2030年未来の旅

しんたろう

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1章新世界より

航海日誌3

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船は西に進んでいた。風がきつくなる中、浩一は磁石でオーストラリアを目指していた。浩一は船員に

「おい、後どのくらいだ」
「この方角だとオーストラリアには1週間後着ける、だが問題はこの天気だ」
「どうゆう事だ」
「嵐が来る」

その予想どうりふけてくるにつれ、波が高くなり嵐が船を襲った」
大波の中、

「全員デッキから船室に移動しろ」
「風~凄い嵐だな」

船室で祐介と浩一は語り合う。

「オーストラリアに着いたらどうするんだ?」
「それはまだ決めてないよ、長旅だがいろいろと好きな事をするさ」

長旅の疲れか祐介達は嵐で揺れる船内の寝室で早めに眠った。
次の朝は嵐もふけていて、浩一は海図をめくり、棒で今いる所を指して、船員と話をしていて、

「この海域が一番危ない。今からこの海域を通る」

「この航路はオーストラリアには早く着くが他の海賊達がいるな、オーストラリア州クイーンズランドの沿岸警備船がいる航路の方がいいんじゃないか?」
「いや、今で行く」

船が進んでいると、別の3隻の船が近ずいてきた。浩一はデッキに出ると双眼鏡で船を確認する。

「まいったな・・・やっぱり別の航路の方がよかったかな」

やはり3隻の船は海賊船だった。

船員は「停止しますか?船長?」
「無視して通らせてもらえ」

だがそうはいかなかった。海賊船は止まらないと発砲するといった。
船員が

「船長、いざこざが嫌なのはわかりますが、止まって様子をみましょう」
「わかった」

祐介達が乗る船が止まると、3隻の船から一人ずつ海賊たちが乗り移ってきた。
厄介な川田の連中だ。
祐介が、

「あいつらは?」
「川田の連中だ、ここら一体はあいつらの縄張りだ」

一人の大柄な体格をした片目の男が祐介達の船に乗り移って仲間に、

「船の荷物を運び出せ~」と言った。
それを聞くと浩一は、「おい、やめろ」
「ここは俺たちの縄張りだぜ」

浩一は祐介を指さして、

「実はオーストラリアに行きたいだけなんだ」
「へえ~浩一、ここを通りたいってそうはいかないぜ、ここは俺たちのシマだおまえらじゃないぜ」
「あの男と女がオーストラリア旅行したいらしくてな、今金もらって乗せてやってる最中なんだよ、海賊の同業者のよしみで通らせてくれね~かな」

浩一は川田を船室に案内すると事情を語り出した。

「南アメリカから来た旅行者を乗せていっているだけなんだ」

船室は鯨油のランプが灯った薄暗い船室で、

川田はフォークで船室のフルーツを刺して食べ終わると後ろ向きに立って、

「あの二人を連れて来いよ」と言った。
「おいおい勘弁してくれよ、俺達も商売なんだよ」
「いいからつれてこいよ」

祐介達は船室に呼ばれて、「旅行者です」と告げる。
「浩一に金を払ってオーストラリアに連れていってくれるように頼んだ」

それを聞くと川田は考えた後、仲間の船員に、

「金をしぼれそうだ」とこそこそと告げる、そして祐介の頭に小型の安楽死銃を突き付けて、
「持っている金を出せ、出さないとお前らをここで皆殺しだ」と言い、
「2人を捕らえろ」っと言って、祐介達2人を捕らえてデッキに連れて行った。
祐介達2人はデッキに連れていかれ、

「金は殺していただくぜ。こいつらを殺す」と川田は言った。

「沿岸警備の連中にこいつらが密告すると厄介だ、こっこは俺たちのシマだ殺して海の藻屑にしてしまえ」

祐介達は甲板で引きずり出され、祐介に川田は安楽死銃を向けて撃とうとした、
だがそれを見ていた浩一は隠していたもう一つの銃で川田を撃って、

「全員戦闘配置に着け!船を追い払え!全速全進突っ切るぞ!」

浩一の仲間たちはそれを聞くと全員雄たけびをあげて川田の部下達と戦闘態勢に入った。10分間の死闘の末、敵はたじろいだ、だが浩一に、

「おい、止まれ」

と後ろから声がかかった。危機を感じたか浩一は手を上げた。
勢いが失せたのを川田の仲間が見て、

「おとなしく降参しないと命はないぞ」と言った。

最後をさとった浩一だったが、
次の瞬間、船体が大きく揺れた。

「何だ?」

その時、浩一の放った安楽死銃の銃弾がその仲間を撃った、海に転落する海賊の一人、その時、黒い影が水面を覆って、落ちた一人の体を食いちぎった。

「エルゴだ!」

エルゴの体当たりに川田の海賊船1隻の小さいほうの船は横倒しになり、多くの川田の部下がエルゴの巨大な口の餌食となった。

「全速!逃げ切るぞ!」

浩一は叫び、祐介達を乗せた船は全速で海賊船を振り切って、海域の脱出に成功した。
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