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おまけ
ふたりで一緒に寝る話 後編
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◆◆◆
結局、最後は自分たち次第なんだよな……
その晩、美波は風呂から上がると、洗面台に写る自分の姿を 凝視していた。
「あっ、これは…… 」
美波は鏡の中のパジャマ姿に驚くと、思わず自分の姿を二度見する。
ちょっと待って、これって情緒が微塵もないよね? もしかして そもそも論だけど、私って圧倒的に色気がない? というより、もっとネグリジェみたいなやつに変えるとか、見た目から入った方がいいのかな?
美波は本来の主旨から逸脱した悩みで頭をいっぱいにすると、とぼとぼと居間へと戻る。正臣と自分は 本来はまだまだ婚約者という間柄なのに、すでに家族でもあるから、どんなに気まずくても日々の生活は滞ることがないのが悔しいところだ。
「正臣、お風呂お先に 」
「ああ。わかった。もう今晩は遅いから、美波は先に寝てていいよ 」
「うん 」
美波はいつもと変わらぬ正臣を見送ると、作り置きの胡瓜茶を口にする。
「…… 」
やっぱり、正臣は自分のテリトリーは守りたいのかな? その割には、正臣って居間にいることが多いけど。
美波は髪も乾かさずに部屋に戻ると、飛び込むようにベッドへと倒れ込んでいた。
私が部屋を片付ければ、全てが丸く収まる。今はそれでいいじゃない。
美波はぎゅっと目を瞑ると、無意識に生活音に正臣の痕跡を探していた。
遠くの方で、お風呂場で桶を動かす音が響いている。まだ一回しか見たことはないし、殆ど直視はしてないけど、この音の向こうで正臣が裸でシャワーを浴びている。普段は意識しないようにしているけど、薄い壁の向こうで いつも正臣があの寝顔を浮かべているかと思うと変な感じがするし、何だか 急に恥ずかしくなってしまう。
私はもしかして、やっぱり正臣のことが知りたいのかな?
美波はおもむろにベッドから這い上がると、次に気付いたときには 正臣の部屋のドアに手を掛けていた。
ごめん、正臣…… 先に謝ります!!
美波は心の中で詫びをいれると、電気も付けずに部屋の中に侵入する。忍び足で恐る恐る歩を進めると、月明かりを頼りにデスクの辺りを見渡していた。
この部屋には、多分 数えるくらいしか入ったことがない。それが従者に対して主人が取るべき最低限のマナーだと思っていた。
でも、いまは違う。もう形だけの主従関係は終わったし、この場所は、自分が好きな人が過ごしている部屋に過ぎないのだ。
「相変わらず殺風景な部屋だな。机と本棚とベッドしかない 」
美波はキョロキョロと机に散乱している本を凝視する。ノートパソコンと乱雑に積み上げられた資料の背表紙には、美波には理解できないようなお堅い内容が並んでいた。
何だか、私って本当に子ども染みている。
よくよく考えたら年の差だって十歳はあるわけだし、これでは正臣に相手にされなくても仕方がない。
そろそろ正臣もお風呂から上がるだろうし、余計な詮索をするのは止めておこう。
「ん……? 」
美波が踵を返そうとしたとき、ふとベッドスタンドに伏せられた写真立てが目に止まった。木彫りのフレームは、この殺風景な部屋では明らかに異質な存在にも感じられる。
「これって、なんだろう? 」
勝手に部屋に入っておいて今更だけど、美波は写真を見ていいものか躊躇していた。もし女の人とのツーショットだったらどうしようと思うけど、この期に及んでそれはないと信じたい。
美波は今一度深呼吸をすると、勢い良く写真立てを手に取った。
「えっ、これはもしかして…… 」
フォトフレームの中には、美波が知らない正臣の姿があった。これって、まだ子どもの頃の正臣だよね。幼さの具合からして、だいたい小学生くらいかな? それに写真の背景は、正臣の実家の前の前だろうか。一緒に写っているのは、まだ若いけど 多分おじ様とおば様だ。でも正臣が抱っこしている赤ちゃんは一体誰なのだろう?
……写真の中の正臣が、何だか悲しい目をしてる気がした。
やっぱり自分は正臣に気を遣わせている。家族との写真を堂々と部屋に飾っていないのは、きっと高取一家にに配慮してのものだ。いくら形骸化していたとは言え、今まで重ねてきた主従関係が簡単に変わることなどあり得ないのだ。
ガタン!!!
「あっ? 」
美波は写真を戻そうとしたときだった。
いきなりドアが開く音がして、美波は思わず驚愕する。美波は部屋を物色することに夢中になり過ぎていて、正臣の気配に全く気付いていなかったのだ。
「美波? 」
「あっ、正臣 」
「人の部屋で、勝手に何をしてるんだ? 」
「いや、えっと…… 」
美波は咄嗟に後退すると、手にしていた写真立てを背後に回していた。
「美波? お前、背中に何を隠したんだ? 」
「あっ、これはその…… 」
「…… 」
正臣は無言で美波に近付くと、力業でフォトフレームを没収する。正臣としては、美波が写真立てを持っていたのは意外なことのようだった。
「おい、どうしてこんなものを持ってたんだ? それに何で人の部屋に不法侵入してるんだよ 」
「それは…… 」
美波は視線を逸らしてモジモジすると、何とか言い訳を模索する。でもそんなことが直ぐに思い付くほど、いまの美波に余裕はなかった。
「で、何でこんなことをしてるんだよ。今まで俺の部屋に無断で入ったことなんて、殆どないだろ? 」
「別に…… 理由なんてない。ただ、本当に私で良かったのかなって思っちゃったの 」
「はあ? 」
「だからっッ、正臣は私と結婚するので良かったのかなって思ったの 」
「ハイっっ? 」
正臣は あまりに飛躍した美波の主張に、言葉が繋がらないようだった。
「正臣が私のことを大切に思ってくれてるのは分かってるの。でもその私を慕ってくれてる感情は、私を ちゃんと育てなきゃならないっていう 凄まじい義務感から、愛情と恋愛感情を錯覚してるんじゃないかって思っちゃったの。ごめんなさい 」
「…… 」
「じゃあ何でパーソナルスペースを割るようなことをしたんだ」と正臣は問いただしてやりたかったが、いまの美波は少しばかり感情が混乱しているらしい。正臣はグッと言葉を飲み込むと、ハアと溜め息を付いていた。
「まあ、美波の指摘は否定は出来ないな。確かに愛情と恋愛感情の境目は、いまの俺には良く分からないし 」
「そう。やっぱりね…… 」
「ただ美波への恋愛感情を正確に表現するなら、義務感から来るものではないな。どちらかと言えば独占欲って感じかも 」
「えっ? 」
「ほら。最近 お前が人魚にちょっかいを出されたり、俺が狐太郎に悪戯されたりとか、色々とあっただろ?
それまで必死に気付かない振りをしてたんだけどさ、お前のことは、絶対に他の奴にやりたくないなって思っちまったんだよ。
だからこうなった一番の原因は、俺が美波をずっと独占したいと思ってしまった邪な感情が悪化した結果だ 」
「独占欲? 」
「そうだよ。独占欲というか所有欲というか。でも それは美波だって同じだろ? 」
「違っ、私は…… 」
「お前さ、俺がお前の従者をやってきたことに、ずっと負い目を感じてるんだろ 」
「それは…… だって私に気を遣わせないように、家族写真すらひっそり眺めていたんでしょ。
思春期だって私の面倒をみるために放課後もなかったし、正臣には自由だってなかったもん。いくら習わしっていったって、そんなの普通に考えたらイヤに決まってる 」
「……別に写真を伏せていたことに、深い意味はないよ。それにその写真を引っ張り出してきたのは、最近の話だから 」
「えっ? 」
「俺さ、カメラを向けられるのが苦手なんだよ。だから帰省しても写真を殆ど撮らなくて、あんまり家族写真がなくてさ。
それは美波が生まれたときに、河童の里に印を彫りに来たときに撮った写真。俺が抱いているのが赤子の頃のお前で、手元にはそれくらいしか集合写真がないんだよ。
ただでさえ年に数回しか会わないのに、親たちには写真も残さないで悪いことをしたなって、今更になって少し後悔してたんだ。それに最近は、お前を嫁に出す前に、もっと美波とも写真を撮っておけば良かったって思ったよ。
高取の家に入ったときは俺は十歳だったし、当時は従者をやらされることに、心のどこかで反発もあったんだ。自分の環境が恵まれてることに気付いたのは、大学に入ってからだったよ。旦那様と奥さまは院まで全額学費を出してくれたし、普通に仕事して、自由にもさせてもらってる。そもそも里を出てなければ進学もしてなかっただろうから 」
「…… 」
「オイオイ、そんな顔をするなよ 」
「でも 」
「……確かに、従者になったのは成り行きだけどな。でも俺は自分の伴侶は自分で決めたからな 」
「えっ? あっ 」
正臣はいきなり美波を抱えると、二人してベッドへと雪崩れ込む。それはまるで子どものようなじゃれ合いで、不思議と懐かしい気持ちになった。
「俺がずっと一番欲しかったものは手に入ったよ。多分だけど、確実に俺の人生の運の半分以上は使っちまったな 」
「正臣? 」
「つーか、お前はやっぱり軽いな。夜中に潰したらごめん 」
正臣はそう言うと、ベッドの布団を剥いで、美波を枕元に誘導する。そして美波に覆い被さると、ぎゅーっと力一杯抱き締めたのだ。
「正臣っ!? ちょっ、これってどういうことっッ? 」
「どういうことって、寝室を一緒にするって話だろ? さすがに二人でシングルだと狭いな。明日、もう少し大きいベッドを探しに行くか 」
「……!? 」
「美波、その、大丈夫か? 」
「……大丈夫じゃない。ぜんぜん大丈夫じゃないっッ 」
美波は茹でダコみたいに顔を真っ赤にすると、いまにも湯気を吹き出しそうな表情で沸騰しかけている。そんな美波を見た正臣は軽く吹き出すと、笑いながらこう話を続けた。
「あのな、別に取って食ったりなんかしないよ 」
「分かってるってば。ただちょっと恥ずかしかっただけ 」
「あはは。いつも我が儘なお姫様が しゅんとしてると面白いな 」
「もう 」
美波は むぎゅっと頬を膨らませると、正臣の首筋に手を回す。そしてそのまま状態を起こすと、正臣の耳元に唇を寄せた。
「んっ? ちょっ、美波? 」
「正臣、一瞬だけ目を瞑ってくれない? 」
「えっ? 何で? 」
「いいから、ちょっと目を瞑って 」
「はあ? 」
正臣は怪訝な表情を浮かべると、致し方なく瞳を閉じる。そして次の瞬間、首元の鱗がなぞられたと思ったら、立て続けに こう美波に耳打ちされたのだ。
「正臣…… 私、たまには取って食われてもいいよ 」
「……!? 」
正臣は吃驚して目を見開くと、思わず息を飲んでいた。心臓がバクンバクンと鳴っている。正臣にとって美波の言葉の内容はかなり大胆ではあったが、もっと衝撃的だったのは、初めて耳にした美波の声色の艶やかさだった。
「ったく、お前さ、一体どこで そんな挑発的な態度を覚えたんだ? 」
「別にそういうつもりじゃ…… って、んんっ 」
正臣はまるで説教をするように、美波に口付けをする。そして今度は仕返しとばかりに、美波の頤を掴むと 耳元でこう囁いた。
「他の男の前で、絶対にそんな顔をするなよ。お前の初めては全部 俺のものだ。それに言っとくけど、俺は相当 頑張って踏み止まってるんだからな 」
「えっ? あっ…… 」
二人は勢い良くシングルベッドに倒れ込むと、ひしめき合いながら互いの鼓動の早さを共有していた。
正臣は無言のまま優しく美波の髪を撫でると、頬に手を伸ばし唇を落とす。
身体が熱い……
呼吸が乱れる……
でも、ずっとずっとこうしていたい。
美波が意を決すると、恥ずかしそうに正臣の背中に手を伸ばす。正臣は美波が小さく頷くのを確認すると、ゆっくりとパジャマのボタンに手を掛けたのだった。
◆◆◆
太陽が低いのか、朝日が眩しい。
最近は少しだけ お日様が昇るのが遅くなった気がする……
美波が目を覚ますと、隣にいるはずの正臣の姿はない。正臣はシャワーでも浴びているのだろうか? 遠くの方からは、微かだけど水の音が響いていた。
それにしても、身体が痛い。
やっぱり慣れないことはするもんじゃないと、美波は思った。美波は取り敢えずパジャマを探すと、自室へと戻る。今日はこれから新しいベッドを買いに行くけど、多少奮発してでも寝心地がいいマットレスにするべきだろうと思っていた。
「あれ? なんだろう 」
美波が部屋に戻ると、スマホに通知が残っていた。どうやら昨日の晩も母から電話が来ていたらしい。まだ少し早いけど、この時間なら起きているだろう。美波は直ぐ様リダイアルをすると、朝御飯を探しに居間へと向かっていた。
「あっ、もしもしママ? 昨日は電話に出なくてごめんね 」
『ああ、大した用事ではなかったから別にいいのよ。で、正臣くんとはちゃんと話し合えた? 』
「うん。結局、正臣の部屋に新しくベッドを入れることにした 」
『んんっ? 美波ったら、一体 何を言ってるの? 』
「えっ? ママこそ、何を言ってるの? 」
『あなたたちは結婚するんだから、これからは寝室はママたちの部屋を使いなさいって、この前 言ったばかりじゃない 』
「ハアっ? そんなこと言ってたっけ? 」
『言ったわよ。河童の里で宴会をしているときに話したでしょ? 私もパパも福岡に戻ることは殆どないから、帰ったときは客間で寝るって言ったじゃない。ったく、もしかして二人とも 例の儀式で頭がいっぱいで全然聞いてなかったんでしょ? 』
「なっ…… 」
『あっ、でも近い将来、美波の部屋は片付けとかないと駄目かもね。っていうか、もしもまた契約の印を子どもに施すって話になったら、従者の部屋も必要か 』
「……? って、ちょっと、ママっッーーーーー!!!? 」
美波は 時間差で母の指摘を理解すると、思わず大声を上げていた。普通の親子関係がどんなものかは良く分からないけど、美波の周りの人間たちは本当にストレートな物言いをする者ばかりな気がした。
「んっ? 美波っ!! 大丈夫か? 急に大声を出して、どうかしたか? 」
美波の叫び声を聞こえたのか、風呂場の方からドタドタと大きな足音が響いてくる。いくら恋人同士になったからと言っても、正臣の過保護体質は変わってなくて、何かあれば飛んでくるのは定型文みたいなものだった。
「えっ? 正臣? ごめん、驚いたことがあって。って、ギギギギャーーーー 正臣っッ! 今すぐ服を着てっッーーー!! 」
「えっ? あっ、ウウウウウアッっッーーー 」
『…………あんたたち、朝っぱらからお盛んね 』
「ちょっ、違う! そんなんじゃないって。誤解、誤解だからーーーっッ 」
美波がその後 母からしばらく電話口で説教を受けたのは、言わずもがな。
(おしまい)
ちなみに、美波は今まで幾度となく正臣に寝顔を晒してるのに 本人は気付いてない。
結局、最後は自分たち次第なんだよな……
その晩、美波は風呂から上がると、洗面台に写る自分の姿を 凝視していた。
「あっ、これは…… 」
美波は鏡の中のパジャマ姿に驚くと、思わず自分の姿を二度見する。
ちょっと待って、これって情緒が微塵もないよね? もしかして そもそも論だけど、私って圧倒的に色気がない? というより、もっとネグリジェみたいなやつに変えるとか、見た目から入った方がいいのかな?
美波は本来の主旨から逸脱した悩みで頭をいっぱいにすると、とぼとぼと居間へと戻る。正臣と自分は 本来はまだまだ婚約者という間柄なのに、すでに家族でもあるから、どんなに気まずくても日々の生活は滞ることがないのが悔しいところだ。
「正臣、お風呂お先に 」
「ああ。わかった。もう今晩は遅いから、美波は先に寝てていいよ 」
「うん 」
美波はいつもと変わらぬ正臣を見送ると、作り置きの胡瓜茶を口にする。
「…… 」
やっぱり、正臣は自分のテリトリーは守りたいのかな? その割には、正臣って居間にいることが多いけど。
美波は髪も乾かさずに部屋に戻ると、飛び込むようにベッドへと倒れ込んでいた。
私が部屋を片付ければ、全てが丸く収まる。今はそれでいいじゃない。
美波はぎゅっと目を瞑ると、無意識に生活音に正臣の痕跡を探していた。
遠くの方で、お風呂場で桶を動かす音が響いている。まだ一回しか見たことはないし、殆ど直視はしてないけど、この音の向こうで正臣が裸でシャワーを浴びている。普段は意識しないようにしているけど、薄い壁の向こうで いつも正臣があの寝顔を浮かべているかと思うと変な感じがするし、何だか 急に恥ずかしくなってしまう。
私はもしかして、やっぱり正臣のことが知りたいのかな?
美波はおもむろにベッドから這い上がると、次に気付いたときには 正臣の部屋のドアに手を掛けていた。
ごめん、正臣…… 先に謝ります!!
美波は心の中で詫びをいれると、電気も付けずに部屋の中に侵入する。忍び足で恐る恐る歩を進めると、月明かりを頼りにデスクの辺りを見渡していた。
この部屋には、多分 数えるくらいしか入ったことがない。それが従者に対して主人が取るべき最低限のマナーだと思っていた。
でも、いまは違う。もう形だけの主従関係は終わったし、この場所は、自分が好きな人が過ごしている部屋に過ぎないのだ。
「相変わらず殺風景な部屋だな。机と本棚とベッドしかない 」
美波はキョロキョロと机に散乱している本を凝視する。ノートパソコンと乱雑に積み上げられた資料の背表紙には、美波には理解できないようなお堅い内容が並んでいた。
何だか、私って本当に子ども染みている。
よくよく考えたら年の差だって十歳はあるわけだし、これでは正臣に相手にされなくても仕方がない。
そろそろ正臣もお風呂から上がるだろうし、余計な詮索をするのは止めておこう。
「ん……? 」
美波が踵を返そうとしたとき、ふとベッドスタンドに伏せられた写真立てが目に止まった。木彫りのフレームは、この殺風景な部屋では明らかに異質な存在にも感じられる。
「これって、なんだろう? 」
勝手に部屋に入っておいて今更だけど、美波は写真を見ていいものか躊躇していた。もし女の人とのツーショットだったらどうしようと思うけど、この期に及んでそれはないと信じたい。
美波は今一度深呼吸をすると、勢い良く写真立てを手に取った。
「えっ、これはもしかして…… 」
フォトフレームの中には、美波が知らない正臣の姿があった。これって、まだ子どもの頃の正臣だよね。幼さの具合からして、だいたい小学生くらいかな? それに写真の背景は、正臣の実家の前の前だろうか。一緒に写っているのは、まだ若いけど 多分おじ様とおば様だ。でも正臣が抱っこしている赤ちゃんは一体誰なのだろう?
……写真の中の正臣が、何だか悲しい目をしてる気がした。
やっぱり自分は正臣に気を遣わせている。家族との写真を堂々と部屋に飾っていないのは、きっと高取一家にに配慮してのものだ。いくら形骸化していたとは言え、今まで重ねてきた主従関係が簡単に変わることなどあり得ないのだ。
ガタン!!!
「あっ? 」
美波は写真を戻そうとしたときだった。
いきなりドアが開く音がして、美波は思わず驚愕する。美波は部屋を物色することに夢中になり過ぎていて、正臣の気配に全く気付いていなかったのだ。
「美波? 」
「あっ、正臣 」
「人の部屋で、勝手に何をしてるんだ? 」
「いや、えっと…… 」
美波は咄嗟に後退すると、手にしていた写真立てを背後に回していた。
「美波? お前、背中に何を隠したんだ? 」
「あっ、これはその…… 」
「…… 」
正臣は無言で美波に近付くと、力業でフォトフレームを没収する。正臣としては、美波が写真立てを持っていたのは意外なことのようだった。
「おい、どうしてこんなものを持ってたんだ? それに何で人の部屋に不法侵入してるんだよ 」
「それは…… 」
美波は視線を逸らしてモジモジすると、何とか言い訳を模索する。でもそんなことが直ぐに思い付くほど、いまの美波に余裕はなかった。
「で、何でこんなことをしてるんだよ。今まで俺の部屋に無断で入ったことなんて、殆どないだろ? 」
「別に…… 理由なんてない。ただ、本当に私で良かったのかなって思っちゃったの 」
「はあ? 」
「だからっッ、正臣は私と結婚するので良かったのかなって思ったの 」
「ハイっっ? 」
正臣は あまりに飛躍した美波の主張に、言葉が繋がらないようだった。
「正臣が私のことを大切に思ってくれてるのは分かってるの。でもその私を慕ってくれてる感情は、私を ちゃんと育てなきゃならないっていう 凄まじい義務感から、愛情と恋愛感情を錯覚してるんじゃないかって思っちゃったの。ごめんなさい 」
「…… 」
「じゃあ何でパーソナルスペースを割るようなことをしたんだ」と正臣は問いただしてやりたかったが、いまの美波は少しばかり感情が混乱しているらしい。正臣はグッと言葉を飲み込むと、ハアと溜め息を付いていた。
「まあ、美波の指摘は否定は出来ないな。確かに愛情と恋愛感情の境目は、いまの俺には良く分からないし 」
「そう。やっぱりね…… 」
「ただ美波への恋愛感情を正確に表現するなら、義務感から来るものではないな。どちらかと言えば独占欲って感じかも 」
「えっ? 」
「ほら。最近 お前が人魚にちょっかいを出されたり、俺が狐太郎に悪戯されたりとか、色々とあっただろ?
それまで必死に気付かない振りをしてたんだけどさ、お前のことは、絶対に他の奴にやりたくないなって思っちまったんだよ。
だからこうなった一番の原因は、俺が美波をずっと独占したいと思ってしまった邪な感情が悪化した結果だ 」
「独占欲? 」
「そうだよ。独占欲というか所有欲というか。でも それは美波だって同じだろ? 」
「違っ、私は…… 」
「お前さ、俺がお前の従者をやってきたことに、ずっと負い目を感じてるんだろ 」
「それは…… だって私に気を遣わせないように、家族写真すらひっそり眺めていたんでしょ。
思春期だって私の面倒をみるために放課後もなかったし、正臣には自由だってなかったもん。いくら習わしっていったって、そんなの普通に考えたらイヤに決まってる 」
「……別に写真を伏せていたことに、深い意味はないよ。それにその写真を引っ張り出してきたのは、最近の話だから 」
「えっ? 」
「俺さ、カメラを向けられるのが苦手なんだよ。だから帰省しても写真を殆ど撮らなくて、あんまり家族写真がなくてさ。
それは美波が生まれたときに、河童の里に印を彫りに来たときに撮った写真。俺が抱いているのが赤子の頃のお前で、手元にはそれくらいしか集合写真がないんだよ。
ただでさえ年に数回しか会わないのに、親たちには写真も残さないで悪いことをしたなって、今更になって少し後悔してたんだ。それに最近は、お前を嫁に出す前に、もっと美波とも写真を撮っておけば良かったって思ったよ。
高取の家に入ったときは俺は十歳だったし、当時は従者をやらされることに、心のどこかで反発もあったんだ。自分の環境が恵まれてることに気付いたのは、大学に入ってからだったよ。旦那様と奥さまは院まで全額学費を出してくれたし、普通に仕事して、自由にもさせてもらってる。そもそも里を出てなければ進学もしてなかっただろうから 」
「…… 」
「オイオイ、そんな顔をするなよ 」
「でも 」
「……確かに、従者になったのは成り行きだけどな。でも俺は自分の伴侶は自分で決めたからな 」
「えっ? あっ 」
正臣はいきなり美波を抱えると、二人してベッドへと雪崩れ込む。それはまるで子どものようなじゃれ合いで、不思議と懐かしい気持ちになった。
「俺がずっと一番欲しかったものは手に入ったよ。多分だけど、確実に俺の人生の運の半分以上は使っちまったな 」
「正臣? 」
「つーか、お前はやっぱり軽いな。夜中に潰したらごめん 」
正臣はそう言うと、ベッドの布団を剥いで、美波を枕元に誘導する。そして美波に覆い被さると、ぎゅーっと力一杯抱き締めたのだ。
「正臣っ!? ちょっ、これってどういうことっッ? 」
「どういうことって、寝室を一緒にするって話だろ? さすがに二人でシングルだと狭いな。明日、もう少し大きいベッドを探しに行くか 」
「……!? 」
「美波、その、大丈夫か? 」
「……大丈夫じゃない。ぜんぜん大丈夫じゃないっッ 」
美波は茹でダコみたいに顔を真っ赤にすると、いまにも湯気を吹き出しそうな表情で沸騰しかけている。そんな美波を見た正臣は軽く吹き出すと、笑いながらこう話を続けた。
「あのな、別に取って食ったりなんかしないよ 」
「分かってるってば。ただちょっと恥ずかしかっただけ 」
「あはは。いつも我が儘なお姫様が しゅんとしてると面白いな 」
「もう 」
美波は むぎゅっと頬を膨らませると、正臣の首筋に手を回す。そしてそのまま状態を起こすと、正臣の耳元に唇を寄せた。
「んっ? ちょっ、美波? 」
「正臣、一瞬だけ目を瞑ってくれない? 」
「えっ? 何で? 」
「いいから、ちょっと目を瞑って 」
「はあ? 」
正臣は怪訝な表情を浮かべると、致し方なく瞳を閉じる。そして次の瞬間、首元の鱗がなぞられたと思ったら、立て続けに こう美波に耳打ちされたのだ。
「正臣…… 私、たまには取って食われてもいいよ 」
「……!? 」
正臣は吃驚して目を見開くと、思わず息を飲んでいた。心臓がバクンバクンと鳴っている。正臣にとって美波の言葉の内容はかなり大胆ではあったが、もっと衝撃的だったのは、初めて耳にした美波の声色の艶やかさだった。
「ったく、お前さ、一体どこで そんな挑発的な態度を覚えたんだ? 」
「別にそういうつもりじゃ…… って、んんっ 」
正臣はまるで説教をするように、美波に口付けをする。そして今度は仕返しとばかりに、美波の頤を掴むと 耳元でこう囁いた。
「他の男の前で、絶対にそんな顔をするなよ。お前の初めては全部 俺のものだ。それに言っとくけど、俺は相当 頑張って踏み止まってるんだからな 」
「えっ? あっ…… 」
二人は勢い良くシングルベッドに倒れ込むと、ひしめき合いながら互いの鼓動の早さを共有していた。
正臣は無言のまま優しく美波の髪を撫でると、頬に手を伸ばし唇を落とす。
身体が熱い……
呼吸が乱れる……
でも、ずっとずっとこうしていたい。
美波が意を決すると、恥ずかしそうに正臣の背中に手を伸ばす。正臣は美波が小さく頷くのを確認すると、ゆっくりとパジャマのボタンに手を掛けたのだった。
◆◆◆
太陽が低いのか、朝日が眩しい。
最近は少しだけ お日様が昇るのが遅くなった気がする……
美波が目を覚ますと、隣にいるはずの正臣の姿はない。正臣はシャワーでも浴びているのだろうか? 遠くの方からは、微かだけど水の音が響いていた。
それにしても、身体が痛い。
やっぱり慣れないことはするもんじゃないと、美波は思った。美波は取り敢えずパジャマを探すと、自室へと戻る。今日はこれから新しいベッドを買いに行くけど、多少奮発してでも寝心地がいいマットレスにするべきだろうと思っていた。
「あれ? なんだろう 」
美波が部屋に戻ると、スマホに通知が残っていた。どうやら昨日の晩も母から電話が来ていたらしい。まだ少し早いけど、この時間なら起きているだろう。美波は直ぐ様リダイアルをすると、朝御飯を探しに居間へと向かっていた。
「あっ、もしもしママ? 昨日は電話に出なくてごめんね 」
『ああ、大した用事ではなかったから別にいいのよ。で、正臣くんとはちゃんと話し合えた? 』
「うん。結局、正臣の部屋に新しくベッドを入れることにした 」
『んんっ? 美波ったら、一体 何を言ってるの? 』
「えっ? ママこそ、何を言ってるの? 」
『あなたたちは結婚するんだから、これからは寝室はママたちの部屋を使いなさいって、この前 言ったばかりじゃない 』
「ハアっ? そんなこと言ってたっけ? 」
『言ったわよ。河童の里で宴会をしているときに話したでしょ? 私もパパも福岡に戻ることは殆どないから、帰ったときは客間で寝るって言ったじゃない。ったく、もしかして二人とも 例の儀式で頭がいっぱいで全然聞いてなかったんでしょ? 』
「なっ…… 」
『あっ、でも近い将来、美波の部屋は片付けとかないと駄目かもね。っていうか、もしもまた契約の印を子どもに施すって話になったら、従者の部屋も必要か 』
「……? って、ちょっと、ママっッーーーーー!!!? 」
美波は 時間差で母の指摘を理解すると、思わず大声を上げていた。普通の親子関係がどんなものかは良く分からないけど、美波の周りの人間たちは本当にストレートな物言いをする者ばかりな気がした。
「んっ? 美波っ!! 大丈夫か? 急に大声を出して、どうかしたか? 」
美波の叫び声を聞こえたのか、風呂場の方からドタドタと大きな足音が響いてくる。いくら恋人同士になったからと言っても、正臣の過保護体質は変わってなくて、何かあれば飛んでくるのは定型文みたいなものだった。
「えっ? 正臣? ごめん、驚いたことがあって。って、ギギギギャーーーー 正臣っッ! 今すぐ服を着てっッーーー!! 」
「えっ? あっ、ウウウウウアッっッーーー 」
『…………あんたたち、朝っぱらからお盛んね 』
「ちょっ、違う! そんなんじゃないって。誤解、誤解だからーーーっッ 」
美波がその後 母からしばらく電話口で説教を受けたのは、言わずもがな。
(おしまい)
ちなみに、美波は今まで幾度となく正臣に寝顔を晒してるのに 本人は気付いてない。
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