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迷宮回生編
エンテの町にて
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「ねえ、どうする?」
「どうしましょうか」
今日は、何もない日だ。私、アリスはラビと話していた。仲間は今、彼一人しかいない。
一人は、ここ最近異世界から入ってきた“マンガ”という文化に夢中らしい。彼女は昔から男の子が二人で一緒にいる絵をよく書いていたから、そのうちそういう“マンガ”を描きそうだ。というか、もう書いているらしい。
もう一人は、どこかの町に出かけていった。「戦力の強化のため」といっていた。早く帰ってこないかな。
そのため、二人では何もできずに話しているしかできないのだ。
「ジュンヤくん早く帰ってこないかなぁ」
「君はいつもそれですね」
「だって、しょうがないじゃない。一緒に居たいんだもん」
「あはは……」
そんな風に、他愛もない話をしていた。そんな時だ。
なんとなくいやな予感がしたのは。
「何!?」
「どうしたんですか!?」
「わかんない。……でも、なんとなく、いやな予感がするんだ」
「そうですか。気のせいであればいいですけどね……」
私の予感はよく当たる。これから何かあるのかな……。それとも――
ジュンヤくんに、何かあったのかな。
だったらいやだな。もう、心配させないでよ……!
後でわかったことだが、その日はちょうど、ジュンヤくんがダンジョンの最下層で戦った日だった。
**********
翌朝。私は誰かの悲鳴で目を覚ました。
ぎゃあああああああ!!
いやあああああああ!!
助けてくれ――!!
阿鼻叫喚だった。そこにいたのは悪魔。本物の大悪魔である。
「おい、リリスという娘を出せ!出さねばこの町を滅ぼすぞ!」
私の妹を狙ってここに来たようだ。理由は不明だが。
ハゲ頭に長く大きな角を持つその悪魔は手当たり次第に魔法を撃っている。今のところ人には当たっていないが、それも時間の問題である。
私は、狙われた妹を守るために外に出て行った。
「もう……うるさいなぁ……。何事だい?」
ユウがいた。私もたまらずに悪魔に叫ぶ。
「何なの!? リリスは渡さないよ! 絶対に!」
悪魔は魔法を撃つのを止め、彼らに対峙する。そして……突然表情が固まり、震え始める。
『え?』
数人の声がハモる。恐らくこの場のユウを除く全員は思っただろう。
その理由は、ユウたちの背後にいた、幼女にあった。
「おお、おはよう。ユウじゃないか。それにお姉ちゃんも。どうしたんだ……ん?」
彼女はその狙われていた少女、リリス。ウェービーな金髪に赤い目。そのちっちゃな体からは膨大な魔力と……人間にはわからない、悪魔を屈服させる威圧感が染み出していた。
「来ちゃ駄目だよ! 戻って!」
私の忠告も聞かずに、彼女は悪魔に体を向ける。悪魔は「ヒイィッ」とあからさまに怯える。
「何なんだ? このハゲ」
「君を狙ってきたらしいんだよ。つれてこなきゃ町を壊すぞ~ってこといってた」
「物騒だな。よし、ぶっ飛ばしておくか」
ユウは状況を知らせた。リリスはそれを聞いてから悪魔に近づく。
悪魔の前に立つと、その細い足が光る。そして、そのまま――――
「とんでけー」
悪魔を蹴り飛ばした。それはきれいな放物線を描いて飛んでいった。恐らくこの大陸の外までは飛んでいっただろう。
一同は唖然とした。
……どういうこと……?
「どうしましょうか」
今日は、何もない日だ。私、アリスはラビと話していた。仲間は今、彼一人しかいない。
一人は、ここ最近異世界から入ってきた“マンガ”という文化に夢中らしい。彼女は昔から男の子が二人で一緒にいる絵をよく書いていたから、そのうちそういう“マンガ”を描きそうだ。というか、もう書いているらしい。
もう一人は、どこかの町に出かけていった。「戦力の強化のため」といっていた。早く帰ってこないかな。
そのため、二人では何もできずに話しているしかできないのだ。
「ジュンヤくん早く帰ってこないかなぁ」
「君はいつもそれですね」
「だって、しょうがないじゃない。一緒に居たいんだもん」
「あはは……」
そんな風に、他愛もない話をしていた。そんな時だ。
なんとなくいやな予感がしたのは。
「何!?」
「どうしたんですか!?」
「わかんない。……でも、なんとなく、いやな予感がするんだ」
「そうですか。気のせいであればいいですけどね……」
私の予感はよく当たる。これから何かあるのかな……。それとも――
ジュンヤくんに、何かあったのかな。
だったらいやだな。もう、心配させないでよ……!
後でわかったことだが、その日はちょうど、ジュンヤくんがダンジョンの最下層で戦った日だった。
**********
翌朝。私は誰かの悲鳴で目を覚ました。
ぎゃあああああああ!!
いやあああああああ!!
助けてくれ――!!
阿鼻叫喚だった。そこにいたのは悪魔。本物の大悪魔である。
「おい、リリスという娘を出せ!出さねばこの町を滅ぼすぞ!」
私の妹を狙ってここに来たようだ。理由は不明だが。
ハゲ頭に長く大きな角を持つその悪魔は手当たり次第に魔法を撃っている。今のところ人には当たっていないが、それも時間の問題である。
私は、狙われた妹を守るために外に出て行った。
「もう……うるさいなぁ……。何事だい?」
ユウがいた。私もたまらずに悪魔に叫ぶ。
「何なの!? リリスは渡さないよ! 絶対に!」
悪魔は魔法を撃つのを止め、彼らに対峙する。そして……突然表情が固まり、震え始める。
『え?』
数人の声がハモる。恐らくこの場のユウを除く全員は思っただろう。
その理由は、ユウたちの背後にいた、幼女にあった。
「おお、おはよう。ユウじゃないか。それにお姉ちゃんも。どうしたんだ……ん?」
彼女はその狙われていた少女、リリス。ウェービーな金髪に赤い目。そのちっちゃな体からは膨大な魔力と……人間にはわからない、悪魔を屈服させる威圧感が染み出していた。
「来ちゃ駄目だよ! 戻って!」
私の忠告も聞かずに、彼女は悪魔に体を向ける。悪魔は「ヒイィッ」とあからさまに怯える。
「何なんだ? このハゲ」
「君を狙ってきたらしいんだよ。つれてこなきゃ町を壊すぞ~ってこといってた」
「物騒だな。よし、ぶっ飛ばしておくか」
ユウは状況を知らせた。リリスはそれを聞いてから悪魔に近づく。
悪魔の前に立つと、その細い足が光る。そして、そのまま――――
「とんでけー」
悪魔を蹴り飛ばした。それはきれいな放物線を描いて飛んでいった。恐らくこの大陸の外までは飛んでいっただろう。
一同は唖然とした。
……どういうこと……?
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