【完結】貴方は「好き」になったのは俺が先だと言っていたけど、私の方が先だったんだよ?だって【一目惚れ】なんだもの。

桜もふ

文字の大きさ
1 / 4

1 一目惚れ

しおりを挟む
    私は桃山結愛ももやまゆめ多ノ坂学園たのさかがくえんの小等部5学年に通っている。

    この学園は小等部から高等部までのエスカレーター式。

 でも、多ノ坂学園に転入生は珍しく。担任と一緒に教室へ入室した。

 わぁお、サラサラ金髪にアクアブルーな瞳。窓から日がさし、凄く綺麗な目だなぁ。

「転校生のクリストフ君だ、では自己紹介をお願いしようかな」

「はい。奏多かなた・クリストフです。国籍はアメリカ。特技はバスケで、趣味もバスケです。父の仕事の都合上、日本へ来ました。高等部卒業後帰国しますが、仲良くしてもらえると嬉しいです」

    へえーー、アメリカの……奏多かなたってことは日本人とのハーフか。私は彼の話し方もだけど、あの優しそうなアクアブルーの瞳が好きだなぁ。

    んっ、好き?  

 これが一目惚れってやつ?

    そんなことを考えているとクリストフ君と目が合い、微笑まれたのが恥ずかしくて俯いてしまったが、もう一度クリストフ君を見ると、私をずっと見ていた。

「席は……後ろにいる桃山の隣に座ってくれ。桃山、教科書を見せてやってくれ」

    クリストフ君に分かるように「はい」と言って手を挙げ、私の隣の席に座り「よろしくな」と、爽やかな笑顔で言われ「うん、よろしくね」と微笑んで一言返し、担任を見て返事をした。

「私は桃山結愛です。クリストフ君、今日からよろしくね」

 そして改めて、お互いに自己紹介をした。

「ありがとう。桃山さん、僕のことはクリスと呼んでくれ。

 高校まではこの学園に通うから、これからもよろしくね」

 斜め前に座っている親友のナツを見ると、なぜか睨まれていた。

 何で睨むの?  私ナツに何かした覚えはないよ?

 でも、睨んでいたのは気のせいなのかもしれないと思うことにした私は、いつものように午前中を過ごし。

 仲の良い親友のナツのところへ行ったが、いつもなら一緒にお昼を食べていたのに、今日に限って断られてしまった。

 気付けば放課後になり。先生に呼ばれていた私は、奏多君と職員室へ行くと「桃山は帰宅部だからな」という理由で学園案内を押し付けられることに……。

 ナツと話したかったけど、学園案内は必要なことだし。

 世間話や美味しいカフェに人気の雑貨屋さんの場所を話しながら、学園の全てを案内したあと、途中まで一緒に帰った。

 私の恋は今日この時から始まった。




 ルンルン気分で教室に入り、挨拶をしたが。

「おはよう」

「…………」

    なぜか、誰も挨拶を返してくれなかった。

    それどころか、クラス全員から睨まれ。ヒソヒソ話をされスルー状態。

 私何かしたっけ?

    自分の席に座り、何度考えても分からないし、何かした覚えもない。
    
    昨日は私の隣の席にクリス君が座って、一緒に教科書を見て、帰宅部の私が学園の案内を先生に頼まれたくらい……。

 もしかしてと思い、クラスの女子を見ると私を睨んだり、ヒソヒソしたりしていることに気付き、その中に親友のナツがいてショックだった。

雪野奈々ゆきのななちゃんの彼氏と手を繋いだって聞いたんだけど?  

 その彼氏がクリストフ君で、昨日から付き合ってるって言ってた!

 人の彼氏に手を出してんじゃないわよ!!」

 怒声でまくし立ててきたナツ。

「手なんて出てないし繋いでもないよ!  

 そんなのただの噂でしょう?  

 親友の言葉を信じてよ!  

 噂話なんて信じないで!」

    私はナツの心にぶつけるかのように言葉を投げたが、私の言葉は届かなかった。

    この日から私はイジメの対象者にされ。

 奈々ちゃんがみんなに『彼氏に言い寄る最低女』『彼に抱きつこうとした』『別れさせようと企んでる』と嘘を言い回り、靴の中に画鋲を入れられたり、砂を入れられたり。文房具をゴミ箱に捨てられ、ノートには誹謗中傷でいっぱいだった。

「……うぅぅっ……。

    何で…私が……虐められなきゃいけないの?

    手なんて繋いでいないのに……うぅっ……」

    誰もいない教室で泣いていると、いつ来たのか分からないが、クリス君が私の肩にポンっと手を置き、話を聞いてくれたが。

 自分の汗を拭いたであろう汗臭いタオルで、涙を拭いてくれた優しいクリス君。

    でも……。

「クリス君、なんか汗臭いよ」

「我慢しろって、拭くものがコレしかないんだよ。

 全くは泣き虫なんだな」



   翌日の朝。

 私は女子トイレに連れて行かれ、バケツに入っている水を頭から勢いよくかけられ。ホウキとチリトリで体中を叩かれ。

    こんな毎日が2年も続き。

    私の心は限界だった。

    また何かされる。殴られると思い目をギュッと閉じ、痛みに備えていたが……痛みではなく、怒鳴り声が聞こえた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白い結婚は無理でした(涙)

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。 明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。 白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。 小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。 現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。 どうぞよろしくお願いいたします。

好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。

石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。 すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。 なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。

女避けの為の婚約なので卒業したら穏やかに婚約破棄される予定です

くじら
恋愛
「俺の…婚約者のフリをしてくれないか」 身分や肩書きだけで何人もの男性に声を掛ける留学生から逃れる為、彼は私に恋人のふりをしてほしいと言う。 期間は卒業まで。 彼のことが気になっていたので快諾したものの、別れの時は近づいて…。

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

義父の借金でやくざに売られそうになりましたが、幼馴染みの若衆頭が助けてくれました。

克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。

旦那は離婚したい

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

クラスで一番人気者の女子が構ってくるのだが、そろそろ僕がコミュ障だとわかってもらいたい

みずがめ
恋愛
学生にとって、席替えはいつだって大イベントである。 それはカースト最下位のぼっちである鈴本克巳も同じことであった。せめて穏やかな学生生活をを求める克巳は陽キャグループに囲まれないようにと願っていた。 願いが届いたのか、克巳は窓際の後ろから二番目の席を獲得する。しかし喜んでいたのも束の間、彼の後ろの席にはクラスで一番の人気者の女子、篠原渚が座っていた。 スクールカーストでの格差がありすぎる二人。席が近いとはいえ、関わることはあまりないのだろうと思われていたのだが、渚の方から克巳にしょっちゅう話しかけてくるのであった。 ぼっち男子×のほほん女子のほのぼのラブコメです。 ※あっきコタロウさんのフリーイラストを使用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

処理中です...