだ嫌いだ嫌いだ!!
何もできない自分が!!できた気になっている自分が!!
こんな思いをするくらいならいっそのこと、全てを使って、生命を作ってやる!!
体中に散らばっている、生命エネルギーを、一点に集中させる。
体が震えている。この力に耐えられていない。穴という穴から血が噴き出す。
「ぐああああぁぁぁぁぁっぁぁああ!!」
思わず悲鳴を上げる。いや、悲鳴というより、発狂に近い。
「大丈夫ですか!?」聞いたことのある爺の声が聞こエル。
「よ,,,る,,,n,,,」力が暴走シナイヨウニ、必死に抑エツケル。
辺りが、私を中心に神々しい光に包まれていく。
「が,,,アア,,,?アェ?」
成功シタノダロウカ。ワカラナイ。
この肉体は?なんで生きているのだろう?どろどろになったからだを見下ろす。
四肢はもげ、内臓はひっくり返って外に出て、血がコーティングしている。
理解が追い付かない。何れ?どこから、間違えた?
「なんでこうなっているのよ?」
声の方向に向かって頭をねじる。目の前には私がいる。
「あ,,,n,,,,た,,,,????」
「私は未来のあんた。正確には違うけど。あんたにその力は早いわ。おとなしくしときなさい。戻しておくから。力は多少使えるようにしておくわ。」
一方的に私から言われた。この感じは本当に私なんだろう。
「それじゃあね」
私がそういうと、全てが巻き戻っていた。
私が全てを使って生命を作ろうとするところまで。
あれはいったい?私とは?
謎が解けないまま、三日が過ぎた。
得られたものは少ないが、少しはましになっただろうか。
そんなことを思いながら、ギルドに向かう。
「何人が来てくれるのかしら」
期待と不安の中、街を歩く。今日は曇り空に切り傷が出来ていた。
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