マスターブルー~完全版~

しんたろう

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エルデランの悲報は、ディレクタスの反政府軍の兵士達をふるいたたせた。
今年で25になる青年兵は、こじらせた風邪で咳をしながら、
ディレクタスの周りに焼夷弾をしかけていた。
ディレクタスは激戦で、反政府軍は南で激戦を繰り広げていた。
軍の第5師団だった彼。銃声が響き、敵の戦車の砲火につれ地面が地震のように動いた。
青年兵は、仲間の一人とコンクリートの影で、缶詰を食べて、敵の動きを本部に連絡する。
青年兵は、銃を肌身離さず持っていて、体と銃を結んでいる紐を2重にしていた。
市街に機関銃の音が響いている中、青年兵は、ベルカ軍の戦車のいる市街を避けて、
仲間と左から近づいていた。
「ここから、戦車隊に近づけるだろう」青年兵は言った。
その中、仲間が、「少し、静かにしろ」と言う。
鐘の音が聞こえる。ディレクタスの鐘の音だ。
それは、敵、味方関係なく、ウスティオの兵士達を感動させた。
「もう少しだ。あとひといきでベルカ軍をこの地から撤退させてやる」
「ベルカ軍を首都から開放して、ディレクタスの鐘の音を聴こう」仲間達は口々にそう言った。
仲間が、起爆装置を起動させ、轟音に包まれる。
9月、反政府軍は、ディレクタスをベルカ軍から解放した。
ベルカ国旗が燃やされ、市民兵にベルカの捕虜が捕まっていた。
青年兵は、本部に、「我々、5師団は、ディレクタスを解放した。
くりかえす、解放した」本部からは、歓声が起こった。
ディレクタスにウスティオ国旗がたなびいた。ウスティオの聖堂から、自由の鐘は鳴り響いた。
「鐘の音が聞こえる」そう子供達は遊びをやめ、耳をかたむけた。
ディレクタスの廃墟に、鐘の音とともに、市民達の勝利の歓声が聞こえた。
多くの兵がそのしらせを聞いて、廃墟のビルから広場に出てきた。
「戦いは終わったのか」
「町は開放された」司令部の声が届く。
ティムは疲れた表情でこの声を聞く。司令官は冷静に「負傷者の数は?」と答えた。
瓦礫の山のディレクタスのビルの溝にベルカ軍の戦車が体の半分が落ちていて、車輪が溝に落ちている。
その戦車は数人の子供の遊び場に使われていた。子供達の隠れ家になっている。
ディレクタスの4つ大通りの中心は広い広場になっていて、そこだけは廃墟になっていない。
兵士達は銃を片手にディレクタスの中心部に集まってくる。
広場には多くの市民が集まっていて、戦争や別の話しを多くしていた。
町は、普段は銃声がうるさく聞こえていたのが、人々の騒ぎで満ちている。
知らせを聞いたか、ディレクタスの解放に、たがいに喜びあう。市民の一人が国旗を掲げ、たなびかせた。
人だかりがますます増えていった。

その1か月後、新聞局のティムのデスクに上司から1通の仕事の知らせが届いた。上司はティムに言った。
「ウティオ内戦は終わった、在ベルカ戦に物資や補給物資をオーシアから送るため、オーシアの第7航空師団を在ベルカ戦に投入できるため海軍がベルカ領のアルディア運河を超えて、ウスティオに向けて、物資を補給するため補給を内緒で通過するようだ。
その海軍に同行取材をしてほしいのだが・・・。
「オーシア軍の取材?」
「激戦のウスティオ軍の希望だ。この作戦がうまくいき、ウスティオ軍がアルディア運河を押さえれれば、味方の国際間の物資ルートウスティオはこの戦いに勝利できるかもしれない」
同僚がティムに話す。
「オーシア軍の取材は初めてだね」
「オーシアが反政府の作戦の支援をしてくれるのか」
「ああ。いい時代になってきたね」
「勝てるかもしれない」
ティムは言った。
「オーシアは今回のウスティオ内戦の反政府に支援に積極的だ。
国際意見で反ベルカが多いようだ」同僚が言う。
「本のエピソードにいれるなら文句ないだろう」上司は言った。
「わかりました」
「苦しい戦いだが、記者達にも頑張ってもらいたい。アルディアの取材により、戦争の現状がわかれば、国際間の味方も動いてくれると思う」
上司はそう言った。
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