熱愛報道はご勘弁

アポロ18号

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傍若無人

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「お前、俺のファンと言っていたが何がどう好きなわけ?」
推しの裏の顔を見てしまったとは言え、推しを降りるほどではない。
寧ろもうご褒美なのかもしれない。
マネージャーにならなければ俺は推しの怒った顔も見れなかったのだから。
そして俺のどこが好きなの?なんてオタクとしては最高の質問までされるわけなのだから。
「顔です!」
俺は元気よく答えた。
その返答に絢瀬深月は頭を抱える。
「はぁ、まぁいいか。寧ろそれならこれから俺のために誠心誠意尽くせ」


推しが傍若無人のオラオラ男でした。
オタクとしては新たな一面と捉えるべきかもしれない。
そんな推しとの共同生活が始まる。
「俺なんて呼んだらいいですか?オタクの時は呼び捨てで深月って呼んでたんですが」
「当たり前にさん付けだろうが!お前年下だろ!」
そんなこんなで、俺は深月さんの住むマンションに同居させてもらう事になった。
推しの住居まで知れてしまうマネージャーと言う職業には感謝しかない。
数年前の俺には信じられないことだ。
まさか推しと同居して、推しのマネージャーになってるなんて。
そしてその推しは悪魔のような人だということも。
深月さんが住むタワマンは、他にも芸能人が住んでいるらしい。
それならセキュリティ的には安心だ。

深月さんの部屋は綺麗に整頓されていた。
悪魔のような人だから部屋が汚いのかと思っていた。
そして意外にも自炊をしっかりする人だった。
冷蔵庫には作り置きがまとめてある。
「自炊とかするんですね」
「当たり前だろ。モデルなんだから、見た目が衰えるような食生活なんかしてられねえだろ」
至極真っ当な意見だ。
仕事に誠実な推しありがたい。
「誰かと暮らす想定で選んだ部屋じゃないから、お前の服とかは俺のクローゼット開けてやるからそこ使え」
「ありがとうございます」
「あと、寝る場所も来客用の布団とか無いから俺のベッド使ってもいい。キングサイズだから」
「え、え、良いんですか?俺ソファでも寝れますよ」
「はぁ?ソファなんかで寝たら体凝るだろ。高級ベッドだから」
なんと、俺は推しと一緒に寝れることになった。
これが所謂成功したオタクだ。
「あ、お前俺の顔が好きとか言ったよな?手出したら殺す」
俺の知る絢瀬深月は殺すなんて絶対言わないのに。
推しとの同居イベントに喜べばいいのか、悪魔のような本性の推しに悲しめばいいのか感情が忙しい。
「大丈夫ですよ、俺リア恋オタクじゃないので。深月さんの顔は大好きですけど恋愛感情とは別物です。それにマネージャーなので流石にそこは弁えますよ」
そう、俺は別にリア恋オタクでは無い。
顔が好きなだけで、付き合いたいとか結婚したいとかそう言った感情は一切無い。多分。

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