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アポロ18号

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オタク仕草

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俺はてっきり、誠心誠意尽くせなんて言われたからマネージャーという名のパシリになると思っていた。
実際、マネージャーをパシリのように使う芸能人を何人も見た事がある。
好きな飲み物を間違えて買ったら怒鳴られていたり。
どうやらそういう訳ではなさそうだった。
「家事なんですけど、俺一通り出来るのでやりますね。料理も拘っているところ教えていただければ美容に良いメニューで作ります」
俺がそう言うとキョトンとした。
「分担で良いだろ」
「ええ、駄目ですよ!俺がいるのに、そんな事させるわけには」
「?だってお前も俺と同じスケジュールなんだから疲れるだろ?だから分担で良いじゃん」
なんと俺の疲労の心配をしてくれていた。
ベッドのくだりもそうだった。
もしかして、口が悪くて態度が悪いだけで根は良い人?
「なんだよ」
「深月さん、顔だけじゃなくて性格まで優しいんですね」
「はぁ?」
「だって俺の疲労を心配してくれるなんて。俺やっぱり深月さん推してて良かったですし、マネージャーになれたのも嬉しいです」
俺は少し感激したのだ。
「お前気持ち悪い」
やっぱり傍若無人のオラオラ男には違いなかった。

今日、明日は深月さんはオフだった。
明日は俺の日用品の買い出しも付き合ってくれるらしい。
人気モデルをそんな簡単に歩かせる訳に行かないが、まぁ1人だと大変なのは正直あるし甘えることにした。
推しとの買い物デートなわけだし。
今日は深月さんが作ったご飯を食べて寝るだけだが、オタクの俺にとっては大イベントだ。
でもマネージャーとして切り替えなければいけない。けどまぁ今はプライベートだしいっか。
ただ深月さんの前で取り乱したりオタク仕草は辞めようと思った。
「ご馳走様です。深月さんご飯美味しかったです。俺後片付けしちゃうんで、お風呂入ってください」
推しが作るご飯は格別に美味しかった。
1口食べる度に泣きそうになったが、我慢した。
「あ、ああ。どうも」
そして何より顔が好きだ。
顔が好みなら大抵の事は許せる、と言うがその通りだと思う。
この顔を前にして傍若無人のオラオラ男なんて対した事でもない。
悪魔だなんだと揶揄したのは、想像と違ったからであって。

お風呂上がりの推しは刺激が強かった。
濡れた髪、滴る雫、流石に俺を警戒してか服は着ていたが。
パジャマ、キャラクターものなんだ可愛い。
そしてそのパジャマはファンがあげたものだった。
ファンがあげたものちゃんと使ってるんだ。
「お前も入れよ、なんで目抑えてんの」
「なんでもないです」
眩しくて目が熔けそうで抑えていますなんて言えるわけが無い。
ていうかお風呂上がりだからすっぴんだよなとふと思う。
深月さんは、イケメンと言うより美人だった。かと言って女性的な顔かと言われるとそういう訳では無い。
メイクしている時は、モデルだなぁと思うけどすっぴんは少し幼く見える。
「深月さんの前でオタク仕草はやめようと思って…不安に思われたくないですし、俺キモイので。ちゃんとマネージャーとして仕事するんで!」
「いや今プライベートなんだからいいよ別に。仕事ちゃんとしてくれんだったら」
「良いんですか!?俺めちゃくちゃキモイですけど」
「もうキモイの分かってるから今更だろ」
それもそうだ。
でもオタク仕草を我慢しなくて良いなら正直助かる。
推しを目の前にして、抑えられる人なんていないから。
「すっぴんも麗しいです」
俺が深月さんに手を合わせて拝むと、呆れていた。
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