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騎士団長の館に着きました!
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次の日——。
まだ朝日が登ったばかりの森の中を、カタカタと車輪の軽やかな音を響かせながら豪華な白い四頭建ての馬車が走り抜けていく。
木漏れ日が眩しく光り、白馬車は光を受けてとても美しい。四頭の馬たちの馬具には白く美しい羽飾りがついている。
馬車に乗っているのはユリア・ニキーチェだ。
——どんな生活になるんだろう?
これからヴィクトルの屋敷へ行くのだ。わからないことがいっぱいで心配でたまらない⋯⋯。
——自由な時間はあるのかな? 外出はできるのかな? 魔法学園に通って勉強を続けたいと言ったらわがままだって思われるかな⋯⋯。
ユリアの黒い髪は少し乱れていて、青い瞳は落ち着かずにキョロキョロと馬車の中や窓の外を見回している。着ている服は相変わらずとても質素なものだ。
「これから騎士団長と一緒に暮らすんだ⋯⋯」
そう呟いてすぐに、『一緒に暮らす』という想像に体がカッと熱くなった。急いで自分に言い聞かせる。
「一緒に暮らすとしてもこれは契約結婚なんだから⋯⋯」
本当の夫婦ではないのだ。だけどそれでも、美貌の騎士団長と同じ屋根の下で生活すると思うとすごく緊張する。
——朝にお会いしたら、『おはようございます』と言えばいいのかな? お昼にお会いしたら、『こんにちは』かな? いや、これじゃあ変だよね。だって僕たちは契約とはいえ夫婦なんだから⋯⋯。
『夫婦』という言葉にまた体がカッと熱くなる。
「なんだかすごく暑い朝だ⋯⋯」
急いで馬車の窓を開けた。冷たい朝の風が顔に当たって気持ちがいい。
柔らかい黒髪を風に揺らし、火照った体を冷やしながら、可愛らしい顔で流れていく風景をじっと見つめ、昨夜のことを思い出した。
——きのうは本当に大変だったな⋯⋯。
従兄弟のリドルは、「おまえなんかが騎士団長の嫁になるなんて!」と叫んで家中の物をユリアに投げつけるし、叔母はヒステリックに怒鳴り散らしたのだ。
嫉妬と怒りと驚きで我慢できなかったのだろう⋯⋯。
ユリアは一晩中眠ることもできずに裏階段の隅に隠れていた。
朝日が昇る前にシードロフ家から迎えの馬車がやってきたときは心からホッとした。
でもこうして馬車に乗って騎士団長の屋敷へ向かっている今は、これからどうなるのか想像もつかなくて、とても不安な気持ちになっているのだった。
「とにかく契約書をもらったら、しっかりとよく読まなければ!」
契約書の大切さは身にしみているのだ。
いろんなことをぐるぐると考えているとシードロフ家の屋敷が見えてきた。王家とつながる家柄に相応しく驚くほど壮大な屋敷だ。
白い壁が朝日に眩しく輝いている。屋根の上にはシードロフ家の紋章だろうか、大きく美しい二羽の鷲の像があって、屋敷を見守るように羽を広げている。
「どうしよう⋯⋯、ついに来てしまった」
続く
まだ朝日が登ったばかりの森の中を、カタカタと車輪の軽やかな音を響かせながら豪華な白い四頭建ての馬車が走り抜けていく。
木漏れ日が眩しく光り、白馬車は光を受けてとても美しい。四頭の馬たちの馬具には白く美しい羽飾りがついている。
馬車に乗っているのはユリア・ニキーチェだ。
——どんな生活になるんだろう?
これからヴィクトルの屋敷へ行くのだ。わからないことがいっぱいで心配でたまらない⋯⋯。
——自由な時間はあるのかな? 外出はできるのかな? 魔法学園に通って勉強を続けたいと言ったらわがままだって思われるかな⋯⋯。
ユリアの黒い髪は少し乱れていて、青い瞳は落ち着かずにキョロキョロと馬車の中や窓の外を見回している。着ている服は相変わらずとても質素なものだ。
「これから騎士団長と一緒に暮らすんだ⋯⋯」
そう呟いてすぐに、『一緒に暮らす』という想像に体がカッと熱くなった。急いで自分に言い聞かせる。
「一緒に暮らすとしてもこれは契約結婚なんだから⋯⋯」
本当の夫婦ではないのだ。だけどそれでも、美貌の騎士団長と同じ屋根の下で生活すると思うとすごく緊張する。
——朝にお会いしたら、『おはようございます』と言えばいいのかな? お昼にお会いしたら、『こんにちは』かな? いや、これじゃあ変だよね。だって僕たちは契約とはいえ夫婦なんだから⋯⋯。
『夫婦』という言葉にまた体がカッと熱くなる。
「なんだかすごく暑い朝だ⋯⋯」
急いで馬車の窓を開けた。冷たい朝の風が顔に当たって気持ちがいい。
柔らかい黒髪を風に揺らし、火照った体を冷やしながら、可愛らしい顔で流れていく風景をじっと見つめ、昨夜のことを思い出した。
——きのうは本当に大変だったな⋯⋯。
従兄弟のリドルは、「おまえなんかが騎士団長の嫁になるなんて!」と叫んで家中の物をユリアに投げつけるし、叔母はヒステリックに怒鳴り散らしたのだ。
嫉妬と怒りと驚きで我慢できなかったのだろう⋯⋯。
ユリアは一晩中眠ることもできずに裏階段の隅に隠れていた。
朝日が昇る前にシードロフ家から迎えの馬車がやってきたときは心からホッとした。
でもこうして馬車に乗って騎士団長の屋敷へ向かっている今は、これからどうなるのか想像もつかなくて、とても不安な気持ちになっているのだった。
「とにかく契約書をもらったら、しっかりとよく読まなければ!」
契約書の大切さは身にしみているのだ。
いろんなことをぐるぐると考えているとシードロフ家の屋敷が見えてきた。王家とつながる家柄に相応しく驚くほど壮大な屋敷だ。
白い壁が朝日に眩しく輝いている。屋根の上にはシードロフ家の紋章だろうか、大きく美しい二羽の鷲の像があって、屋敷を見守るように羽を広げている。
「どうしよう⋯⋯、ついに来てしまった」
続く
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