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12 神獣の主の話と養女の話
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ギルドに戻るとローランとライラに抱きつかれ、いつもの顔ぶれの冒険者たちやレンにまで心配された。
「あぁ、レイン!!」
「無事でよかったわ!」
私は無事だよつて意味を込めてローランとライラを抱きしめ返した。
「レインが無事でよかった!」
「あの、レンにも心配かけてゴメンね?」
頭をナデナデと優しく撫でてくれたレンの顔は(無事で本当によかった!)みたいな、そんなオーラが身体中から溢れ出てるのが分かる。
すっごい強面だけど、私と距離を開けているが、こちらをチラチラと様子を見てる2人が気になり、首をかしげつつ隅っこに座っている右目に黒い眼帯と腕にたくさんの傷がある強面のマッチョさん。その向いには椅子のそばに大剣を置いている超強面ゴリマッチョさんにも目を向けると、やはりこちらをチラチラと見てる。
だから。
トトトトトッ!
小走りで駆け寄る私を見た彼らは、顔をギョッとこわばらせていた。
「初めまして、私はレインです。
お名前教えてくだしゃい!(ま、またしても言葉を噛んでしまった!)」
カアァァと、顔に熱が上ってくるのが分かり、恥ずかしさのあまり両手で顔を覆った。
「ど、ど、どうしたんだ?
おい、レイブン。
レインは俺らが怖くて目を隠してるんじゃないのか?」
「ああ、そうだろうな。子供は俺らを見ると逃げるしな。
街のちびっ子でさえいまだに近付いて来ねぇもんなぁ」
落ち込む2人を見た私は、固そうな革製の防具を身に着け大剣をテーブルに立てかけている大柄で超強面のゴリマッチョ男性の隣りの椅子に座り、ニコニコと満面の笑顔で話しかけた。
「顔を隠していたのは、言葉を噛んでしまって、その……恥ずかしかったの。
私ね、2人のこと怖くないよ?
だって、声が優しいもん!」
「「……(か、可愛い小動物系のように可愛いじゃねぇか!!)」」
後ろから来たレンが私の隣に座り、2人を見て「レインは俺らを怖がったりしない」と、ぶっきらぼうに話してくれた。
「レン、ありがとう」
「あぁ。
レインの隣にいるゴリマッチョなのがドルバルで、真正面に座っている眼帯の男がレイブンだ」
ドルバルは私の頭をナデナデし、レイブンは自分の頭に片手を置き笑顔で「よろしくな」と一言。
口を開いたドルバルは、私にある質問をして来た。
「なあ、レインはいくつなんだ?
親は……いや、ここで寝泊まりしているのか?」
「「(ゴクリ)」」
ドルバルの質問の内容にレンとレイブンが固唾を呑み、私がどんな言葉を返して来るのかを見守っている。
膝の上に両手を置き(コクリ)と大きく頷き、ギルマスに話した内容と同じ話をした……すると!
「ズズズズゥゥゥッ、両親を……大変だったんだなぁぁぁ!
俺らに出来ることがあれば言えよ?
あと……」
ドルバルの言葉を遮ったレイブンが「何か欲しい物はないか?」と問われた言葉に対して、横に顔を振り「大丈夫だよ」と一言を返すので精一杯だった。
レンにナデナデされていると、ローランが夕食を持って来てくれ、一緒に美味しい夕食を摂った。
夕食のあと、ギルマスに呼ばれた私は、ローランと手を繋ぎ、奥の部屋へ通された。
内容は聞くまでもない、あの3人組の話だ。
「レインはスキルを2つ持っていると言っていたな。
攻撃系ではないと言っていたよな?」
「うん、攻撃は出来ないよ。
出来るのは、新鮮な薬草や美味しい果物、木の実を教えてくれるスキルだよ」
「そうか。それは便利なスキルに感謝だな!」
「うん! (本当のこと言えないから、ゴメンね……ギルマス)」
「それとな、500年前に一度罪を犯した連中のことを、今では物語として語り継がれているが、良い話ではないんだ。
その話をしようと思う」
「はい」
『今から500年前、この世界は神様や女神様より最高神のトップである【神獣】に守られ、平和だった。
が、ある3人組の人間の行動で神獣を怒らせてしまい、この世界から神獣がいなくなった。
それは……。
神獣の大切な主をモンスターや魔物の餌と称して、殺してしまったからだ。
その主が亡くなって悲しんだのは、神獣だけではなかった。
主は人間の男性で、婚約者は獣人。その2人は神獣に認めてもらえた稀有な存在だったが、婚約者を亡くした悲しみに耐えられなくなった獣人の婚約者は自ら命を絶ったのだ。
3人組が犯した罪は許されることではないが、処刑された。
主を亡くした神獣様は本来の力を出すことが出来ず、災害級の魔物に深手を負わされ、この世から神獣様がいなくなったんだ。その後、魔物やモンスターが活発化し、人間を襲うようになった。
神獣様と主は無二の存在であり、親友でもあった。
それが。
【マンティコア】と【主】
この2体がいなくなった現在、世界の調和が乱されている。
神様と女神様だけでは乱された調和を保てない。
それが今であり、現在だ。
ただ、調和を元に戻すだけでは世界を救うことは出来ない。
神獣様に気に入られ、認められた男女が夫婦となったその瞬間に、この世界の調和が保たれる事になっている』
「昔から聞かされた話だ」と言って、パンッと手を叩いたギルマス。
「まあ、神獣様が戻って来ない限り、この世は……このままか、あるいはもっと酷くなり破滅するかだな」
「そうだったんだ。
……3人組……あの3人組じゃないよね?」
「はははははっ!
レインは鋭いな。だが、500年前の話だから違うだろう。
だが、アイツらだけではないが、不審者だと感じたら逃げるか大声を出すんだぞ?」
「うん、分かった。神獣の話を聞かせてくれてありがとう」
ギルマスの長い話が終わると、ローランが私のバックを凝視し、声をかけて来た。
「先程から気になっていたんだけど、そのバックは?
もしかして、今日の採取した物かしら?」
私は(コクコク)とうなずき、リュックから、採取した物を全て出した。
「まあぁぁ、5色キノコがこんなにたくさん。凄いわ!」
「さすがレインだ。
採取に夢中で、倒されたサラマンダーと遭遇してしまったってわけか」
「サラマンダーって大きいんだね。
実物を見たのは初めてで、驚いちゃったよ」
「ははは、俺は一人でサラマンダーを倒したんだからな。
スゲェだろ?」
私は目を大きくし、興奮気味にうなずくと同時にピョンピョンと跳ねた。
「うん。ギルマス凄ぉーい!」
「ふふふ、はーはははっ!
もっと褒めても良いんだぜぇ!」
隣でローランが「はぁーっ」と、溜息をつきながら、ギルマスの英雄譚の訂正をし、眉毛がハの字になっているギルマスの顔が……笑っちゃいけないけど(ププ)笑える。
「……その後ろで私が魔術攻撃、ライラが補助魔法で強化をし、ルイゾンとリュカが一緒に攻撃をしたから倒せたんでしょ?
情報は正確でないと意味がないですからね!!」
おぉー、ギルマスを睨むローランの顔が怖い。
鼻先をカリカリと掻くギルマス。
「まあ、なんだ。そういう事だ!
だが、明日の採取は気をつけるに越したことはないからな。
それとだな……もごもご……」
「ん? 最後なんて言ったの?
もごもごしてて聞き取れなかった」
ギルマスは「ゴホン」と咳払いをし、私に嬉しい言葉をくれた。
「レインに身内はいるのか?」
「……父方の身内のことを話す前に事故で…でも、母方の叔父はいるけど、その叔父家族に私はいらない子で……「どこかで野垂れ死ね」や「魔物に襲われて死ね」と言われ続けて、捨てられました……うぅぅぅ…私は…まだ死にたくないよ……うぅぅ…グス…」
駆け寄り抱きしめてくれたギルマス、凄く暖かくて父様を思い出す。
「俺が、レインの父親になる!
レインを養女にして幸せにしてやる!」
私はギルマスの言葉が凄く嬉しくて「はい」と答えていた、直感だけどギルマスは私を裏切らないって分かるから。
「ギルマス、手続きは大変ですけど、私達は応援しますよ」
そろそろ寝る時間になり、私は「父様」と小さい蚊の鳴くような声だったが、ギルマスとローランには聞こえていたみたい。
「(は、恥ずかしい!)
ギルマス、ローラン、ありがとう。
もう寝るね。
おやすみなさい」
「えぇ、ゆっくり休んでね」
「おう、暖かくして寝るんだぞ」
パタパタパタと走り「みんな、おやすみなさい」と、酒場の冒険者さんに挨拶をし部屋へ戻り、明日の準備をして眠りについた。
「あぁ、レイン!!」
「無事でよかったわ!」
私は無事だよつて意味を込めてローランとライラを抱きしめ返した。
「レインが無事でよかった!」
「あの、レンにも心配かけてゴメンね?」
頭をナデナデと優しく撫でてくれたレンの顔は(無事で本当によかった!)みたいな、そんなオーラが身体中から溢れ出てるのが分かる。
すっごい強面だけど、私と距離を開けているが、こちらをチラチラと様子を見てる2人が気になり、首をかしげつつ隅っこに座っている右目に黒い眼帯と腕にたくさんの傷がある強面のマッチョさん。その向いには椅子のそばに大剣を置いている超強面ゴリマッチョさんにも目を向けると、やはりこちらをチラチラと見てる。
だから。
トトトトトッ!
小走りで駆け寄る私を見た彼らは、顔をギョッとこわばらせていた。
「初めまして、私はレインです。
お名前教えてくだしゃい!(ま、またしても言葉を噛んでしまった!)」
カアァァと、顔に熱が上ってくるのが分かり、恥ずかしさのあまり両手で顔を覆った。
「ど、ど、どうしたんだ?
おい、レイブン。
レインは俺らが怖くて目を隠してるんじゃないのか?」
「ああ、そうだろうな。子供は俺らを見ると逃げるしな。
街のちびっ子でさえいまだに近付いて来ねぇもんなぁ」
落ち込む2人を見た私は、固そうな革製の防具を身に着け大剣をテーブルに立てかけている大柄で超強面のゴリマッチョ男性の隣りの椅子に座り、ニコニコと満面の笑顔で話しかけた。
「顔を隠していたのは、言葉を噛んでしまって、その……恥ずかしかったの。
私ね、2人のこと怖くないよ?
だって、声が優しいもん!」
「「……(か、可愛い小動物系のように可愛いじゃねぇか!!)」」
後ろから来たレンが私の隣に座り、2人を見て「レインは俺らを怖がったりしない」と、ぶっきらぼうに話してくれた。
「レン、ありがとう」
「あぁ。
レインの隣にいるゴリマッチョなのがドルバルで、真正面に座っている眼帯の男がレイブンだ」
ドルバルは私の頭をナデナデし、レイブンは自分の頭に片手を置き笑顔で「よろしくな」と一言。
口を開いたドルバルは、私にある質問をして来た。
「なあ、レインはいくつなんだ?
親は……いや、ここで寝泊まりしているのか?」
「「(ゴクリ)」」
ドルバルの質問の内容にレンとレイブンが固唾を呑み、私がどんな言葉を返して来るのかを見守っている。
膝の上に両手を置き(コクリ)と大きく頷き、ギルマスに話した内容と同じ話をした……すると!
「ズズズズゥゥゥッ、両親を……大変だったんだなぁぁぁ!
俺らに出来ることがあれば言えよ?
あと……」
ドルバルの言葉を遮ったレイブンが「何か欲しい物はないか?」と問われた言葉に対して、横に顔を振り「大丈夫だよ」と一言を返すので精一杯だった。
レンにナデナデされていると、ローランが夕食を持って来てくれ、一緒に美味しい夕食を摂った。
夕食のあと、ギルマスに呼ばれた私は、ローランと手を繋ぎ、奥の部屋へ通された。
内容は聞くまでもない、あの3人組の話だ。
「レインはスキルを2つ持っていると言っていたな。
攻撃系ではないと言っていたよな?」
「うん、攻撃は出来ないよ。
出来るのは、新鮮な薬草や美味しい果物、木の実を教えてくれるスキルだよ」
「そうか。それは便利なスキルに感謝だな!」
「うん! (本当のこと言えないから、ゴメンね……ギルマス)」
「それとな、500年前に一度罪を犯した連中のことを、今では物語として語り継がれているが、良い話ではないんだ。
その話をしようと思う」
「はい」
『今から500年前、この世界は神様や女神様より最高神のトップである【神獣】に守られ、平和だった。
が、ある3人組の人間の行動で神獣を怒らせてしまい、この世界から神獣がいなくなった。
それは……。
神獣の大切な主をモンスターや魔物の餌と称して、殺してしまったからだ。
その主が亡くなって悲しんだのは、神獣だけではなかった。
主は人間の男性で、婚約者は獣人。その2人は神獣に認めてもらえた稀有な存在だったが、婚約者を亡くした悲しみに耐えられなくなった獣人の婚約者は自ら命を絶ったのだ。
3人組が犯した罪は許されることではないが、処刑された。
主を亡くした神獣様は本来の力を出すことが出来ず、災害級の魔物に深手を負わされ、この世から神獣様がいなくなったんだ。その後、魔物やモンスターが活発化し、人間を襲うようになった。
神獣様と主は無二の存在であり、親友でもあった。
それが。
【マンティコア】と【主】
この2体がいなくなった現在、世界の調和が乱されている。
神様と女神様だけでは乱された調和を保てない。
それが今であり、現在だ。
ただ、調和を元に戻すだけでは世界を救うことは出来ない。
神獣様に気に入られ、認められた男女が夫婦となったその瞬間に、この世界の調和が保たれる事になっている』
「昔から聞かされた話だ」と言って、パンッと手を叩いたギルマス。
「まあ、神獣様が戻って来ない限り、この世は……このままか、あるいはもっと酷くなり破滅するかだな」
「そうだったんだ。
……3人組……あの3人組じゃないよね?」
「はははははっ!
レインは鋭いな。だが、500年前の話だから違うだろう。
だが、アイツらだけではないが、不審者だと感じたら逃げるか大声を出すんだぞ?」
「うん、分かった。神獣の話を聞かせてくれてありがとう」
ギルマスの長い話が終わると、ローランが私のバックを凝視し、声をかけて来た。
「先程から気になっていたんだけど、そのバックは?
もしかして、今日の採取した物かしら?」
私は(コクコク)とうなずき、リュックから、採取した物を全て出した。
「まあぁぁ、5色キノコがこんなにたくさん。凄いわ!」
「さすがレインだ。
採取に夢中で、倒されたサラマンダーと遭遇してしまったってわけか」
「サラマンダーって大きいんだね。
実物を見たのは初めてで、驚いちゃったよ」
「ははは、俺は一人でサラマンダーを倒したんだからな。
スゲェだろ?」
私は目を大きくし、興奮気味にうなずくと同時にピョンピョンと跳ねた。
「うん。ギルマス凄ぉーい!」
「ふふふ、はーはははっ!
もっと褒めても良いんだぜぇ!」
隣でローランが「はぁーっ」と、溜息をつきながら、ギルマスの英雄譚の訂正をし、眉毛がハの字になっているギルマスの顔が……笑っちゃいけないけど(ププ)笑える。
「……その後ろで私が魔術攻撃、ライラが補助魔法で強化をし、ルイゾンとリュカが一緒に攻撃をしたから倒せたんでしょ?
情報は正確でないと意味がないですからね!!」
おぉー、ギルマスを睨むローランの顔が怖い。
鼻先をカリカリと掻くギルマス。
「まあ、なんだ。そういう事だ!
だが、明日の採取は気をつけるに越したことはないからな。
それとだな……もごもご……」
「ん? 最後なんて言ったの?
もごもごしてて聞き取れなかった」
ギルマスは「ゴホン」と咳払いをし、私に嬉しい言葉をくれた。
「レインに身内はいるのか?」
「……父方の身内のことを話す前に事故で…でも、母方の叔父はいるけど、その叔父家族に私はいらない子で……「どこかで野垂れ死ね」や「魔物に襲われて死ね」と言われ続けて、捨てられました……うぅぅぅ…私は…まだ死にたくないよ……うぅぅ…グス…」
駆け寄り抱きしめてくれたギルマス、凄く暖かくて父様を思い出す。
「俺が、レインの父親になる!
レインを養女にして幸せにしてやる!」
私はギルマスの言葉が凄く嬉しくて「はい」と答えていた、直感だけどギルマスは私を裏切らないって分かるから。
「ギルマス、手続きは大変ですけど、私達は応援しますよ」
そろそろ寝る時間になり、私は「父様」と小さい蚊の鳴くような声だったが、ギルマスとローランには聞こえていたみたい。
「(は、恥ずかしい!)
ギルマス、ローラン、ありがとう。
もう寝るね。
おやすみなさい」
「えぇ、ゆっくり休んでね」
「おう、暖かくして寝るんだぞ」
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