木瓜

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綺麗な花には棘がある

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 淡々と、でも、震える声で話すあざみを、私は、唯、ひたすらに、見つめている事しか出来なかった。

彼女が話し終わった今でも、その内容の残酷さに、かけるべき言葉を、見つけられない。

大体の事は、美咲から聞いていたとは言え、当事者から聞く言葉は、音としては同じでも、持つ意味の、重さが違う。

「…お母さんは、そいつの話を、信じたの?」

「はい、あっさりと」

あざみが、笑う。

その笑顔は、とても虚しく、痛々しくて、見ていられない。

「お母さんが、あの人と二人きりにするのを避けていたのも、私を守るためじゃなくて、私が、あの人を奪う事を、恐れていたからだそうです」

そんな訳ないのにね、と、あざみが小さく呟いた。

やっぱり、父親も大概だが、母親も充分、いかれてる。

「その事が、理由は分かりませんが、近所に知れ渡っちゃったみたいで。それ以降、学校では、いじめられ、家では、悪者として、扱われました」

「…くそが」

やるせない、怒りの感情が、思わず口に出てしまった。

そんな私を見て、あざみが小さく笑う。
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