クリスマス・トールテイル

冬目マコト

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ジョー・マガラックとサンタさん

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こん話はホーキー・ロッグウッドていう廃工場の清掃員をしていた人の話なんですけどね。

クリスマスが近いころかの有名なサンタクロースは子供たちのプレゼントを妖精たちと共に作っていましたが、
運悪くこの時の妖精たちにスペイン風邪が流行って配る分の半分もできずに妖精たちは寝込んでしまったんだ。サンタクロースはほとほと困り果ててしまいました。この年のプレゼントの流行は機関車のおもちゃで鉄製の作りが細かい奴でなもちろんサンタ独りじゃとても間に合わない一日に2個3個作るのが精いっぱいでした。サンタクロースもへとへとになり、材料も少なくなっていました。それを見ていた奥さんのマリア夫人は心配してひと眠りすることを提案しました。サンタクロースを体力の限界だったので椅子に座るとそのまま寝てしまいました。すると不思議な夢を見たんです。そこはペンシルバニア州ピッツバーグで寂れた工場が山のように立っていました。サンタクロースはそこをとぼとぼ歩き、しばらくするとひときわ大きい工場があり。鉄もふんだんにありました。サンタクロースはそれを見て現実の事を思い出し。「ああ、早く起きて仕事をしないと・・・」そうサンタクロースが呟くと・・・「仕事っ!?」と大きな声が聞こえました。すると工場の炉という炉に火が付きベルトコンベアが動き出し鉄が溶け炎と煙がゴンゴンとあがり。その炉の中から大きな男が飛び出してきました。「そこな老人!今!仕事と言ったべかな!!」
この男はかの有名なジョー・マガラック(アメリカの民間英雄の一人で社畜の鑑のような人物、一人で29人分の仕事を24時間365日働き続けられる能力を持っている。)でした。
サンタクロースは動揺しながらもこれも夢だと洗いざらい身に起こった不幸を話しました。するとジョーはニカっと笑い「ご安心なされや、ご老人!そのようなこつ私にはへでもねえこったで」 ジョー・マガラックはそういってサンタクロースを待合室に座らせると一人コツコツと機関車のおもちゃを作り始めました。彼の体は鉄かそれ以上の硬い金属でできているので溶けた鉄をそのままねんどのようにこねくり回し精巧な機関車のおもちゃを作り出していきました。そして気付いた時にはおもちゃの山が工場一杯になり「これで本日のノルマ達成だ!久しぶりに仕事が出来て楽しかったでな、ご老人」ジョー・マガラックがそう言ってニカっと笑うとサンタクロースはハッと目を覚ましました。「ああそうか・・・夢だったな」サンタクロースはガクッと気落ちしていると、マリア夫人が怒って飛び込んできました。「あなた!寝てなさいって言ったのに仕事してたんですね!」サンタクロースは何のことかわからずにボーとしていると「とぼけるんじゃありません!裏のおもちゃ工場が機関車のおもちゃでいっぱいですよ!」「なに!」サンタは飛び起きておもちゃ工場に行くと、それは確かに夢で見たおもちゃの山と同じでした。サンタはこの奇跡を泣いて喜び「あれは夢じゃなかったんだ!ありがとう。ジョー・マガラック!メリークリスマス」と天を仰いで祈りました。「どういたしまして。メリークリスマス」と天から声が聞こえた気がしました。こうしてこの年のクリスマスは無事成功を納めたということです。

もしあなたが夢の中で大きい工場で炉の明かりを見たならば、それはジョー・マガラックがサンタクロースの注文で鉄製のおもちゃを作っている合図かもしれませんよ。
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