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迷いと、後悔
十一話
しおりを挟む「―――シルバ王女様、覚えていますか?
ヒースがレッド王子のプロポーズに乱入した際の出来事を」
「え、えぇ……もちろん」
「あの一戦の前に、貴方様はヒースの容態を見ておられました、
その際に、何か特別な処置を施したなどしましたか?」
「―――確か、手を、握っていた……だけだったと記憶しております」
「……そうですか」
白騎士は一つ、何かを確信するとゆっくりと動いてシルバの前で跪く。
「シルバ王女様……貴方には、剣聖としての天稟もさることながら、
聖女としての能力も備えているかもしれません、どうか……どうか…
我が友をっ……ヒースをっ……救っては頂けないでしょうかっ……!!」
告げられた内容に、シルバは理解が遠のく。
聖女とは程遠い存在だと思っていた自分が、まさかそうであるかもしれない。
剣しか振れず、人を癒す事と無縁である自身が、ヒースを救える可能性がある。
―――希望が、僅かに差し込んだ。
「し、しかしっ……なにゆえ、私が聖女などとっ…?」
「思い返せば、心当たりもあるのでは?
これは推測ですが、ヒースの呪詛を食い止めていた要因は、
シルバ王女様が近くにいた事でもあると思っております」
「近くに、ですか」
「不浄を払う聖女の一部には、存在するだけで能力を発揮する者もいます、
恐らく、シルバ王女様も似たような効果をヒースに発揮していたのでしょう、
近くにいる、手を握るなどの接触がここまでアイツを生かしていたのなら、
この状況にも納得できます」
「そ、それならっ!!」
「はい、儀式を執り行い、呪詛に対する浄化をして頂きたいのです」
見えてきた道筋、可能性。
自身すら把握できていなかった力を、ここで今、使う時が来た。
かつて死神と呼ばれた彼の為に、シルバは禊を捧げ始める―――
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