木瓜

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綺麗な花には棘がある

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「どこ、まで」

そう言うあざみの表情は、酷く傷ついていた。

まるで、知られたくない事を、知られたくない人に、知られたかのような。

「君の、学校での状況。それと、一年生の終わりごろに、君の身に起こった事も」

どうにかして、あざみを傷つけないような言葉を探したが、結局、ありのままを口にする。

―だから、私にこういう役割は向いてないんだよ。

本来、こういう繊細な問題を取り扱うのは、くろかの役割だ。

自分の不甲斐なさが、心底腹立たしい。

「そうですか。全部、聞いちゃったんですか…」

あざみは、何かを諦めたかのように笑った。

「秋乃さんには、知られたくなかったのになぁ」

「…美咲ちゃんに聞いたのは、私だよ。あの子は、最後まで、君の事を心配していて、話すことを躊躇っていた」

私は、そんなあざみに対して、何とか言葉を尽くそうと試みる。
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