2 / 4
2 家族とはなに?
しおりを挟む
声の主はまさかの彼だった。
「オマエら最低だな。前までは仲良しの友達だったんだろ?
……桃山さん、行こう」
「うん」
後ろからの視線が凄く痛くて振り向けなかった。
私と奏多君は一緒にいることが多くなり、私がイジメや一人にならないように接してくれていたが、ずっと一緒とはいかず。
一人になると……ほら、やっぱり来た。
「ねえ、いつまで私の彼氏を独占してるのよ! このブス!!」
「そうよ! この最低デブス女!!
奏多が優しいからって、その優しさを利用するんじゃないわよ!!」
ぱぁーーん!!
乾いた音と頬が焼けるような熱い痛み。私叩かれたの? 私のことを憎たらしそうに睨んでいる。
「やだっ! なにこの女、汚物の臭いがするんですけどぉ! お前はトイレの便器と仲良くしてれば良いんだよ!!」
ゲラゲラと不気味な笑みとともに私を突き飛ばし、トイレの床の上に転んだ。
「うわっ、汚~い。トイレに寝る女なんて初めて見たんですけど!」
「ギャハハハハッ、これでもくらえ!!」
バシャーーン!!
「きゃっ…………」
ポタポタと頭から水が流れ。バケツの水をかけられたんだと認識するのに時間がかかってしまった。
女子集団がトイレから去ってから私は、一室のトイレの中で放課後になるまで静かに待った。
放課後まで待つと濡れていた制服も乾いていた。
誰もいない教室へ鞄を取りに行き、逃げるかのように走って帰宅し。部屋に閉じこもり、翌日の学園を休むようになった。
ドンドンドンッ!
「ここの鍵を開けなさい! 昨日休んで今日も休むつもりなの! 学費を出してるのは私なんだから行きなさい。イジメられてるなんて嘘までついて、お前みたいな子はうちの子ではないわ! 明日行かなかったら家から出て行ってもらうからね!!」
ガンッ!!
母は言うだけ言ってドアを蹴りあげリビングに戻って行った。周りが静かになり、少しだけホッとした安心感があった。
家族って何の為にあるんだろう?
一人だけ除け者にして何の得があるの?
私は嘘なんてついたこと一度もないのに、分かってくれない親なんていらない、姉である私をさげずむ弟と妹なんていらない。
家族なんていらない。私は一人で生きて行くと決めた!
翌日の朝。ある人が尋ねて来た。
「結愛! 俺と学校に行こうぜ!!」
窓を開けると、奏多が手を振って待っていた。
急いで準備をし、走るように玄関を出ようとしたが母と妹に阻止されたが、奏多が守るようにして間に入った。
「結愛は学園で酷いイジメを受けています。あなた方はそれを信じてない。
……本当に結愛の家族ですか?
家族なら助け合うのが普通ですよね。今一度家族で考えて下さい!
結愛行こう」
「……うん……奏多、ありがとう」
奏多から手を繋ぎゆっくりと学園ではなくて公園に向かった。なんで公園なんだろう?
チラッと様子を伺うと、奏多の表情は般若の如く怖い顔になっている。
ベンチに座り、両肩を掴まれ。
「俺が部活の間、酷いイジメを受けていたよな? 俺に言ってくれよ。
……ごめん、結愛をせめてるんじゃないんだ」
「奏多は悪くないよ。心が弱い私が、言い返せないのがいけないんだよ」
私は立ち上がり「学園に行こう」と自分から言い。奏多と手を繋いで、遅れて登校した。
「オマエら最低だな。前までは仲良しの友達だったんだろ?
……桃山さん、行こう」
「うん」
後ろからの視線が凄く痛くて振り向けなかった。
私と奏多君は一緒にいることが多くなり、私がイジメや一人にならないように接してくれていたが、ずっと一緒とはいかず。
一人になると……ほら、やっぱり来た。
「ねえ、いつまで私の彼氏を独占してるのよ! このブス!!」
「そうよ! この最低デブス女!!
奏多が優しいからって、その優しさを利用するんじゃないわよ!!」
ぱぁーーん!!
乾いた音と頬が焼けるような熱い痛み。私叩かれたの? 私のことを憎たらしそうに睨んでいる。
「やだっ! なにこの女、汚物の臭いがするんですけどぉ! お前はトイレの便器と仲良くしてれば良いんだよ!!」
ゲラゲラと不気味な笑みとともに私を突き飛ばし、トイレの床の上に転んだ。
「うわっ、汚~い。トイレに寝る女なんて初めて見たんですけど!」
「ギャハハハハッ、これでもくらえ!!」
バシャーーン!!
「きゃっ…………」
ポタポタと頭から水が流れ。バケツの水をかけられたんだと認識するのに時間がかかってしまった。
女子集団がトイレから去ってから私は、一室のトイレの中で放課後になるまで静かに待った。
放課後まで待つと濡れていた制服も乾いていた。
誰もいない教室へ鞄を取りに行き、逃げるかのように走って帰宅し。部屋に閉じこもり、翌日の学園を休むようになった。
ドンドンドンッ!
「ここの鍵を開けなさい! 昨日休んで今日も休むつもりなの! 学費を出してるのは私なんだから行きなさい。イジメられてるなんて嘘までついて、お前みたいな子はうちの子ではないわ! 明日行かなかったら家から出て行ってもらうからね!!」
ガンッ!!
母は言うだけ言ってドアを蹴りあげリビングに戻って行った。周りが静かになり、少しだけホッとした安心感があった。
家族って何の為にあるんだろう?
一人だけ除け者にして何の得があるの?
私は嘘なんてついたこと一度もないのに、分かってくれない親なんていらない、姉である私をさげずむ弟と妹なんていらない。
家族なんていらない。私は一人で生きて行くと決めた!
翌日の朝。ある人が尋ねて来た。
「結愛! 俺と学校に行こうぜ!!」
窓を開けると、奏多が手を振って待っていた。
急いで準備をし、走るように玄関を出ようとしたが母と妹に阻止されたが、奏多が守るようにして間に入った。
「結愛は学園で酷いイジメを受けています。あなた方はそれを信じてない。
……本当に結愛の家族ですか?
家族なら助け合うのが普通ですよね。今一度家族で考えて下さい!
結愛行こう」
「……うん……奏多、ありがとう」
奏多から手を繋ぎゆっくりと学園ではなくて公園に向かった。なんで公園なんだろう?
チラッと様子を伺うと、奏多の表情は般若の如く怖い顔になっている。
ベンチに座り、両肩を掴まれ。
「俺が部活の間、酷いイジメを受けていたよな? 俺に言ってくれよ。
……ごめん、結愛をせめてるんじゃないんだ」
「奏多は悪くないよ。心が弱い私が、言い返せないのがいけないんだよ」
私は立ち上がり「学園に行こう」と自分から言い。奏多と手を繋いで、遅れて登校した。
0
あなたにおすすめの小説
好きな男子と付き合えるなら罰ゲームの嘘告白だって嬉しいです。なのにネタばらしどころか、遠恋なんて嫌だ、結婚してくれと泣かれて困惑しています。
石河 翠
恋愛
ずっと好きだったクラスメイトに告白された、高校2年生の山本めぐみ。罰ゲームによる嘘告白だったが、それを承知の上で、彼女は告白にOKを出した。好きなひとと付き合えるなら、嘘告白でも幸せだと考えたからだ。
すぐにフラれて笑いものにされると思っていたが、失恋するどころか大切にされる毎日。ところがある日、めぐみが海外に引っ越すと勘違いした相手が、別れたくない、どうか結婚してくれと突然泣きついてきて……。
なんだかんだ今の関係を最大限楽しんでいる、意外と図太いヒロインと、くそ真面目なせいで盛大に空振りしてしまっている残念イケメンなヒーローの恋物語。ハッピーエンドです。
この作品は、他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりhimawariinさまの作品をお借りしております。
【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました
雨宮羽那
恋愛
結婚して5年。リディアは悩んでいた。
夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。
ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。
どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。
そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。
すると、あら不思議。
いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。
「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」
(誰ですかあなた)
◇◇◇◇
※全3話。
※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜
わんこ系婚約者の大誤算
甘寧
恋愛
女にだらしないワンコ系婚約者と、そんな婚約者を傍で優しく見守る主人公のディアナ。
そんなある日…
「婚約破棄して他の男と婚約!?」
そんな噂が飛び交い、優男の婚約者が豹変。冷たい眼差しで愛する人を見つめ、嫉妬し執着する。
その姿にディアナはゾクゾクしながら頬を染める。
小型犬から猛犬へ矯正完了!?
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
隣人の幼馴染にご飯を作るのは今日で終わり
鳥花風星
恋愛
高校二年生のひよりは、隣の家に住む幼馴染の高校三年生の蒼に片思いをしていた。蒼の両親が海外出張でいないため、ひよりは蒼のために毎日ご飯を作りに来ている。
でも、蒼とひよりにはもう一人、みさ姉という大学生の幼馴染がいた。蒼が好きなのはみさ姉だと思い、身を引くためにひよりはもうご飯を作りにこないと伝えるが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる