熱愛報道はご勘弁

アポロ18号

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初めて

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昨日のキスは練習でした、では通用しない。
あぁ明日クビになるだろうな、せっかく心を開いてくれてたのに。
色々考えることに疲れて俺は気づいたら眠ってしまっていた。

なんとなく違和感がある。
なんか誰かが乗っているような感覚がして、目が覚めた。
深月さんがいつものように俺に抱きつく形で寝ていた。
深月さんの家のソファは大きいので大人の男2人が寝転べるスペースはある。
俺は昨日、また約束を破ったからソファで寝ると言ったのになんで深月さんがソファに?
「ちょ、深月さん!なんでソファで寝てるんですか!?そんな寝相悪いことあります?」
寝ている深月さんを叩き起す。
「ん?あー、おはよ」
寝ぼけ眼で深月さんが起き上がる。
いつも深月さんの方が先に起きているので、寝起きを見たことがない。
寝起きも綺麗だな、なんて。
そんな事思っている場合ではない。
「おはよじゃないですよ!俺、約束を破ったからソファで寝るって言いましたよね?なんで一緒に寝てるんですか?」
「良いだろ、俺がどこで寝ようと!」
いや良くない。
「俺、深月さんに手を出したんですよ、これじゃもうガチ恋オタクと変わらないですよもうクビにでもなんでもしてください」
「なんでそんなしょげるのにあんな事したんだよ…その、練習の時も聞こうと思ったけど、な、なんでキスしたの」
「俺はどうやらガチ恋オタクだったみたいで、深月さんの初めてのキスが刈谷なんて嫌だったんです。それなら俺がって」
「じゃあ昨日のはなんだったんだよ」
「そ、それは、深月さんは仕事ならファンである俺のキスまで受け入れちゃうんだって思うと腹立って、それって誰でも仕事なら受け入れるって事ですよね!?それに、俺が演技の練習で、好きでもない相手にそんな事するわけないでしょ。それも分かってなかったし」
「だってお前が練習って言うから…」
「あんたどんだけ仕事バカなんですか?!練習で、演技で、あんな風に出来るわけないじゃないですか」
「な、仕事バカって…俺だって別に仕事だからって練習で誰でもキスする訳じゃねーよ!」
「え?」

「そ、それって俺相手は嫌じゃなかったって事ですか?」
「し、知らねえよ」
「ちゃんと答えてください」
「お前こそ、ガチ恋オタクじゃないってあんなに否定してたのに」
「それは…でも推しが27年間純潔で仕事バカで、なのに初めての相手が悪い噂のある男かもしれなくて、俺に弱みを見せてくれるとか知ったらオタクはそりゃそうなりますよ」
ガチ恋オタクなんてのも言い訳だ。
オタクやファンなんて言葉で言い訳が通る思いではないことはとっくに自覚している。
でもまだオタクだから、という言い訳は使わせてもらう。
「それより、嫌じゃなかったんですか?こうなったら俺は深月さんが隣にいるだけでまたキスしてしまいますよ。あなたの一番危惧していた状況じゃないんですか」
「べ、別にもう好きにしろ。それに勝手に俺の初めてを奪っといてクビにしてくださいは無責任だろ」
深月さんは中々大胆なことを言う。
それは責任とってくださいということか?
「はい、では責任持ってガチ恋オタクさせていただきます」
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