木瓜

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綺麗な花には棘がある

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「ってか、何で、『私へ向ける視線から』なの?その理屈からすれば、あなたへだって、好意的な感情を、あの子は持っているはずだけど」

くろかは、あざみと仲良くする役割を、私に任せようとしているようだが、それはなにも、私じゃなくても良いはずだ。

「ああ、それは、あなたが特別だからよ」

「は?どういう事」

「あの子にとって、あなたは特別なの。多分、茉莉ちゃんって子に、似ている所があるんじゃないかしら。後は、秋乃に、ああいう子を惹きつける何かがあるとか」

「私に?」

「ええ。私も、少し分かるもの。そういう気持ち」

訳が分からない。

くろかは、私よりも、今回の状況が良く見えているみたいだが。

「私には、分からないよ」
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