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第二章
運動と衝撃1
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「んで、どこ行くの?」
森の中の小道を、先ほど進んできた方向とは反対側に進みながら、横を歩くディヤイアンに向かって誠二は聞いた。
「王家の別荘だよ。そこまでは半日くらい・・・かなぁ?」
「別荘?」
「姫はそこで眠っているんだよ。」
誠二が頷くと、不意にエクーディアが話しに加わってきた。
「ところで誠二君。剣は使えるか?」
「え?・・・えっと、授業で剣道なら少しやりましたけど・・・?」
「それならば、開けた場所についたら、少し運動をしよう。」
そう言ってエクーディアはにっこりと笑った。
・・・
しばらく進むと森を抜け、草原になった。
右手を見ると、地平線が見えるほど先まで草原が広がっていた。その先は海になっているという。左手を見ると遥か先に山脈があり、その手前に建物の影が見える。ディヤイアン曰く首都のユエプエムだという。前方には、首都よりもだいぶ近くに、山頂付近に雪がかかる山脈があり、その麓には広大な森が広がっていた。
「すっげー。きれー。マユやタクにも見せてやりてーなぁ~。」
景色を見回した誠二は、思わずといったように呟いた。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。」
本当に嬉しそうにディヤイアンが言った。
「あの雪がかかる山脈・・・。」
前方に見える壮大な山脈を指差しながら、ディヤイアンは続けた。
「あの麓に森があるでしょう?その中に大きな湖があってね。
その湖畔に姫がいる別荘があるの。ここからなら、誠二君の足で・・・、半日くらいかなぁ?」
ディヤイアンの言葉に頷きながら、エクーディアは森を指差した。
「まずは森を目指し、森に入ってから場所を見つけて野営をする。」
「野営って、キャンプみたいなの?」
首を傾げた誠二が誰に言うでもなく呟いた。
「これは、遊びではないのだが?」
「わたしたちがいるんだから、そんなに危険じゃないよ。」
ディヤイアンはくすくすと笑いながら、憮然とした顔のエクーディアを見た。
「えーっと・・・。急がなくていいの?休み無しで歩けば、今夜中にそのお城に着けるよね?」
誠二の言葉に、ディヤイアンは苦笑いしながら答えた。
「その気持ちはうれしいけど、誠二君が疲れるでしょ?ただキスしてもらうだけだって言っても、それなりの精神力がいるからね。だから君には、今日はきちんと休んで英気を養ってもらわないとね。」
にこっりと微笑むディヤイアンに、誠二は頷いてから前方に見える森を見つめた。
「でも、少しくらいの運動は必要だよね?エクーディア。」
「では、始めるか。ディヤイアン、剣を出してくれ。」
「はいな。」
ディヤイアンはポーチから一振りの剣を取り出してエクーディアに渡し、近くの木陰にゆっくりと歩いていった。
「誠二君。」
前方の森を見ていた誠二は、エクーディアの言葉に振り向くと突然剣を渡されたので驚いた。
「・・・え?なんっすか?これ?」
見た目よりも軽い細身の剣を両手で掲げ持って、呆然とする誠二をよそに、エクーディアは、自分の左腰に右手を
持っていった。すると、何もなかったはずなのに腰に剣が現れた。
誠二が目を見開くと、彼女は佩いている剣を抜いた。
「エクーディアさんも魔法使えんの?」
「ディヤイアンが説明しなかったか?この世界の人はみな魔法が使える。ただし、今剣を出したのは初歩中の初歩。誰でもできる収納術だ。」
そして、切っ先を上に向け、剣を握った手を軽く額に当ててから、剣を下げ、誠二を見た。
「どこからでもどぞ。」
森の中の小道を、先ほど進んできた方向とは反対側に進みながら、横を歩くディヤイアンに向かって誠二は聞いた。
「王家の別荘だよ。そこまでは半日くらい・・・かなぁ?」
「別荘?」
「姫はそこで眠っているんだよ。」
誠二が頷くと、不意にエクーディアが話しに加わってきた。
「ところで誠二君。剣は使えるか?」
「え?・・・えっと、授業で剣道なら少しやりましたけど・・・?」
「それならば、開けた場所についたら、少し運動をしよう。」
そう言ってエクーディアはにっこりと笑った。
・・・
しばらく進むと森を抜け、草原になった。
右手を見ると、地平線が見えるほど先まで草原が広がっていた。その先は海になっているという。左手を見ると遥か先に山脈があり、その手前に建物の影が見える。ディヤイアン曰く首都のユエプエムだという。前方には、首都よりもだいぶ近くに、山頂付近に雪がかかる山脈があり、その麓には広大な森が広がっていた。
「すっげー。きれー。マユやタクにも見せてやりてーなぁ~。」
景色を見回した誠二は、思わずといったように呟いた。
「そう言ってもらえて嬉しいよ。」
本当に嬉しそうにディヤイアンが言った。
「あの雪がかかる山脈・・・。」
前方に見える壮大な山脈を指差しながら、ディヤイアンは続けた。
「あの麓に森があるでしょう?その中に大きな湖があってね。
その湖畔に姫がいる別荘があるの。ここからなら、誠二君の足で・・・、半日くらいかなぁ?」
ディヤイアンの言葉に頷きながら、エクーディアは森を指差した。
「まずは森を目指し、森に入ってから場所を見つけて野営をする。」
「野営って、キャンプみたいなの?」
首を傾げた誠二が誰に言うでもなく呟いた。
「これは、遊びではないのだが?」
「わたしたちがいるんだから、そんなに危険じゃないよ。」
ディヤイアンはくすくすと笑いながら、憮然とした顔のエクーディアを見た。
「えーっと・・・。急がなくていいの?休み無しで歩けば、今夜中にそのお城に着けるよね?」
誠二の言葉に、ディヤイアンは苦笑いしながら答えた。
「その気持ちはうれしいけど、誠二君が疲れるでしょ?ただキスしてもらうだけだって言っても、それなりの精神力がいるからね。だから君には、今日はきちんと休んで英気を養ってもらわないとね。」
にこっりと微笑むディヤイアンに、誠二は頷いてから前方に見える森を見つめた。
「でも、少しくらいの運動は必要だよね?エクーディア。」
「では、始めるか。ディヤイアン、剣を出してくれ。」
「はいな。」
ディヤイアンはポーチから一振りの剣を取り出してエクーディアに渡し、近くの木陰にゆっくりと歩いていった。
「誠二君。」
前方の森を見ていた誠二は、エクーディアの言葉に振り向くと突然剣を渡されたので驚いた。
「・・・え?なんっすか?これ?」
見た目よりも軽い細身の剣を両手で掲げ持って、呆然とする誠二をよそに、エクーディアは、自分の左腰に右手を
持っていった。すると、何もなかったはずなのに腰に剣が現れた。
誠二が目を見開くと、彼女は佩いている剣を抜いた。
「エクーディアさんも魔法使えんの?」
「ディヤイアンが説明しなかったか?この世界の人はみな魔法が使える。ただし、今剣を出したのは初歩中の初歩。誰でもできる収納術だ。」
そして、切っ先を上に向け、剣を握った手を軽く額に当ててから、剣を下げ、誠二を見た。
「どこからでもどぞ。」
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