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第4話 転移者
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街を歩いている。
狩りも一段落して暇な時間だ。
しかし見れば見るほど思っていた異世界とは違う。
近未来的な建物といい、並ぶ店といい、大きな違和感は感じない。
日本でもちょっと時が経てば有り得る程度に発展した街並みという感じだ。
目覚めた時に部屋にあった初めて見た機械や道具も見た目に違いこそあるが使い方を知れば日本にあった物と変わらなかった。
そしてケータイだ。こっちの世界にも携帯電話は存在した。
いや異世界に電話が存在した時点で十分に驚愕したけども。
俺がいた2002年の日本でもケータイは日常の中で必須アイテムとなっていた。
しかしこの世界のケータイは…薄い。
そして画面がでかい。ボタンは無くて指を当てると反応して文字が打てる。
スマートフォンというらしい。
俺がいた頃の日本にもこれがあれば色々と便利だったろうなぁ。
20年経った今、日本はどこまで発展していることやら。
ま、知る術もないけど。
などと考えながら歩いていると路地裏から女性の怒鳴り声と男の声が聞こえてきた。
少女とガタイのいい男が言い争っている。
「道を聞いただけでしょ!なんでお礼に相手しろって話になるのよ!」
「困ってたから親切してやったんだろ?少しくらい遊んでくれてもいいじゃねぇか」
でかい図体で欲望丸出しで恥ずかしくないのか、男は年齢が自分の半分以下であろう少女に迫っている。
めんどくさい。頭の中に浮かぶのはそんな言葉だ。
少女もなんであんなガラの悪そうな男に声をかけたのか。
道くらいもっと相手を選んで聞けばいいものを。
…とはいえ、見てしまった。気づいてしまった。
からには状況的に『助ける』が正解か。
感情は伴わないものの、いつも状況に適した判断をしてしまう。
前の善人の塊のような仮の魂の名残がそうさせるのか。
いや以前の俺もそんな感じだったか。
男が少女の肩をガシッと掴み、無理やり連れていこうとした。
助けに向かおうとした瞬間、俺の足は止まった。
なぜなら…男が宙を舞ったからだ。
少女は男の腕を軽く捻り、そのまま巨体をぶん投げた。
地面に叩きつけられた男は泡を吹き動かない。
気を失ったようだ。
少女は男の様子を一瞬うかがい、俺に気づいた。
「助けようとしてくれたの?大丈夫大丈夫!このくらいの奴なら。あたし強いから」
「あぁ、そうだろうな。無事で何よりだ。それじゃ俺はこれで」
少女に背を向け、その場を去ろうとしたその時、明るく大きな声が呼び止めた。
「待ってよ!あなたが案内して?どっか泊まるところ。カプセルホテル的なとこでもいいよ?」
カプセル…ホテル?
何となく元いた世界っぽい言葉に少女を改めてまじまじと見た。
見覚えのある服、日本のブレザーか?
俺が知っている日本の女子高生そのものの格好だ。
こっちの世界にも学校はあるがこんな制服は存在しない。
私服にしてもこんなデザインはない。
どうしても気になったので少女に尋ねてみた。
「君、もしかして日本から来たのか?」
俺の言葉を聞いた少女の表情が変わった。
ズイッと俺に迫ってくると俺より10センチほど低いところから見上げて
「日本!?今日本って言った?あなた日本人なの?」と問い詰めるように言った。
「俺は日本人というか、元というか。で、やっぱり君は日本人なんだな?」
すると少し顔が綻んだ彼女は
「日本人よ、日本のJK!よかった、やっと話せる人に会えた」
安心したのか彼女の口からは溢れ出るようにこれまでの経緯が語られた。
少女の名前が安楽城朱華(あらがきしゅか)、日本の東京の女子高生だということ。
歩道に突っ込んできた車に跳ねられて気がついたらどこぞの山中にいたこと。
そこから1週間さ迷ってこの街に辿り着いたこと。
数人の人に日本から来たことを言ってみたがキョトンとされたこと、やっと話を聞いてくれたと思ったら連れ去ろうとしてきた男のこと。
…待てよ?山中、あの山にはそれなりの危険生物が沢山いるはずだが。
「なぁ、山の中を歩いて来たんだよな?鬣のある熊みたいなやつとか、でかいトカゲみたいなやつとか色々出くわさなかったか?ちょっと格闘ができる程度の女子高生が到底敵うわけないんだけど」
すると朱華は少し苦笑いして「あぁ」と言うと辺りを見回して、ふと上に目をやると大きく息を吸ってしゃがみこむとダンッと地面を蹴って高く跳んだ。
8階建てのビルの屋上にストンと降りてこちらに手を振るとニヤッと笑ってみせた。
なるほど。彼女は異能、超人的な力を持ってこの世界に迷い込んだ異世界転移者というわけか。
狩りも一段落して暇な時間だ。
しかし見れば見るほど思っていた異世界とは違う。
近未来的な建物といい、並ぶ店といい、大きな違和感は感じない。
日本でもちょっと時が経てば有り得る程度に発展した街並みという感じだ。
目覚めた時に部屋にあった初めて見た機械や道具も見た目に違いこそあるが使い方を知れば日本にあった物と変わらなかった。
そしてケータイだ。こっちの世界にも携帯電話は存在した。
いや異世界に電話が存在した時点で十分に驚愕したけども。
俺がいた2002年の日本でもケータイは日常の中で必須アイテムとなっていた。
しかしこの世界のケータイは…薄い。
そして画面がでかい。ボタンは無くて指を当てると反応して文字が打てる。
スマートフォンというらしい。
俺がいた頃の日本にもこれがあれば色々と便利だったろうなぁ。
20年経った今、日本はどこまで発展していることやら。
ま、知る術もないけど。
などと考えながら歩いていると路地裏から女性の怒鳴り声と男の声が聞こえてきた。
少女とガタイのいい男が言い争っている。
「道を聞いただけでしょ!なんでお礼に相手しろって話になるのよ!」
「困ってたから親切してやったんだろ?少しくらい遊んでくれてもいいじゃねぇか」
でかい図体で欲望丸出しで恥ずかしくないのか、男は年齢が自分の半分以下であろう少女に迫っている。
めんどくさい。頭の中に浮かぶのはそんな言葉だ。
少女もなんであんなガラの悪そうな男に声をかけたのか。
道くらいもっと相手を選んで聞けばいいものを。
…とはいえ、見てしまった。気づいてしまった。
からには状況的に『助ける』が正解か。
感情は伴わないものの、いつも状況に適した判断をしてしまう。
前の善人の塊のような仮の魂の名残がそうさせるのか。
いや以前の俺もそんな感じだったか。
男が少女の肩をガシッと掴み、無理やり連れていこうとした。
助けに向かおうとした瞬間、俺の足は止まった。
なぜなら…男が宙を舞ったからだ。
少女は男の腕を軽く捻り、そのまま巨体をぶん投げた。
地面に叩きつけられた男は泡を吹き動かない。
気を失ったようだ。
少女は男の様子を一瞬うかがい、俺に気づいた。
「助けようとしてくれたの?大丈夫大丈夫!このくらいの奴なら。あたし強いから」
「あぁ、そうだろうな。無事で何よりだ。それじゃ俺はこれで」
少女に背を向け、その場を去ろうとしたその時、明るく大きな声が呼び止めた。
「待ってよ!あなたが案内して?どっか泊まるところ。カプセルホテル的なとこでもいいよ?」
カプセル…ホテル?
何となく元いた世界っぽい言葉に少女を改めてまじまじと見た。
見覚えのある服、日本のブレザーか?
俺が知っている日本の女子高生そのものの格好だ。
こっちの世界にも学校はあるがこんな制服は存在しない。
私服にしてもこんなデザインはない。
どうしても気になったので少女に尋ねてみた。
「君、もしかして日本から来たのか?」
俺の言葉を聞いた少女の表情が変わった。
ズイッと俺に迫ってくると俺より10センチほど低いところから見上げて
「日本!?今日本って言った?あなた日本人なの?」と問い詰めるように言った。
「俺は日本人というか、元というか。で、やっぱり君は日本人なんだな?」
すると少し顔が綻んだ彼女は
「日本人よ、日本のJK!よかった、やっと話せる人に会えた」
安心したのか彼女の口からは溢れ出るようにこれまでの経緯が語られた。
少女の名前が安楽城朱華(あらがきしゅか)、日本の東京の女子高生だということ。
歩道に突っ込んできた車に跳ねられて気がついたらどこぞの山中にいたこと。
そこから1週間さ迷ってこの街に辿り着いたこと。
数人の人に日本から来たことを言ってみたがキョトンとされたこと、やっと話を聞いてくれたと思ったら連れ去ろうとしてきた男のこと。
…待てよ?山中、あの山にはそれなりの危険生物が沢山いるはずだが。
「なぁ、山の中を歩いて来たんだよな?鬣のある熊みたいなやつとか、でかいトカゲみたいなやつとか色々出くわさなかったか?ちょっと格闘ができる程度の女子高生が到底敵うわけないんだけど」
すると朱華は少し苦笑いして「あぁ」と言うと辺りを見回して、ふと上に目をやると大きく息を吸ってしゃがみこむとダンッと地面を蹴って高く跳んだ。
8階建てのビルの屋上にストンと降りてこちらに手を振るとニヤッと笑ってみせた。
なるほど。彼女は異能、超人的な力を持ってこの世界に迷い込んだ異世界転移者というわけか。
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