マスターブルー~完全版~

しんたろう

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その1か月後、新聞局のティムのデスクに上司から1通の仕事の知らせが届いた。上司はティムに言った。
「ウティオに物資や補給物資をオーシアから送るため、オーシアの第7航空師団と海軍がベルカ領のアルディア運河を超えて、ウスティオに向けて、物資を補給するため補給を内緒で通過するようだ。
その海軍に同行取材をしてほしいのだが・・・。
「オーシア軍の取材?」
「激戦のウスティオ軍の希望だ。この作戦がうまくいき、ウスティオ軍がアルディア運河を押さえれれば、味方の国際間の物資ルートウスティオはこの戦いに勝利できるかもしれない」
「わかりました」
「苦しい戦いだが、記者達にも頑張ってもらいたい。アルディアの取材により、戦争の現状がわかれば、国際間の味方も動いてくれると思う」
上司はそう言った。

7月14日

ティムは空母ケストレルの中にいた。
かつて不沈空母と言われるこの船はアルディアの海輸ルートを確保するため、オーシア海軍最高と言われた戦果艦ケストレルをこの作戦に導入されていた。
甲板では多くの整備兵がせわしなく動き回っていた。
ティムは一人一人を多く写真に残していて、
この艦の艦長アンダーセン艦長も写真に収めたその一人だった。
アンダーセン艦長と話すと、艦長はこの艦の事を少し嬉しそうに語っていた。
「ケストレルはかつてオーシア海軍、最高の艦だった。ユークトバニア戦の頃は存分に活躍したものです。その頃の私はこの艦のまだ若い兵だった。艦長にはよく怒鳴られ、こきつかわれたものです。今でもよく覚えていますよ。ですが、今は最新式の艦が多く海軍で出て、もうこの艦も時代遅れだと海軍の上層部に揶揄されまして、こんな海上輸送の任に回されるのは、少し寂しい思いです」
ティムは動画に様々なこの艦の歴史を記録していた。
ティムは作戦室に入ろうとした所、海軍の兵に、
「作戦はもれては困る。たとえ従軍記者であっても、部外者は作戦室には困る」と言われ、入室を阻まれた。
多くのカモメがたくさん飛ぶ中、
アンダーセン艦長とティムは甲板で話していた。
ティムは言った、
「この作戦、うまくいくでしょうか?」
「オーシア軍はベルカ並みの国。ベルカもオーシアが出てくれば、
この戦いに慎重にならざるえないでしょう。
国際間の批判はあっても、ベルカは大国でオーシアも直接、開戦には完全否定しています。ただオーシア軍の支援があれば、ウスティオ軍も持ちこたえれる。なんとか厳しい戦いですが、ウスティオ軍には頑張ってほしいものですな」
そんな中、ケストレルを含めた駆逐艦4隻は北に向かっていた。
アルディア運河が近ずいてきた。
兵士達に緊張がはしる。
北のアルディア運河、運河は広い海域から狭い運河で、通過している船は他にはいない。アルディア運河にさしかかろうとした時、
ベルカの船では船長が、
「進路を変更してください」
船長は言う。
そこの海軍士官が元にきて、
「攻撃に移るべきです」
「何を言っているんだ」
「攻撃すべきです」
「内戦中だがそれはできない」
その時の海軍士官が放ったピストルの1発の銃弾により、船長は倒れた。
海軍士官はピストルを上着にしまった後、5隻に、
「船長のかわりに命令する、ただちに攻撃態勢に移れ、
「しかし」
士官は続ける。
「攻撃を開始する」

ベルカ海軍5隻が進路を阻んだ。

警告 軍船が運河を通過する場合は侵略者とみなす

「情報がベルカに感ずかれたかな・・・」
作戦室にいた将兵が緊張した面持ちでレーダーを見つめる。

警告 それよりの侵入は許可しない 運河の通航は認めない航行をやめないと発砲する

アンダーセン艦長は緊張した面持ちで
「作戦が失敗した場合は、反撃できない。全滅か・・・。上の意向なら仕方ないな」
そう言ったより、すぐ敵艦のミサイルが駆逐艦3隻とケストレルに襲いかかった。
「ミサイル着弾!右舷浸水!」
ケストレルにミサイルの数発の嵐が襲いかかった。
普通の艦ならすぐ沈んでいるだろうが、さすがのケストレルもミサイルの嵐により、耐えられるクラスを超え、艦は傾いた。
「火災発生!」
アンダーセン艦長は大声で指示を下す。
「発艦急げ!乗務員を全員避難させろ!」
「はい!」海兵が叫ぶ。
ティムは乗組員達と一緒に急いで避難ボートに退避する。
やっと全員がボートに退避した頃、艦は大きく傾いていた。
アンダーセン艦長を含め、全員がボートに退避した頃、ティムは艦長と同じボートだった。
「ケストレルが沈みます・・・」艦を見つめながら寂しそうにティムは言った。
海兵全員が轟音と激しい煙とともに艦は傾き、沈みゆく巨大な歴戦の戦果艦に敬礼をしていた。
アンダーセン艦長はボートに乗り、
「この作戦ルートは確保できず失敗に終わったが、オーシア軍が武器輸送で味方してくれるならウスティオに希望はある・・・」と言った。

その翌日、ベルカの官邸に連絡が入った。

「エルデラン首相が今夜、お亡くなりになったとゆう事です・・・」

官邸はざわめきが起こっていた。
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