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しおりを挟む突然ですが、私が小説を書き始めたきっかけについてお話します。
私の第一作は【ガールズ!ナイトデューティー】と言いまして、夜に働くアラサー女子四人組の恋に仕事に友情にをテーマにした、日本でも数少ない(と思われる)夜勤小説です。
何故、夜勤をテーマにした小説を書いたんだい、とツッコミが聞こえてきそうですが、理由は単純で私が当時夜勤従事者だったからです。夜の担当になると数ヵ月単位で深夜勤務が固定だったので、本当に大変でした。
当時の私は超夜型の生活が辛くて、毎日体調や精神面のコントロールに苦労していました。遮光カーテンをしても真っ暗にはなりきらない部屋で熟睡することに苦戦し、生活音で目が覚め、体内サイクルはメチャクチャだけど、身体は素直で昼間は起きろと謎のホルモンとも戦わなくてはならずで、挙げればキリがないくらい人類の法則に反した生活が苦手でした。
それに加え最大出力が求められる職務の緊張感や重圧が凄かったので、精神も抉られるダブルパンチで、休日は毎週通院がルーティーンでした。
前置きが長くなりましたが、そんな環境で働いていたときに、よく「誰か女性向けの夜勤の攻略法を教えてくれないかな」と思うことが多々ありました。
世の中には、たくさんの夜勤のある職種があります。ただ当時は医療関係者の方に多い、一定のサイクルで昼帯と夜帯のシフトが混合するタイプの夜勤の情報はあったのですが、私のように固定夜勤の経験談があまりありませんでした。
もちろん同僚との情報交換は欠かせませんでしたが、性別が違えば基礎体力が違うし、そもそもテレビ業界は鉄人と変人の集団なので、鋼の体力とメンタルの持ち主がゴロゴロいて、あんまり参考になりませんでした。同僚は夜勤明けに一泊二日で韓国に行き、帰国してそのまま夜勤という不眠不休の真の弾丸旅行をしていて、次元が違うといつも感じていました。
というわけで、私は世の中に夜勤従事者のリアルな体験談がないならば、自分で発信すればいいじゃない!と思いつき、小説を書くことにしました。
なんで小説なんでい!ブログでいいじゃん!とヤジが聞こえてきそうですが、私が小説に挑戦した理由はエンタメ性です。
私の夜勤従事者時代はギリギリで生きていましたので、それをそのままリアルに書くことに抵抗がありました。私の生活自体が仕事中心だったので、キラキラ感がまるでなかったのです。
私は元々夜勤で稼ぎたいわけではなく、夜勤をせざるを得ない職種に就きました。でもなりたい職業だったからこそ、なんとか踏みとどまり頑張っていました。夜勤は大変ではありますが、それが私の発信を見た人の職業選択の幅が狭まるような内容になるのは本末転倒だなあと思っていました。あくまでも「なりたいものになったら、夜勤があった。さてどうする」に対応した内容にするには、生活をエンジョイしていてリアリティもある理想のヒロインたちが必要でした。
小説の中のヒロインたちは、夜勤をエンジョイしながら日々を生活しています。ここまで私自身は夜勤は大変だと連呼してきましたが、もちろんやりがいや楽しいこともありました。
仕事終わりに帰路に眺める冬の東京の朝焼けは、写真でなくて肉眼で見るのが本当に美しくて、これは夜勤をしていなかったら出会えなかった風景だったし、夜中にタクシーで首都高に揺られて帰る背徳感は大人になったと感じさせてくれるちょっとしたご褒美でした。
それに夜行性の生活をしていると、自分の中の幸せの基準が下がるので、日常生活が尊いものになります。
例えば真っ暗な寝室で夜中に寝ることが、とてつもなく贅沢な時間になります。大半の人にとっては感動なんてほぼない当たり前の日常なわけですが、私にとっては月に数回しか味わえないとても貴重なことになりました。このように自分の常識や価値観がリセットされたことで、些細な幸せに気付くことができるようになったのは、私の人生観を構築していく上で確実にプラスになったと思います。
以上の切り口で、私は【ガールズ!ナイトデューティー】という小説を書くことにしたわけです。
我ながら面白い切り口で小説を書き始めたなと感じます。
今は実生活が多忙で、なかなか小説を書く時間はないのですが、ガールズ!の彼女たちは今も私の心の中にいる大事なお友達です。彼女たちがいなかったら、他の話も書かなかったし、それを鑑みると私は夜に煌々とするライトの中で働いて良かったんだなと思っています。
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