天下無双の剣聖王姫 ~辺境の村に追放された王女は剣聖と成る~

作間 直矢 

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シルバ・アリウム、剣聖と成る

四十九話

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 Aブロック準決勝。

 いや、Bブロックの準決勝が引き分けになったからこれが実質の決勝。
 相手は謎の仮面剣士、油断は勿論出来ないが私は負ける気がしなかった。

 だって、ヒースの主である私が、無様に負けるなんて事、許されないんだから。

 ほどなくして、会場の点検と防御結界の確認も終了し、大会は滞りなく再開される。
 
 ヒースとシュバルツが魅せた試合の余韻は凄まじく、ここまでの待ち時間に文句を言う観客は一人もいなかった。


 『―――お待たせ致しましたッッ!!!安全管理の徹底の為、少々お時間頂きましたが
  防御結界は完璧に作動しております!!安心して試合をご覧くださいっ!!』


 実況のアナウンスが入ると、それだけで割れるような歓声が響き、皆の期待が高まる。

 その期待に応えるが如く、会場に姿を現す銀の姫。
 彼女は観客達の声援に手を振って会場中央まで歩き、対戦相手を待つ。


 『さぁッ!!現れたるは我らの姫ッ!!かの剣聖の娘でありこの国の王女様ッ!!
  この試合ではどんな剣を見せてくれるのかッ!?そして、先程の一戦を超える
  試合を我々は見ることが出来るのかッ!?とても期待してしまいますッ!!』


 興奮を隠し切れない様子で実況を続ける“自称”美少女解説者のクロは、声色を高くして次に現れる相手を語る。


 『対する相手はッ!!仮面を被った謎多き剣士ッ!!彼は今大会において、
  その大剣を振るって勝ち進んできました、がッ!!そのポテンシャルは未だ図り知れず、
  この試合でその全貌を見ることが出来るのでしょうかッッ!!??』


 剣技だけで勝ち進んだという事は、魔法も、固有のスキルも発揮させずに純粋な技量だけで圧倒したという事実。

 それは、仮面の剣士が本気を出していない事実でもあり、先の展開も読めない。

 シルバは少しだけ呼吸を整え、決勝となる舞台へ足を踏み入れる。


 「―――おい」

 「……はい?なんでしょうか?」


 突然、仮面の男が声を掛けてきたと思いきや、ぶっきらぼうに言い放つ。


 「本気、出してくれよな?」

 「―――もちろん、そのつもりです」

 「ならいい、じゃなければ意味がねぇからな」


 それだけ言って軽く笑うと、彼は背中の大剣を引き抜いて構える。


 「さぁ、見せてくれ王女様ッ……その実力をッ!!」


 相手の構えに合わせて、魔法剣に魔力を通して刀身を生成する。
 変わらず美しい銀の光は、見る者を圧倒させて燦然と輝く。


 『―――両者の準備が整ったところでッッ!!この大会の事実上の決勝、
  Aブロック最後の試合を開始して参りたいと思いますッ!!
  いいですか?それでは、――――始めッッ!!!!!』


 これを制すれば、真の決勝となる前大会優勝者のゴッツとの決戦が勝ち取れる。
 
 故に、躓いてなんかいられない、ヒースがそうであったように私も自身の信念を、道を切り拓かねばならないのだ。

 目の前の仮面の男が、どんな人間であろうと、どれだけの強者でもあっても、私は、ひたすら前へ突貫あるのみ。

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